シェア
自分を見つめすぎたので 壁に穴があいた ちょうど目のかたちに二つ わたしは白い壁だった 自分…
そう、あのとき なぜわかったのか いや、正確には感じたのか いまだにわからないけれど 手を伸…
いつの間にか 窓の外から流れ込んでくる冷気に 冬の匂いが混じっていた 隣で眠るあなたいつの…
おまえがすきだと 耳元で囁く 両の手首を押さえつけ 唇をふさぐ 犯すようにやさしく 愉悦の声…
駅のホームで 母親が子どもを怒鳴っている ずーっと怒鳴っている 子どもは泣いている 周りが見…
わるいことをしていなくても 何にもしていなくても くるしみは消えない かなしみは溢れて止む…
あなたが 欲しかったけれ ど 百日紅の木の下 では どうすることも でき なかった 触れることは 禁忌 口にすることも でき ず 伸ばしかけた 手は 空をさまよう 冬が 来たら ふたりの距離は 縮まる だろうか その 色素の薄い瞳を 見つめて あなた の 手をとり 静かに 口づける願い は 叶うだろう か くちびるに 押し当てられた パンのかけらが 切り裂く 声にならない 声 わたしは つみびとで 許され ない恋に 身を焦がし 降りしき る雪は 汚れ あの頃の 透明な 子ども
さらさらと 素肌が触れあう レースのカーテンが 風にはためく あなたの赤ちゃんになりたい そ…
それは日本語で書かれていました わたしはドイツ人ではありません そんなプラカードを掲げた男…
わたしは天使の羽根を折る それがあなたへの愛の証 どんなに遠くにいたとしても 異なる宇宙に…
雪が降るためには もう少しがんばらないといけない きみと約束したから ぼくができることは た…
誰かが死んだときに ペラペラとしゃべる奴の 命は紙切れのごとく 薄っぺらい しばしの間でいい…
かなしいことがあったとき 涙が出なかったら 夕方 ちょっとだけ思いっきり走る 河川敷の公園と…
美しくて 醜くて 綺麗で 汚くて 優しくて 冷たくて 瀟洒で 野蛮で 開いていて 閉じていて 愛しくて 憎くて 遠くて 近くて 深くて 浅くて 有機的で 無機的で 明るくて 暗くて 鋭くて 鈍くて 真っ白で 真っ黒で 血が通っていて 機械的で 面白くて 怖くて ずるくて 誠実で 濡れていて 渇いていて おとなで こどもで 大好きで 大嫌いな 無限の ことばというもの 詩 そしてわたし あなた