光の啓示「第1章 キャンバスとの格闘」
第1章 龍!のつづき キャンバスとの格闘
そうれにしてもこの工房は、蒸し風呂のような暑さだ
みんな上半身ハダカで絵を描くのもしょうがない。
私も彼らと同じように上半身ハダカになった。
暑さのせいか、キャンバスの青い絵具もすぐかわいていった。
青い絵の具がたれたのは、筆に絵の具をふくみ過ぎたのかな?
水でうすめすぎたせいなのか・・・・?。
絵の具がたれない程度はどれくらいなのかなぁ?
わからなことばかり・・・。ち~ん。
よし、こうなりゃいろいろ試してみるか。
今日は絵を描くというより、
絵の具をどのくらい薄めればいいのか、
筆の種類によってどれくらい絵の具をつければいいのか、
どう、キャンバスに筆を走らせればうまく線がかけるのか・・・。
つまり、描く技術、描き方を練習することにした。
あたりまえの話ではあるが、
描き方も知らないのに絵が描けるはずがないのだ。
となりで黙々とコピーをしている青年も、
写真をコピーする技術があるから、
うまくコピーできるのだ。
とにかく技術だ。
青い絵の具が流れるだけのキャンバスに向かって、
今度は赤い絵の具で線を描いてみる。
さっきより少し細めの筆をえらび、
少なめの水で、濃いめで赤い絵の具をとき、
絵の具の含みも少なめにして描いてみる。
おっ、いいかんじに線がかけた。
絵の具のたれはどうか?
たれもない。
いいじゃん。
円は、三角は、四角は。
なるほど、
線を描くだけなら書道と感じが似ているかも。
ワヤンが描きたいものを描けばいいと言っていたけど。
その前に、徹底的に技術を身につけることだな。
とにかく技術だ。
絵を描く技術をみがくことがせんけつだ。
それからはいろんな色で、
いろんな筆をつかって、
もくもくと、いろんな線を描いた。
あっというまに夕方になったのか、
ワヤンが迎えにきた。
ワヤンは私の絵を見て、
ワヤン:オー!タカ、バグース!(最高!)
ワヤンそれ、ほんとうに?
ほんとうにそう思うのか?
いつもの何でも適当にOKな、感じで言ってない?
青年たちも本日の作業を終えたようで
初作品をみて、バッグース!と言ってくれた。
4時間程度のキャンバスと画材との格闘。
これから絵を描くにはやるべきこともわかってきた。
それにしても暑かった。
バリの青年たちはこの暑さになれているとはいえ
毎日よく耐えられるよな。
工房のみんなにあいさつをして、
ワヤンと、アユウに戻った。
シャワーをあびて
ゲストハウスの二階でバリマッサージ。
これで、身も心もリフレッシュ。
部屋にもどりディナーまでの休憩。
ウブド滞在もあと一日、
帰る準備をしなくては・・・・・。と
荷物の整理を始めるのでした。
つづく
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