ネット広告「的外れ」
アップルが個人情報の保護の観点からスマートフォン「iPhone」とタブレット端末「iPad」用フェイスブックアプリなどに利用者にターゲティング広告に関する情報の同意を求める独自のポップアップ画面を表示すると発表していますね。
フェースブックは広告のターゲティング機能の精度が下がり、アプリ運営企業の広告収入が著しく減少するとみられています。
一度検索や購入すると関連商品がいつも広告出てきてうんざりした経験がありませんか?
買う気もなくてちょっと見ただけで、ずーっと出てきて返って嫌になった覚えがあります。
今
デジタル社会のエンジンに転機
が来ているといえそうなんです。
今日はそんなデジタル広告について
*邪魔で侵略的だと感じる人々
*広告業界事業者はカオス状態
*宣伝を超えた生かし方へ
とみていきながら
ネット広告を技術に振り回されるのでなく、社会を前進させるエンジンとして使うこと
という概念のアップデートを考えていきたいと思います。
*邪魔で侵略的だと感じる人々
インターネット広告の世界市場は約50兆円と言われています。
そんな中でツィッターを買収したマスク氏が投稿内容の管理を緩める方針を示しています。
「自由な表現の場」
に重きを置いているんですね。
しかし、懸念としては企業にとって不適切な投稿の増加によって、そのことを嫌う企業が広告の出稿先をほかのSNSに移す可能性があるということです。
ツイッターの売上高は9割をネット広告です。
そこで恐らくマスク氏は広告に頼らずに、課金にかじを切ると予想されているのです。
今の広告で多くは、個人の追跡に依存していて、残念ながらその広告は的外れで人の心をとらえていない、との意見が増えています。調査や統計がそれを物語っているのです。
「個人データばかり見て、その裏側にいる個人の感情や生活リズムが無視されてきた」
ネット広告関連会社、米インテグラル・アド・サイエンス日本法人の山口武カントリーマネージャーはそう説明しています。
育児用品の広告なら「女性、30~40代」にといった発想も多様性を欠くと問題視しています。
*広告業界事業者はカオス状態
何が広告と人々の気持ちとのズレを招いているのか?を考えていくと、1990年代半ばに登場し急激に巨大化、複雑化したネット広告の業界構造が一つの要因だと言えそうです。
コンピューターの能力向上で、大量の広告出稿を瞬時にさばくようなシステムが出来上がったのです。
これらの仕組みを高速回転させて利益を得ようとさまざまな事業者が出現し、入り組んだカオスが今のネット広告の世界だといえるからです。
そして消費者は、ネット広告の表示を防ぐソフト
「アドブロッカー」
の利用率を見ると世界で37%にも上ります。
理由は
広告が多すぎ、
邪魔、
自分と関係がない、
が主な理由です。
効率が優先される中、「質より量」ムードのなかで、事前確認が手薄になり粗悪な広告も紛れ込みやすくなったからですよね。
本来はネット広告は中小企業に先端的マーケティングの機会をもたらし、安価で人々に届けるのに役立つものです。
だからこそ業界を覆う霧を晴らし、広告を見る側も出す側も納得のいくものに刷新しなければならないのです。
*宣伝を超えた生かし方へ
一方で、この流れを変えようとする勢力も出てきています
21年にはスマートフォンに表示された広告を何秒見たか、スクロール速度などから割り出すAI技術を持つ会社豪プレイグラウンドXYZの買収を発表した米GumGum(ガムガム)です。
人工知能(AI)によって記事などコンテンツの中身をつかんで、マッチする広告を配信していきます。
プレイグラウンドのロブ・ホールCEOは
インターネットサービスを無料にするための広告には個人の追跡が必要だと言われてきたが、真実ではない
と語っています。
企業が存在意義を問われる時代、広告のテーマも大切です。戦争やジェンダーなど世界が注目する事業や環境などの活動に対してどう貢献しているか?
そんな事も商品とは別に発信する時代になってきています。
ネット広告を技術に振り回されるのでなく、社会を前進させるエンジンとして使うこと
住みよい社会とはそういうテクノロジーに支えられていると思います。
#ネット広告 #個人データ #AI #日経新聞
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