名ばかりDX、逆効果

コロナになって、リモートワークが増えて公私の境界線がつけにくくなりました。

さらにパワハラ上司は1日に何通もメールを送って来たりSNSのチャットでメッセージを送って来たりしてきます。

実際にデジタル機器を駆使して、仕事の効率を上げようとして無理をする方が、働く人々の疲労や集中力低下を招き、かえって生産性を落とすという残念な事態が起きると専門家では懸念されているようです。

つまり、形ばかりDXを進めても働き方が従来のアナログなら、思うような結果を出すことは出来ないでしょう。

仏を作って魂入れず

っていうのが近い表現でしょうか?

今日はそんな働き方に対する意識の変化が求められる事を

*コロナ禍で高まるオーバーロードの懸念
*デジタル機器をアナログ時代のルールで運用
*競争力挽回へ 真のDXを

とみていきながら

表面的なDXでなく質を高めて生産性や競争力の向上につなげる変革

を求めるために何が必要な?何がダメか?を考えていきたいです。

*コロナ禍で高まるオーバーロードの懸念

近年のデジタルでキーワードといえば、まちがいなく

デジタルトランスフォーメーション(DX)

ですね。

色々なガジェットを駆使して様々なデータを処理しつつ、プロジェクトをいち早く進めていく、そんなイメージです。

又、コロナでリモートも増えたので、ZoomやTeamsなどのソフトで会議を行うことも日常になりました。

しかしガラパゴスと呼ばれる日本社会においては、まだ働き方はアナログ方式が多くて、デジタル機器の駆使との間にギャップが生じていそうです。

デジタルオーバーロード(過負荷)のリスクがある

米マイクロソフトは3月、新型コロナウイルス禍で働き手の負荷が高まっていると警鐘を鳴らしました。

同社が2020年9月にまとめた調査では、

日本の働き手の23%が「バーンアウト(燃え尽き症候群)」を感じている

と答えたそうです。

20年3月に比べ1人当たりのオンライン会議件数は2.5倍、チャット件数は1.3倍となりました。

そして就業時間外に、問い合わせなどの連絡が来ることも増えています。

人間の脳は、チャットやメールを受信すると脳内で神経伝達物質の「ドーパミン」の量が増え、確認したいという強い欲求を感じるそうです。

就業時間外の連絡に対応する人の約7割は「気になることは早く終わらせたい」と対応していき、どんどん疲れて悪化をしているようです。

*デジタル機器をアナログ時代のルールで運用

一方で、今はデジタル機器をアナログ時代のルールで運用する過渡期と言えます。そして、アナログルールが今のDX化とのギャップで人々を疲れさせています。

デジタル化を契機に業務のあり方を変革し、従業員の活力や生産性の向上につなげることが本来のDXの目的であるのに、デジタル化自体が目的になっているのです。

この対策として、クラウドを活用したシステムの開発や運用を手掛ける企業「サーバーワークス」は3月に、社員を守るだけでなくパフォーマンスを最大化することを目的として

*業務時間外に通知を受けたくない場合は、受け手側が自身の設定で制限すると定める。

*就業時間外の連絡をどこまで許容するか自分で決める。

と定めました。
社員間での行き違いが生じた結果に、会社で対応することと決めたのです。

海外ではデジタル機器の適切な利用を通じて心身の健康を確保する
「デジタルウェルビーイング」

が重視されます。

各国の動きをみてみると

フランス
17年に労働法に規定し、欧州を中心に導入が広がる。
英国 
2021年7月、野党・労働党がつながらない権利法令化など目指す制作発表
アイルランド
21年4月政府の専門委員会が指針策定
メキシコ
21年1月テレワーク法で、つながらない権利の尊重を使用者の義務に
カナダ
20年10月、政府が労使の代表からなる諮問委員会を発足、法令化の議論開始

と世界各国で「繋がらない権利」が進められています。

各企業でIT化を急ぐあまり

心構えもできないうちに慌てて取り組んだDXが逆効果になる

ことをしっかり考えないと本末転倒になってしまいます。

*競争力挽回へ 真のDXを

スイスのビジネススクールIMDがまとめる

「世界デジタル競争力ランキング2021」

では、日本の総合順位は64カ国中28位

と低迷しています。

個別指標でみてると

「デジタル・技術的スキル」は62位
「企業の俊敏性」「国際経験」 は64位

と極めて悪い数字になっています。

どのくらい損失があるかといえば、取り組む企業が米国並みになったとして、日本の産業全体への影響の試算をしてみると、

製造業の売上高を前年度比約23兆円、
非製造業で約45兆円

押し上げる効果があるといいます。

現在のテレワークは84%がコロナ収束後も続くと予想していて、通勤時間など割かれていた時間は生産性の高い仕事へ使うことは可能になりそうです。

それゆえ、長時間労働での効率低下が不安になります。

必要なのは表面的なDXでなく、「質」を高めて生産性や競争力の向上につなげる真の変革だ

グローバルインフォメーションによると、DX関連の市場規模は年平均約2割のペースで拡大していて、26年に世界で1兆2000億ドル(約150兆円)超に達する見通しです。

増えるDXの需要と環境、置いてきぼりになりそうな働く人への配慮。

必要なのは働く人を考える思いやりかもしれませんね。

#DX #つながらない権利 #オーバーロード #就業時間 #日経新聞

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