光の啓示01

光の啓示「第1章 潜入!違法コピーアート工房」

第1章 片道切符の旅のつづき 潜入!違法コピーアート工房

バリ島の滞在も残すところあと2日となった。

いつものように朝食をしていると、
ワヤンが今日はアート工房へ行くと提案してきた。
もしかしたらそこで絵を描くことができるかたのんでみると。

私:そうだな、バリもあと2日だし挑戦してみるか。

ワヤン:OK、タカ、知り合いのアート工房のところへ行こう。

私:アート工房?アトリエじゃないの?

ワヤン:アート工房だよ。みんなで絵を描いている場所。

私:みんなで?フ~ン?

 まあ、いってみるか

私:OK。

バリ2009 055

朝食をすませ、しばらく休憩。
私はホントに絵が描けるのかな?

中学生いらい絵を描いたことがない私は、
絵が上手いとか下手とかいうレベルもわからない。

そもそもアートやクラフトにもいろいろジャンルがある。
絵を描くのか、木彫りのような彫刻なのか、
染色やバティクなどの布系、舞踊やダンス、
ガムランやジェゴクなどの演奏などきりがない。

絵を描くにしても、具象、抽象、細密、
トラディショナル、コンテンポラリーetc

油彩、水彩、アクリル、テンペラetc

技法も素材もいろいろある。

画像2

不思議なもので、この数日でアートに関して
少しは詳しくなった。

しかい、なにから始めればいいのか、
なにを描けばいいのか、
さっぱりわからん。

まあ、今日は絵を描くことを目的だからなんとかなるか。

ノートと筆記用具を用意して、
よし、行こう!

今日はワヤンカーではなくバイクでアート工房に向かった。

ウブドメイン通りやお土産や通りを抜け、
田んぼの中の横道を走り

10分ほど移動して村のはずれの田んぼのど真ん中にある
アート工房に到着、だだっ広いほったて小屋というか、
壁がところどころない倉庫というか、
そんなところ・・・・・・。

アート工房?
バイクを降り、ワヤンは責任者らしき話したあと
いっしょに中に入って、またビックリ!

20号くらいのキャンバスが10点ほどならべられ、
その横の壁にアート雑誌のポップアートの作品の写真が
貼ってあり、上半身裸の若者が汗だくで、
もくもくと手描きでコピーしているのだ・・・・・。

なんだこりゃ?
これがアート工房?

いま思うと、違法コピーアートアート量産工房なのだ・・・・。
ワヤンいわく、責任者によると
おみやげ用のアートとして、日本円で5千円から1万円ぐらいで
飛ぶように売れるらしい。

マジか!
そんなことが通るのか?

それにしてもこんな劣悪な環境で、

違法なアートが量産されているとは・・・・。
ショックをとおりこして、そのたくましさに驚いた。

こんな環境で、若者たちは楽しいのかな?
いままでに会ったアトリエを持っているアーティストたちとは
別世界を見せられたようだ。

彼らはアーティストではなく、絵をコピーする職人なのだ。

バリ2009 083

ワヤンはなんでここに連れてきたのだろうか?
これもアートの一部というのか?

ここでは、あたりまえのように違法だろうが絵を描き、
違法だろうが売れるものを売る。

それで彼らたちの生活が成り立っているということだ。

おみやげとして買う方も、違法コピーと知っていて
購入していくのだ。

いまの日本でこれをやれば、
そく捕まることがまだまかり通っているのだ。

現在はあの工房はなくなってしまったが、
売れるものを描いて売ることにちゅうちょせずおこなうのもありだ。
ただし、違法コピーや盗作はNGである。
オリジナルか、著作権がないものにすることだ。

日本では、作品で稼ぐことをすると、
金に走ったとか、魂を売ったとかいわれやすいが、
アート活動を続けていくには、
作品をお金に替えなければつづかない
ましてや、生きていくことは皆無に等しい。
表現で生きていくには悪い場所といっていいだろう。

話を戻そう
ひと通り見学し、午後からここで絵を描かせてもらうことになった、
絵具、筆、キャンバスも用意してくれる。

ただ、めちゃくちゃ熱い
かろうじて屋根と壁で日陰になり、
扇風機は回っているが熱風がくる
最悪の環境・・・・。
まあ、やるしかないな・・・・・。

とりあえず、ランチするためにいちど
ウブドの中心に戻ることにしたのだった。

つづく

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