AIは危険なのか?安全か?EU規制への異論
先日、EUが人工知能AIの開発・運用に対して禁止事項も含めた規制を公表しましたが、米国のテック企業は修正を含めて多くの意見を提出しているそうです。
AIはこれからどんどん導入されていく先端分野の技術でそこに大きな規制があれば、テック企業にはダメージですよね。
一方で、人権侵害など大切な権利を侵されると多くの人に辛い思いをさせてしまう可能性もあります。
今は両社が駆け引きしている状況ですが、私たち使うユーザー側がしっかりリスクを知っておくことは大切ですね。
そこで今日はAIを巡る議論で
米テックの規制撤廃 VS EU人権侵害防止策
という構図を
*AIの用途の広がりに規制の欧州と促進のテック企業
*責任所在を巡る事例から問題点をみていく
*欧州案は4段階のリスクに応じて
*本格普及へ試練を乗り越えること
という視点でみていきながら
グーグルなど米テック企業は責任を巡り警戒している。
差別・公平性に厳しい風当たりの風潮を乗り越えることが必要
という課題に着目したいと思います。
*AIの用途の広がりに規制の欧州と促進のテック企業
欧州が規制を公表した背景には、
「欧州を『信頼できるAI』の世界の中心地にする」
ということを理念として4月に宣言を行いました。
姿勢は凛としていて、悪質な違反には4最大40億円もの罰金を科すというものです。
欧州がなぜここまでこだわるか?といえば、懸念しているAIの負の側面が最近クローズアップされだしたからです
アイフォンでも使われる顔認証ですが、男性より女性、白人より黒人で制度が低くなる傾向があります。
2020年にアメリカミシガンで黒人男性が誤認逮捕されたり、ウイグル族監視にもAIが使われていることを懸念しています。
ヨーロッパは戦争の歴史、支配の歴史を繰り返し、陸続きなのでどこかで戦争が起きると周りが影響を受けやすい中で、「人権」や「自由」を尊重する文化が育ってきたので、コンピューターによって人の権利を侵害されることに嫌悪感が強いのです。
*責任所在を巡る事例から問題点をみていく
では、具体的な例でみていきましょう
① あるテック企業が汎用的な文章分析のAI開発したとします。このAI技術を使って
② 別の企業が採用活動で自社基準に基づき履歴書分析に利用したとします。
ここまでは全く問題ありません。
③ しかしそのAIが男性優先など公正さを欠く判断をする様になったとしたら?
その責任はどこにあるか?ということに対して
EU(欧州委)はテック企業がリスク回避の責任を負うべきと考えていて
米テック企業は「使われ方」まで責任を負うのは難しいというスタンスです。
AI導入前に男性ばかり採用してきた企業にとって、持ち合わせているデータは男性採用のデータが多いので、AIは男性の方を採用しやすい傾向になります。
ここで生まれる雇用の女性差別をメーカーかユーザーかどちらに責任を重く持たせるか?という課題があるのです。
*欧州案は4段階のリスクに応じて
欧州のリスに対する基準は4段階になっています。
見ていきましょう。
一番厳しい
① 受容できないリスク→使用禁止
政府などが個人の信憑性を格付けするAI
法執行を目的とする公的空間での生体認証(顔認証など)
② ハイリスク→事前の適合性評価などが必要
重要インフラの安全に関するAI
教育・職業訓練に使うAI、
雇用や就労管理に用いるAI
③ 限定的なリスク→AIを使っていることの通知必要
人とやりとりをするAI(チャットポットなど)
画像などを生成するAI(ディープフェークなど)
④ 最小限のリスク→追加的な規制はなし
上記のリスクに該当しないAI
に分類されています。
18年Amazonは人事採用にAIの運用を取りやめたと報じています。
*本格普及へ試練を乗り越えること
AIは2012年頃から技術が高まって注目されて、運用も広く進んできました。
影響力が強くなったということです。
一方でコロナで加速した世界の分断は差別や富の偏りを生んでいます。
ITの聖地シリコンバレーのあるアメリカでも多くの人権問題は大きな意味を持ってきました。
なので人権に関しては、中々規制を緩めるという動きは起きにくいと思います。
そこで
グーグルなど米テック企業は責任を巡り警戒している。
といわれています。
世界を変える革新的な技術で、今後多くの分野で導入されているAI分野はどれだけ先にマーケットを取るか?という先行者利益は企業と指摘になるところだと思います。
規制で開発や販売が遅れたら私たちの便利も先送りになることが有るからです。
しかし
差別・公平性に厳しい風当たりの風潮を乗り越えることが必要です。
AIは人の幸せに繋がってこそ価値がある技術なので、この動きは収まらないと多くの人も見ています。
フィリピンの情報サイトを立ち上げました。
幅広く情報発信しています。ご覧くださいませ
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