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【行動経済学ストーリー】もしSNS運用代行の営業で行動経済学の効果を使ったら・・・

はじめに

これは架空のストーリーです。もし仮に「営業で行動経済学を使うとしたらどんなシチュエーションでどんな効果が使えるのか。」を考えてみました。
これを知っておくことで商談のときの引き出しが増えます。
ぜひ参考にしてみてください。

※読み始める前の注意点として

営業はナマモノです。同じ業種でも相手の状況によってお悩みや課題はさまざまです。なので刺さるポイントや構成、質問、言葉選びも異なってきます。あくまで一例としてお読みください。

それではどうぞ。

「工務店のデジタル変革:SNSが開く新たな販路」

中村大智は、デジタルマーケティング会社「テックビルダーズ」のシニアコンサルタントです。今日、彼は地元で評判の良い「匠工務店」の社長、高橋健太郎さんとの商談に臨んでいます。

中村:「高橋社長、お忙しい中お時間をいただき、ありがとうございます。早速ですが、御社のマーケティング戦略について伺えますか?」
高橋:「ああ、特に戦略というほどのものはないな。口コミと、たまに地域の情報誌に広告を出す程度だ。」
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【現状維持バイアス】

高橋社長の発言から、現状を変えることへの抵抗が感じられます。
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中村:「なるほど。実は、建設業界でもSNSマーケティングが急速に広がっているんです。例えば、関東の老舗工務店さんは、インスタグラムを始めてから問い合わせが50%増えたんですよ。」
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【社会的証明】&【同化効果】

同業他社の成功例を挙げ、同じ効果が得られる可能性を示唆しています。
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高橋:「へえ、そうなのか。でも、うちみたいな地方の工務店にSNSが必要かな…」
中村:「むしろ、地方だからこそSNSが効果的なんです。例えば…」
中村はタブレットを取り出し、工務店のSNS活用例をいくつか見せます。
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【可用性ヒューリスティック】

具体的な事例を見せることで、イメージを喚起しやすくしています。
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中村:「高橋社長、実はSNSを活用しないことのリスクも大きいんです。建設業界の調査によると、SNSを活用していない工務店の38%が昨年新規顧客の獲得に苦戦したそうです。」
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【損失回避】&【フレーミング効果】

SNS非活用のデメリットを強調し、リスク回避の観点から提案を検討させています。
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高橋:「そう言われると少し心配になってきたな。でも、SNSの運用って難しそうだし、時間もかかりそうだ…」
中村:「ご心配なく。私たちがすべて代行いたします。ただ、最初の1ヶ月は集中的に御社の強みや方針をヒアリングさせていただきます。その後も、毎週月曜日に次週の投稿内容を確認いただけますよ。」
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【コントロール錯覚】

顧客に一定の関与を保証することで、不安を軽減しています。
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中村は3つのプランを提示します:
・ベーシック:週2回の投稿、月額10万円
・スタンダード:週4回の投稿+月1回の施工事例詳細レポート、月額18万円
・プレミアム:毎日投稿+月2回の施工事例詳細レポート+地域インフルエンサーとのコラボ、月額30万円
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【選択のアーキテクチャ】&【極端回避性】

複数の選択肢を提示することで、顧客の関心を引き付けつつ、中間のオプションを選びやすくしています。
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中村:「多くの工務店様はスタンダードプランを選んでいます。週4回の投稿で、認知度が大幅に上がり、施工事例レポートで信頼性も高められますよ。」
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【アンカリング効果】&【バンドワゴン効果】

中間のプランを基準として提示し、多くの顧客の選択を強調しています。
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高橋:「うーん、でも毎月18万円か。少し高いな…」
中村:「そうですね。例えばなのですが、費用対効果として、新築一件の利益を考えると、この投資で年間1件でも増えれば十分元が取れますよね。つまり、年間で1件の新規案件を獲得できれば、投資は回収できるんです。」
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【心理勘定】&【プロスペクト理論】

費用を具体的な案件数に置き換え、利得の観点から再評価させています。
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高橋:「なるほど、そう考えると少し見方が変わるな。」
中村:「そうなんです。それに、今ならキャンペーン中で、初回6ヶ月は15%オフでご利用いただけます。この機会にぜひお試しください。」
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【時間制限による希少性】&【双曲割引】

限定的な割引を提供し、即時の利益を強調することで、即決を促しています。
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高橋:「でも、うちの良さをちゃんと伝えられるかな…特に、匠の技みたいなものは写真じゃ伝わりにくいと思うんだが。」
中村:「質問ありがとうございます。実は、私たちのチームには住宅業界出身のカメラマンとライターがいるんですよ。御社の技術力を視覚的に魅力的に伝える自信があります。例えば、こんな投稿はいかがでしょうか?」
中村は、事前にリサーチした他の工務店の技術力を強調したSNS投稿のサンプルを見せます。
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【専門性の効果】&【確証バイアス】
専門知識を持つスタッフの存在を強調し、顧客の懸念に直接対応する情報を提供しています。
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高橋:「へえ、これはいいな。確かにこういう投稿なら、うちの良さも伝わりそうだ。」
中村:「ありがとうございます。合わせて、最近の結果として、工務店のSNS活用が契約までのリードタイムを短くするという好影響を与えるケースが出てきているんです。」
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【新規性効果】&【付加価値の錯覚】

SNS活用の新たな利点を提示し、サービスの価値を高めています。
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高橋:「それは知らなかった。確かに時代の流れについていかないとな。」
中村:「その通りです。では、契約期間についてですが、最低契約期間は6ヶ月です。ただ、93%のお客様が6ヶ月以降も継続してご利用いただいています。効果を実感していただけるからだと思います。」
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【社会的証明】&【コミットメントと一貫性】

多くの顧客が継続利用していることを示し、長期的なコミットメントを促しています。
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高橋:「わかった。じゃあ、スタンダードプランで始めてみようか。」
中村:「ありがとうございます!一緒に頑張りましょう!では、契約書にサインをいただけますか?」
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【コミットメントと一貫性】

口頭の合意を書面の合意に移行させ、決定を強化しています。
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高橋:「ああ、分かった。」(サインをする)
中村:「ありがとうございます。高橋社長、本当に素晴らしい決断です!精一杯お手伝いさせていただきます。これからの『匠工務店』さんのSNS展開が今から楽しみですね!」
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【選択後の強化】&【自己実現予言】

顧客の決定を肯定的に評価し、将来の成功を予言することで、選択への満足度を高めています。
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中村:「そういえば、来週開催予定の『工務店のためのSNSセミナー』に無料でご招待しますね。同業他社の方々とのネットワーキングにもなりますよ。」
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【互恵性の原理】&【本業とは別の価値提供】

追加の価値を提供することで、顧客との関係性を強化しています。
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高橋:「おお、それは助かるな。ありがとう。」

以上。商談は無事に終了しました。

終わりに

今回のnoteでは行動経済学の効果を活用したストーリー形式で、工務店という具体的な業種に焦点を当てながらお話を進めてみました。ヒアリング+提案という形ですが、冒頭にお話ししたようにこれは一例です。こんなにうまくいく事例はたまにありますが稀です。顧客の不安や疑問に対して丁寧に対応しつつ、サービスの価値を多角的に伝えていきましょう。

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