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さらば時刻表!いつでも予約

私の父は84歳になります。昨年ぐらいから体調がよくなく今はめまいがするというのあまり外出しません。

しかし夫婦で暮らして食事の買い物は近くのスーパーまで車で出かけます。そうしないと重たくてとても持って帰れないからです。

さすがに今度の免許更新はせず返納するようですが、そうなると買い物一つでも不自由になりそうで不安です。

同様のことが高齢化の日本の社会で起きていて、度々高齢者による交通事故が報じられたり、地方では過疎化で路線バスの収益が賄えず問題になっています。

それを解決する取り組みが、国土交通省を始めとして多くの企業が参入しながら進んでいるのをご存じですか?

その方法が

MaaS(Mobility as a Service)に基づく乗り合い交通システムの構築です。

今日は

*乗り合い交通のシステムをみる
*AI配車は地方と都市部で増加
*各社の参入状況、生活の足として普及へ

とみていきながら

タクシーの便利さとバスの安さを備えるサービスに海外参入で乱戦模様

というビジネスに注目していきます。

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*乗り合い交通のシステムをみる

では、早速その乗り合い交通の仕組みをみていきます。

予約制で乗り合う「デマンド交通」は、人工知能(AI)を導入して配車効率を高めています。

経路や同乗者を瞬時に決定して、公共交通が手薄な地方や都市部で、好きな時に頼み短時間でくる生活の足として利用を伸ばしているのです。

配車のイメージは

1. デマンド(配車リクエスト)に応じて車両が走行
2. 異なるデマンド(他からの配車リクエスト)が発生
3. リアルタイムでルート変更(AIでルート判断)

といった感じです。採用している地域をみてみると、

岡山県久米南町では、スマートフォンで「カッピーのりあい号」という名称で運用されています。

乗降場所や人数、希望時間を入れると、到着時間と車の位置がすぐ出ます。4~6人乗れるミニバンなどが予備を含め5台あって、5~20分前後で迎えに来て家と目的地を結ぶドア・ツー・ドアで町内を走り回るのです。

例えば、スーパーに行きたいAさんが予約を入れるとクラウド上のAIが動きます。

車両の位置と予約内容をもとに、独自のアルゴリズム(計算手法)、遅れの許容時間など設定した30以上のパラメーター(変数)を組み合わせて最適経路をほぼ1秒以内に計算するのです。

車内のタブレット端末からの指示を受けて走行中に、病院に行きたいBさんから予約が入ると、AIが再計算を始めます。
経路は変わるけれど、Bさんも拾い2人を運ぶ最短経路を示して短時間に最少台数で多く運べるように拾う順序などを最適化してルートを決定します。

*AI配車は地方と都市部で増加

今の日本の現状は、自家用車の普及と人口減少で全国の路線バスは08年度以降、距離にして1万3千キロメートル超、鉄道は約20年で1000キロメートル超が廃止されました。
路線バス、地方鉄道とも約7割の事業者が赤字です。

穴を埋めようと、バスとタクシーの中間的存在のデマンド交通を入れた市町村は560超ありますが、人力での配車が多いのが現状です。

交通空白地では7割が想定の客数に満たないとのデータもあって、AIを駆使した配車で立て直す動きが広がってきています。

株式会社未来シェアは16年発足ですが、未来大学が13年から実験を続けていて、北海道や本州、沖縄県などの20近い自治体と地元企業、NTTドコモなどが正式採用しました。

都心部でも、コロナ下の在宅勤務で鉄道・バス利用が減り、自宅周辺の移動が増えたことでAIで配車する乗り合いサービスが注目され始めています。

*各社の参入状況、生活の足として普及へ

では、各社がどんな取り組みをしているか個別にみていきます。

未来シェア
公立はこだて未来大学発のスタートアップ企業です。技術開発の歴史も長く、全国にシステム提供しています

NTTドコモ
未来シェアと共同でシステム開発し、各地で提供しています。

モネ・テクノロジーズ
ソフトバンクやトヨタなどが出資をしています。。システムやアプリ、車両を一括提供しているのです。

医療などの移動サービスも支援しています。実験を含め20超の自治体にAIシステムを提供中です。

群馬県富岡市は主に定時定路線の乗り合いタクシーを21年に予約型に変えました。乗降拠点を約130から420超に広げて、アプリなどで利用15分前までに予約が入れば、地元業者が最大6台走らせることが出来ます。

1日の利用者は20年比2.5倍に増えたそうです。

ネクスト・モビリティ
西日本鉄道と三菱商事が出資しています。

「のるーと」の名称でサービス提供中です。システムはカナダ社製だが要望を出して改修しました。

提供先の福岡県宗像市では平日2台で110~170人を乗せて、平均待ち時間は5~6分に抑えるという「高い輸送効率」を実現しました。

ウィラー
21年から東京都渋谷区などで定額制配車を実施しています。

KDDIとの共同出資で4月以降の全国展開予定になります。

定額プランは30日5千円で半径約2キロメートル圏を乗り放題だそうです。渋谷では約10分でワゴンが配車され会員は採算ラインの200超ました。

小田急電鉄
沿線の東京都町田市や川崎市で運行実験中です。

乗降場所をシステムが決める配車アルゴリズムも試しました。東急も運行を検討しているそうです。

三井不動産
商業施設やホテル・マンションで配車を実施しています。

提携先のマース・グローバスのアプリ活用しているそうです。


このように車をシェアすることで、台数が減るのは環境には良い事ですし、高齢者の事故問題も減らす事が出来ると思います。

利便性が失われずサービス提供するところにお金が落ちれば経済が停滞する事も防げそうです。

タクシーの便利さとバスの安さを備えるサービスに海外参入で乱戦模様であることは、それだけ可能性があるから参入しているといえそうです。

CDが所有からクラウドでシェアする世に中になっても音楽業界は前に進んでいます。これと同じことが車をめぐる環境で起きるかもしれないですね。

#乗り合い #MaaS #モビリティ #未来シェア

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