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地元施設にメガスター導入を希望される方に

あけましておめでとうございます。2022年になりました。
コロナに翻弄された昨年から、今年にはどんな年になるでしょうか?
さて、時々、というか結構な頻度で、メガスターはどこで見られるんですか?地元の施設に導入してくださいと仰る方がいます。とてもうれしい声です。どこで、と質問される方には、なるべく最寄りの導入施設を紹介するようにしているんですが、いかんせん地域によってはだいぶ遠い。
まずは現在の導入施設をまとめてみました。お近くにありますか?

メガスター導入施設一覧(2020年現在 国内)

そんなわけで、もし地元のプラネタリウムにメガスター導入を望まれる方には、僕に言う以上に、その施設の方に是非相談をお願いしたいです。
導入するか決めるのは施設でありそれを管轄する団体(概ね自治体)や管理運営している団体(たとえば教育委員会)なのです。投影現場で日々星空を案内している解説員も、機器の導入には影響力があります。

最近のプラネタリウムは技術革新が速く、昔に比べると歴然とした差があります。投影できる星の数が飛躍的に増え、デジタル映像を駆使した演出は目を見張るものがあります。これはメガスターに限ったことではなく、業界全体での話です。だから、僕が言うのもおかしいですが、他社機の導入施設でも優れた内容のものはあるので、是非足を運んで楽しんでください。
結局は、きれいな星が見えて、宇宙の映像が見えて、見に来る方が楽しんでくれることが一番で、それを映している機器は何であるかは本来重要なことではないはずです。かつてメガスターは、卓越した星の数で他社の在来機との圧倒的な差を誇ってきましたが、今では他社でもメガスターのような、天の川を星の集まりで描けるようなプラネタリウムは多くなってきています。
それどころか、メガスターにない強みを持つ機器も出てきています。
皆さんには是非そういうのをもっと知って、楽しんで頂きたいです。

とはいえ、それでもメガスターにはほかにない魅力があります。
それを皆さんにご説明します。

星の美しさ
星の数だけでは説明できない美しさです。メガスターは、夜空に存在する星を目で見える見えないに関係なくあまねく再現するというとてもシンプルなコンセプトで作られています。他社でも星の数の多いものは確かに存在しますが、目で見えない星を見える星と別々に映していたり、コンセプトには違いがあり、その結果、暗い星と明るい星の映り方に差が出たりします。これは一長一短の関係で一概にどちらが優れているとは言えないかもしれません。けれど本物の夜空では明るい星と暗い星が区別されているわけではありません。ありのままに映す事を重視するメガスターの星空が今なお無二のリアルさ、美しさを備えていると評価頂く理由があるとしたら、その基本的な考え方所以なのかと思います。

先進的な表現力
メガスターには様々な先進的な技術が搭載されています。一般的には認識されないような点も含めて。たとえば主力機種のMEGASTAR-II-Aには、星空と景色を融合させる機能があります。最近は様々な景色と星空を一緒に再現して臨場感を高めたりするのですが、他のプラネタリウムでは、景色と星が透けて映ってしまったりします。景色に合わせて星の映る範囲を自由に変えることができるのは現在、メガスターにしかない特長の一つです。

MEGASTARの機能の一つ。景色や天体に星が透けない機能

また、近々デビューする新機能として4軸制御というのがあります。それだけでは意味が分からないですが、宇宙から見た星空を、美しくリアルに再現できる機能だと思ってください。メガスターは、星の数が独り歩きしがちですが、進化のスピードも速いのです。


安い
一概には言えませんが、メガスターの価格は、同等の他社の機種に比べて概ね半額程度です。上映をご覧になるお客様にとっては機材の価格はどうでもいい事かもしれません。けれど、地元の方にとってはこれはその分、低い税金で導入できることを意味します。間接的に地元メリットになるのです。
また、新規に設置する場合、もしくは老朽化した古い機器を更新する場合でも、安価であればその実現性が増します。他社の機器があまりに高額なため、古くて調子の悪い機器の修理や入れ替えを断念し、うまく運営できていない施設がたくさんあります。メガスターなら、それを復活させ発展できる可能性があると言うことです。

壊れにくい
正確な統計データはこれからですが、導入施設の方に聞く限り、メガスターは壊れにくく安定して運用できます。何故か?一番の理由はシンプルだからです。他社の機器は、複雑な機能を内部に詰め込み、その結果、コストアップになるだけでなく、故障率も高くなりやすいと聞きます。将来的には、電子部品などは続々と世代が変わるため、複雑な制御機能を盛り込んだ機器は、10年後くらいまではよくても、その後は部品が入手しにくくなったり、メンテナンスがしにくくなる悩みがあります。現時点でも、バブル期に導入された多くの機器が、古いパソコンで制御されているため、修理ができないで困っているということをよく聞きます。メガスターは、きれいな星を映しだすために、極力そういうことのないようにシンプルに設計しています。
古いプラネタリウムでは、アナログの機材ですべてのことを表現しなければならなかったため、プラネタリウム投影機には複雑な機能が求められました。しかし今はデジタル投影機器がそうしたことを全部やってくれるため、投影機は、美しい星空だけを出せばいいのです。それを追求しているためメガスターはシンプルで壊れにくいのです。

教育的な意義
これは僕が言うのが適切かは分からないのですが、メガスターには、もともとは個人開発の源流があります。専門の企業にしか作れないとされていたものを、子供のころから取り組んで実現した末にあるものです。今は会社で生産される工業製品ではありますが、その背景のストーリーがあります。
僕は学校や教育施設などによく講演に呼ばれますが、そういう時に話すのはまさに子供のころのプラネタリウム造りの夢を実現させたストーリーです。
これは、天文教育ではなく情操教育としてです。一つの物事に懸命に取り組むと素晴らしい結果につながることがある。僕の場合はたまたまプラネタリウムだっただけですが、スポーツや芸術、どんな分野にも通じる事です。子を持つ親御さんや、学校の先生には、メガスターの星空を見て、見せて、君たちも何かに取り組んでごらん、ということを伝えてやってほしいのです。
僕の道のりは、さまざまな本にもなっています。

僕が最初に書いた自伝。幼少期からメガスター誕生までの話がまとまっている。
児童作家の楠さんがまとめた児童書。子供たちや親御さんの目線で、一つの夢に取り組むことの意義を綴っている。
同じく自伝。但し前2書に対して、より社会的な動きに重心を置き、企業や組織との確執や葛藤なども克明に描いている。



如何でしょうか?僕が思うところを率直に書いてみましたがこのあたりは様々な見方があると思います。なので、もし地元にメガスターを!と思われる方は、こうした僕の考え方も参考に、地元の施設の担当の方にあなたの考えや希望を伝えてほしいのです。その結果、是非!考えたいとなってくれればもちろん理想的ですが、ひょっとしたら、こういう理由で導入できない、導入したくない、あまり合致しない、という声が返ってくることもあるかもしれません。その場合は、率直な意見として僕らに是非聞かせてほしいのです。それは僕らの貴重な改善とさらなる進化のヒントになるはずです。
あるいは、他社のほうが優れている、という話を聞いて納得されたなら、それは立派な答えなので、それを楽しんでもらえればいいことなんだと思います。それは僕自身が常に思うことです。

僕の作ったプラネタリウムは、科学館などの公共施設でしか見られないものではありません。さまざまなイベント会場などで期間限定で公開される場合も多くあります。もちろん科学館だけではなく、美術館やその他の公共施設、商業施設、あるいは野球場や洞窟、鉄道や飛行機や船に至るまで。さらに、家庭用のプラネタリウムも販売してますしレンタルもしています。
僕の活動のテーマ「あらゆる場所に星空を」の通りです。是非、それらを楽しんでください。

僕が手掛けた家庭用プラネタリウム「ホームスターシリーズ」 ⒸSegatoys
自分で組み立てて楽しめる大人の科学プラネタリウム
Ⓒ学研

星空には人の心を揺るがす不思議で大きな力があると最近つくづく思います。単に癒しやロマンでは語れないものです。混沌としている世の中だからこそ、無数の星がきらめく星空に身をゆだねる機会を一人でも多くの人に提供できたら、社会に貢献できていることになるのかな?と思ったりする2022年です。
今年も是非、希望を忘れずに前に進んでいきましょう!

メガスターの公式サイトはこちらです。導入からイベント、新製品に至るまでメガスターに関するさまざまな情報を発信しています。


















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