はじめに
これは架空のストーリーです。もし仮に「営業で行動経済学を使うとしたらどんなシチュエーションでどんな効果が使えるのか。」を考えてみました。
これを知っておくことで商談のときの引き出しが増えます。
ぜひ参考にしてみてください。
※読み始める前の注意点として
営業はナマモノです。同じ業種でも相手の状況によってお悩みや課題はさまざまです。なので刺さるポイントや構成、質問、言葉選びも異なってきます。あくまで一例としてお読みください。
それではどうぞ。
「工務店のデジタル変革:SNSが開く新たな販路」
中村大智は、デジタルマーケティング会社「テックビルダーズ」のシニアコンサルタントです。今日、彼は地元で評判の良い「匠工務店」の社長、高橋健太郎さんとの商談に臨んでいます。
【現状維持バイアス】
高橋社長の発言から、現状を変えることへの抵抗が感じられます。
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【社会的証明】&【同化効果】
同業他社の成功例を挙げ、同じ効果が得られる可能性を示唆しています。
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【可用性ヒューリスティック】
具体的な事例を見せることで、イメージを喚起しやすくしています。
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【損失回避】&【フレーミング効果】
SNS非活用のデメリットを強調し、リスク回避の観点から提案を検討させています。
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【コントロール錯覚】
顧客に一定の関与を保証することで、不安を軽減しています。
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【選択のアーキテクチャ】&【極端回避性】
複数の選択肢を提示することで、顧客の関心を引き付けつつ、中間のオプションを選びやすくしています。
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【アンカリング効果】&【バンドワゴン効果】
中間のプランを基準として提示し、多くの顧客の選択を強調しています。
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【心理勘定】&【プロスペクト理論】
費用を具体的な案件数に置き換え、利得の観点から再評価させています。
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【時間制限による希少性】&【双曲割引】
限定的な割引を提供し、即時の利益を強調することで、即決を促しています。
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【専門性の効果】&【確証バイアス】
専門知識を持つスタッフの存在を強調し、顧客の懸念に直接対応する情報を提供しています。
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【新規性効果】&【付加価値の錯覚】
SNS活用の新たな利点を提示し、サービスの価値を高めています。
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【社会的証明】&【コミットメントと一貫性】
多くの顧客が継続利用していることを示し、長期的なコミットメントを促しています。
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【コミットメントと一貫性】
口頭の合意を書面の合意に移行させ、決定を強化しています。
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【選択後の強化】&【自己実現予言】
顧客の決定を肯定的に評価し、将来の成功を予言することで、選択への満足度を高めています。
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【互恵性の原理】&【本業とは別の価値提供】
追加の価値を提供することで、顧客との関係性を強化しています。
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以上。商談は無事に終了しました。
終わりに
今回のnoteでは行動経済学の効果を活用したストーリー形式で、工務店という具体的な業種に焦点を当てながらお話を進めてみました。ヒアリング+提案という形ですが、冒頭にお話ししたようにこれは一例です。こんなにうまくいく事例はたまにありますが稀です。顧客の不安や疑問に対して丁寧に対応しつつ、サービスの価値を多角的に伝えていきましょう。