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春を迎えたキミへ。


キミがこの世にやってきれくれた日のことは昨日のことのように覚えている。
クリスマスイブの、とても寒い日だった。
私はピザ屋にいて、持ち帰り用のピザが出来上がるのを待っている時、ママからの電話が鳴った。
声が元気そうだったので少し安心した。

姪という存在が、初めて私の人生にやってきた日。可愛いんだろうな。仲良くなれるといいな。生まれて初めての、こそばゆいようなふわっとした幸せだった。

キミはいろんな人に初めての幸せを与えた存在。
とてもとても大切な存在だ。
キラキラした瞳でまっすぐに私を見上げていたあの頃から、あっという間に時間が経ってしまったね。

私なんかが何を伝えられるだろうって思うけど、愛するキミに贈るお祝いの言葉。

卒業おめでとう。

今までいろんなことがあったと思うけど、ちゃんと自分で考え乗り越えてよくぞ今日の日を迎えたね。きっと今は、新しい世界への不安と期待で、脳みそがパンパンなんじゃないかな。

自分の若い頃を思い出してみると、失敗や恥ずかしいことだらけで
本当に思い出しただけで赤面しそうです。私が18歳の頃は、今よりずっと直情的で、独善的で、傲慢だった。
それに比べてキミは・・、少し言葉を交わせば、愛されて素直に育ったんだなとすぐにわかるような佇まい、なんていうか、嫋やかさがある。
育ちの良さだけではなく、それはキミの持って生まれた才能なのかもしれない。

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新しい世界に旅立つキミに、ひとつお願いがある。

これからキミの周りに起こることのうち、自分にとって好ましいもの、不快なもの、大切なもの、大切にしなくていいものをできるだけしっかり確認してほしい。

その感覚は君の財産になる。そうして出来上がった価値観に沿って生きることは、きっとキミを明るい方向へ導いてくれるはずだ。
どうすればそれがわかるかっていうと、できるだけたくさんのことにトライすること。喰わず嫌いはやめて、なんでもやってみればいい。上手くいかなくても、今は試行錯誤の段階で、まだ途中なんだと思ってほしい。何があっても自分を否定しないでほしい。そのうちに自分にとって本当に大切なものがわかる。だから約束してほしい。絶対に自分を責めたり否定したりしないと。

なんでダメかって、
君は君と一生一緒にいてくれる親友だから。
キミは何かあれば誰からも逃げる自由があるけど、自分からだけは逃げられない。
一生キミに尽くしてくれるのは自分自身でしかない。
だから自分のことはまず一番に大切に考えてほしい。

君は周りから信頼を寄せられる人。君を心から愛する人も必ずいるだろう。
そのまま、ただ健康に、楽しく生きてほしい。

私はといえば、キミの選んだものや好きなものをずっと肯定してあげられる存在でいたいなって、結局人が人にしてあげられることなんてこの程度なんだなと思うけど、この程度のことでもずっと続けていきたいなと思います。

これからもどんどん素敵な女性になってゆくでしょう。


明日へ続く。


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