[note69]進路指導部長としての9年①
なぜ、このタイミングで振り返る??
次年度人事が発表された訳でも、自分の次年度に変化がある訳でもない…
けれど、10月に自分のこれまでを振り返ってみた。
正確には振り返らなければいけない気がしたので、止まっていたnoteの#69として投稿することにした。
9年前に「次年度から進路指導部長をお願いします」と言われた。
当時はキャリアのある進路指導部長の下で、進路指導主任として仕事をさせてもらいながら、色々と勉強をしていた時期だったし、高校1年生のクラス担任でもあったから想定外の人事だった。人事に対する拒否権がある訳でもないし、「いつかはそういうこともあるかも」とは思っていたが、「さすがに早くないですか??」というのが正直な感想。でも、人事が確定した以上はやるしかないし、どうせやるならば「新しいものを生み出したい」という気持ちもあった。その気持ちは今でも変わっていない。あの人事通達から9年余りが経ち、なぜ文字に起こして振り返ろうと思ったのか、そこにはいくつかの理由がある。1つは進路指導の責任者としてあるべきではないミスがあったこと。もう1つは今の自分に対して、この1年間モヤモヤした感じを常に抱いていること。自分の中でも消化できていないことは文字にするのが自分流なのかも知れない。そんな訳で、一人相棒のSurfaceに向き合っている。
1人の生徒と向き合う
進路指導部長はクラス担任でもなければ、学年に所属している訳でもない。つまり、担任時代と比べると、生徒一人ひとりと向き合う時間が授業を除くと圧倒的に少ない。しかし、学年に400人の生徒がいたとしても、それは単なる総数にすぎず、教員としてはそれぞれの生徒を1人として見ていかなければならない。これは当たり前のこと。縁があって入学した彼らとは卒業の日まで共に過ごす中で、一人でも多くの生徒が希望進路を実現して卒業してほしいと思う。「私学は実績」ということは間違っていない。ただ、個人的には、彼らが自分の将来や未来を想像し、実現に向けて自分自身を創造した結果であるならば、実績はあまり拘らない。それは私学の進路指導の責任者としては望ましい姿ではないのかも知れないが、自分の中では「希望進路」とはそういうものだと思っている。挑戦し、手が届かないことも珍しくないが大切なのは自分自身と向き合うことであり、それができる生徒は自分の最大の希望が叶わなかったとしても、その先の人生を切り拓くことができる。
だからこそ、生徒には挑戦するチャンスも、成功を得るチャンスも、時には思い通りにはいかないことを痛感する経験も、保障しなければならない。
そんな至極当たり前のことを痛感することがあった。進路とは生徒のものであるが、背後には彼らを支え、学校に期待し、信頼してくれる保護者の存在がある。親として望む最も基本的なことは「人間としての成長」だろう。
「進路指導」とは、生徒や保護者の方の思いを想像し、彼らを支え、自分の意思で選択し、決定できるような環境を作り出すことなのだと思う。
自分は常にフレッシュな気持ちで、こうした当たり前のことに向き合うことができているだろうか?
9年間という時間が自分自身に甘えを生み出していないだろうか?
今の自分を見たとき、改めて「進路指導とは何だろう?」という原点に立ち戻る必要があると思っている。
挑戦してきた…はず
実際に進路指導部長という立場になり、色々なことをやってきたと思う。
大学入試改革(大学入学共通テストの導入やその他の入試改革)や学校での新たな学習プログラムの導入、新型コロナウイルスに伴う学校休校やオンライン授業といった変化の大きな時期にぶつかったこともあると思う。
ただ、それ以上に「進路指導とは何だろう?」という疑問からどうすれば彼らが自己選択し、進路に対する決定権を持つことができるのか考えてきた。
主体はあくまでも生徒であり、選択権を持てることこそ大切だと思う。
自身の価値観から考えると、「進路指導」ではなく、「進路支援」の方が、イメージに近い。特に変化の激しい時代、教師がこれまで経験していない時代を生きる中で「指導」できることは決して多くない。共に考え、彼らの選択をサポートするコーチング的な関わりが現代の「進路支援」 の在り方だと常々思ってきたし、その思いはこれまで以上に大きいものになっている。
ただ、最近の自分を振り返ると、これまでのようなガツガツした挑戦の心が不足しているように感じる。言葉にすることは難しいし、キャリアを積む中で、より現実的で具体的な行動として整理できているのかとも思う。確かに当初は自分の思いだけで走っていた感覚がある。その思いは時として勝手な思い込みに変わることもある。だからこそ、何を目指すか、何を大切な価値観とするかについての共有が必要となる。
「やっぱり今の自分はチャレンジできていない」
そう思うのはなぜなのだろう?
生徒達は進路の実現や人生の選択、決定に向けて挑戦している。
だからこそ教師も彼らをサポートする挑戦を続けなければならないと言うのが常に思うことだ。こうしたモヤモヤの正体は何だろう?
自分と向き合うための書き下ろしとして始めたが、一度冷静になるためにキーボードを叩くのを止めて、改めて考えてみたい。続く…
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