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自#183|習性的徳は、3ヶ月で身につく(自由note)

「ウォーキングは歩数よりも速度」と云う記事を、アエラで読みました。「一日一万歩歩行」を厚生労働省も推奨しています。が、普通にゆるゆる一万歩、歩いただけでは、筋力や持久力の向上において、家にいた人と、大差がないそうです。歩く速度を、ギリギリ走り出さないくらい(7キロ弱)に速めて歩くことが、ウォーキングで効果を得るためのポイントだそうです。つまり、適切な負荷をかけると云うことです。

 受験勉強のための問題集を選ぶ時は、自分の今の実力で、4割くらい解ける問題集を選ぶのがコツです。6割以上解けてしまう問題集は、易しすぎて実力がつきません。逆に1、2割しか解けない問題集は、難し過ぎて、何をやっているのか途中で解らなくなって、(おそらく)リタイアします。自分の実力より、かなりきつい、が、頑張れば消化できる問題集を選べば、着実に実力はついて行きます。

 ウォーキングの場合も、この速歩はちょっときついかもと云うペースを、一定時間、保つことによって、酸素消費量は高まりますし、ハムストリング(太股の裏面)、大腿四頭筋(太股の前面)の筋肉量も、増えて行きます。ずっと速い速度ですと、乳酸がたまり息切れを起こします。そこで、途中、2~3分くらい、ゆっくりした運動を挟みます。そのことによって、乳酸が代謝され、再びきつい運動を続けることが可能になります。これをインターバル速歩と云うます。だらだらの一万歩歩行ではなく、インターバル八千歩速歩が、現在は、推奨されているそうです。

 ウォーキングより、ランニングの方が、運動効果は明らかに高いんですが、ランニングは、膝や足首を痛めてしまいます。プロのランナーは、身体に相当な負荷をかけて、走っています。指導者がちゃんとついていて、走り方やフォームなども、正しく学んでいます。靴も走り易く、足に負担をかけない高級なシューズを使っています(昔、ローマオリンピックで、エチオピアのアジスアベベは、裸足で走って、マラソンで優秀しましたが、あれは、アフリカ諸国が、植民地状態から独立したばかりの時期だったので、あれだけの根性が発揮できたんだと想像しています)。それでも、長距離を走るアスリートは、ある一定年齢を超えると、ほとんどの方が、足を痛めています。コンクリートの道路を走り続けるわけですから、故障が出ない方が、逆に不思議です。

 素人が、フォームを整えないで走ると、足を痛めます。一時期、ジョギングは、大ブームでしたが、最近は下火になっています。軽い気持ちで走っていると、足を痛めてしまうと云う簡明な事実が、浸透した結果だと想像しています。

 フォームは、でたらめ、靴はABCマートで買った安物、ウェアはドンキのスエットと云った何ちゃってランナーが、走ってはいけないかと云うと、そんなこともないと思っています。長年の経験で、土の上をゆっくり走れば、足を痛めないと云うことを、私は理解しています。かつて走ったのは、高知城の遊歩道、四万十川の土手、井の頭公園、学校のグランドなどです。すべて舗装されてない土の上を走っていました。今、この流れの中で、未舗装の玉川上水の遊歩道を走っています。玉川上水の遊歩道が舗装されたら、ランニングはやめて、インターバル速歩に切り替えます。

 玉川上水の遊歩道を走っていると、木の根っこに引っかかって、転んでしまうので、ここ3、4日くらいは、木の根っこに引っかかりそうな、根っこが複雑に組み合って土の上に出ている箇所は、スピードを落として歩いています。そういう危険な箇所が、12、3ヶ所くらいはあります。私が走り始めるのは、PM6:10で、広場に戻って来るのは、PM6:50、つまり40分間のランニングです。ここ3、4日、木の根っこのとこは歩いているので、その分、時間は延長するだろうと予測していたんですが、広場に戻って来て、設置してある時計を見ると、やっぱり6時50分なんです。つまり、歩いて遅くなった分、直線の安全なとこで、スピードを速めているんです。私が意識的にこれを、やっているわけではありません。まったく無意識の内に、アレンジされています。つまり、40分間と云う「しゃく」が、身体に完全に刷り込まれているんです。40分間のランニングが、アリストテレスの云う所の習性的徳として、身についたと、多分、言えます。習性的徳は、3ヶ月で身につくと、一般的には言われています。確かに、3ヶ月を超えたあたりから、走ることは全然、苦にならなくなりました。

 これは、受験勉強の場合でも、あてはまる法則です。高2の3学期から勉強を始めた生徒は、超難関国立大や医学部と云った明らかに難易度の高い大学・学部は別として、ほぼ間違いなく現役で志望校に合格します。これは、高2の3学期の3ヶ月間に、受験勉強をすることが、習性的徳として身に付くからです。都立の中堅校の生徒が、早慶に届きぬくいのは、それは、2年生の終わりまでノー勉で、高3になってから、やっと勉強を始めるからです。これだと、3年の1学期の間が、習性的徳を身につける準備期間になってしまいます(それでも、高3の最初から勉強すれば、MARCHには確実に届きます)。

 春風亭一之輔さんは、歩きながら落語の稽古をしているそうです。ゆっくり歩いているわけではなく、今、推奨されている速歩きをされているんです。ゆっくり歩いていたら、リズムは流れません。速歩きをするとリズムが流れます。そうすると、そのリズムに、落語が乗っかって行けるんです。これは、私も充分、理解しています。ゆっくり歩いている時は、そこらをうろうろ見ているだけなんです。速歩きをして、リズムが流れると、ごく自然に、洋楽を歌い出します。周囲に人がいなれけば、それなりのレベルのボリュームです。バラードを歌うことは、絶対にないです。ややアップテンポの曲です。定番の持ち曲もありますが(ブルーススプリングスティーンとかローリングストーンズとか)その日、駅ビルの中や商店街で、流れていた曲を、歌詞とかは知らなくても(歌詞とか適当でいいんです)歌ってしまいます。毎日、源氏物語を読んでいますが、歩きながら源氏物語の文章を、反芻したことは、一度もないです。テンポが違うからです。西鶴あたりだと、歩きながら反芻できそうな気がします。古代、中世、近代と、時代が下るにつれて、テンポは、間違いなく速くなっていると思います。

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