世界の穀物を中国が買いだめしています
日経新聞の記事や色々ニュースによると、中国が食糧の買い集めを加速しているそうです。
米農務省によるとトウモロコシなど主要穀物の世界在庫量の過半が、世界人口の2割に満たない中国に積み上がっているとのこと。
中国の巨大な食欲が穀物の高騰や貧困国の飢餓拡大の一因になっているとの見方もあるのです。
東北部の大連には巨大なサイロ(食料貯蔵庫)が310基も並んでいて船で穀物がどんどん運び来られているようです。
10億の人口で世界経済をけん引してマネーをてにしている中国が穀物を買い占めるとどうなるのか?
ちょっと怖くなって新聞記事をまとめてみました
今日は
*世界の穀物の在庫中国が半分に
*世界の食料価格指数も過去最高に
*中国の食料生産量が減少・輸入は増加
*なぜ穀物輸入量が増えたの?
*中国の穀物輸入増加がもたらすもの
とみていきながら
世界の飢餓は先進国全体の責任だが、中国の責任がより重くなる、日本をも直撃しかねない、中国の「食料覇権主義」
への警鐘をならしたいと思います。
*世界の穀物の在庫中国が半分に
11月の記者会見で「食糧の在庫総量は歴史的な高水準にある」と、国家食糧物資備蓄局で食糧備蓄トップを務める秦玉雲氏は胸を張って答えたそうです。
「小麦の場合、1年半分の消費需要を満たせる。食糧供給は絶対に問題ない」とのこと。
米農務省の推計データによると、
2022年前半(穀物年度、期末)の世界の在庫量に占める中国の割合は
トウモロコシが69%、
コメは60%、
小麦は51%
に達する見通しです。
いずれも過去10年間で20ポイント前後高まったのです。中国が穀物の買いだめを続けてきたことが鮮明になりました。
中国税関総署によると
20年の食品輸入額(飲料除く)は
981億ドル(約10兆円)
と、10年間で4.6倍に増えているのです。
21年1~9月期もデータを比較できる16年以降で最高でその傾向に拍車がかかった感じですね。
この5年間で大豆やトウモロコシ、小麦の輸入額が2~12倍に急増していて、その他にも牛肉や豚肉、乳製品、果物類も2~5倍に伸びています。
米国やブラジルなどから積極的に買い付けているそうです。
*中国の食料生産量が減少・輸入は増加
中国という国は、2021年の世界人口は78億7500万人で、そのうち世界第1位の14億人を超す約18%の人が暮らしています。
その中国は意外なことに、世界の農耕地の約9%しか持っていないのです。
「95%の食料自給」が基本であったことからすれば、これまで世界のわずか9%の農地で、世界の約2割の人間を養ってきたことになります。
それも驚くべきことに中国は、2004〜14年まで、気候変化に関係なく、11年連続で食料の増産を実現しています。でもこれが限界みたいでした。
結局のところ、世界の2割に満たないとはいえ、世界最大の人口を養うために海外に進出せざるを得なくなったのだ。それが国家戦略となって今日に至るということです。
そしてそんな食糧事情からなのか、4月に食べ残しを禁じる法律を可決して、共産党と国務院(政府)も10月末に食糧の浪費を減らす具体策を各部門に通知したのでした。
*なぜ穀物輸入量が増えたの?
中国はご存じの通り経済発展が目覚ましく、国民の生活レベルはぐっと上昇しました。
日本もそうでしたが、生活レベルが上がると食生活が変化します。
お肉を食べて、パンやパスタも普通に食べる様になってくるのです。
2015年に年間354万人民元だったパスタは2025年には1359万人民元に増加すると予測されています。
同様に
2015年米は62876万人民元が2025年81773万人民元
パンは26643万人民元が2025年に57718万人民元に
増えると予測されています。
品目別に理由を掘り下げると
大豆などに関しては
国内生産だと収益性が悪いので、海外からの輸入へシフトしたとみられています。
小麦などに関しては
上述のようにパスタやパンの需要が増えていることに起因しています。
とうもろこしなどに関しては
肉類の需要増加にともなう家畜飼料の増加が起きている
ことが考えられます。
*中国の穀物輸入増加がもたらすもの
この穀物輸入増加が世界にどんな影響をもたらすのかに着目してみました。
まずは、穀物を輸出している国にとっては大きなお得意さんになるのですから、もちろん
存在感を高める中国
という部分は出てきます。
輸出相手として大きな存在になることで、発言力もさらに強くなります。
そして
世界は穀物供給制限
が起こっています。つまり、ブラジルなど原産国では生産を増やそうと農地を増やそうと思っても、環境観点から森林伐採は簡単に出来ることではありません。
貧困国はこういう背景から小麦など穀物の値上がりで輸入出来ない国が出てきて、食料不安や飢饉がおきるかもしれないのです。世界がリスクを抱えることになります。
一方で、期待できる良い動きは
農業分野のイノベーション
です。テクノロジーで収穫量の大きい作物への品種改良とか、肉の代わりに代替肉が発達すれば、牛を育てるための穀物や水を節約できるようになります。
食糧不足解決へのイノベーションが大きく進む可能性も秘めています。
結局は
世界の飢餓は先進国全体の責任だが、中国の責任がより重くなることを中国と世界は認めて、食料覇権主義で上下関係の圧力格差が広がらない仕組みを見張っていく
ことが大切になると思います。
フィリピンの情報サイトを立ち上げました。
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