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同じものが高値=ぼったくり⁉︎高値の理由は?値決めは価値決め、値決めは経営!

富士山山頂にドリンクの自販機があります。
みなさんの想像通り、街中のそれとは価格が異なります。

富士山山頂価格!

過去に何度か富士山に登っていますが、
その際にこの自販機の価格を見て

「うわっ、ぼったくりだ!!」

と言っている人がいました。
私はその言葉に違和感を覚えます。

これはぼったくりでしょうか?
そもそも何で高いのでしょうか?

値段が高い理由と
値決めについて考えてみたいと思います。

1. 富士山山頂の水が高い理由

「ここまで水を運ぶのが大変だから高い」
「ここまで水を運ぶ人が少ないから高い」
「ここまで水を運ぶコストがかかるから高い」
という考え方もあると思います。

では仮に、
富士山山頂と同じ価格で、
大変な思いをして、
コストをかけて水を運び補充した自販機が、
街中にあったらどうでしょうか?

誰も買わないですよね?

ということは、

仕入れや運送が大変とか、
働く人が少ないとか、
流通コストがかかるとかは、

理解はしても買わない、
高くても買う理由にはならないのです。

では富士山山頂ではどうでしょう。
街中の5倍の500円でも売れるんです。

富士山山頂の水が高い理由は
「売れる」から!

2. 富士山山頂の水が500円の理由

もしみなさんが山で遭難していて
いつ救助が来るかわからない、

丸2日何も食べてない、飲んでない状況で
水を500円で売ってくれる人と出会ったとしたら

その水を喜んで買いますよね。

他にも遭難者がいて、残り1本しかない水を
高く買ってくれる方に売ると言われたら

いくらまでだったらその水を買いますか?

命の危険を感じていたら
持っているお金を全て支払ってでも
買うかもしれませんよね。

このように、水の価格・水の価値というのは
環境・状況や人の価値観で変わります。

富士山山頂の水は、
安くしなくても売れる。
安くしなくても売れるから高くする。

安くしなくても売れる、高くても売れる
ちょうど良い価格が500円なのです。

流通・維持・手間などを加味した上で
売りたい数量が売れる
ちょうど良い価格が500円なのです。


3. 500円の水はぼったくり?

「それってぼったくりだ!」
「人の足元見やがって!」
と思う方もいるでしょうか。

そもそもぼったくりとは、
法外な価格を力ずくで奪うことです。

富士山山頂の場合、
自販機ですから力ずくではないので、
ぼったくりは該当しないでしょう。

商売は慈善事業ではないので、
人の足元見るのはある意味当然で、

いかに高く売るか、
いかに多く売るか、
誰に売るか、
どこで売るか、
どのように売るか、
このバランスを鑑みて、
価格を決定します。

これってとても重要な経営判断だと考えます。

このように書くと、富士山山頂の水が足元見た
いやらしい価格に思われるかもしれませんが、
決してそんなことはありません。

富士山山頂で500円で水を買った人は
きっと手持ちの水がなくなり、
喉がカラカラだったに違いありません。

「500円出してでも水が欲しい!」
という願いを見事に応えているのです!

「ぼったくりだ!」と言っていた人よりも
高い価値を感じてくれていたに違いありません。

そんな価値を感じてくれている人に売りたい!
本当に困っている人の役に立ちたい!

富士山山頂の500円の水は
そんな役割を担い、

今日も本当に困っている人の
喉を潤しているのです。

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