渡米267日目 映画音楽の天才たち

2024年5月15日(水)7:17-7:44

5/2に春学期が終了し、2週間近くが経過した。この間、子どもたちの学校や習い事の送り迎えや友達の映画の撮影を手伝ったりしながら、もっぱら春学期中に撮影した3本の短編映画を映画祭に提出する準備を進めている。中でも先月撮影した初のコメディ映画であるThe Last Stand-Upは、来週5/23にBoston Asian American Film Festivalへの提出が控えているため、最終的な色や音の調整などをサウンドエンジニアの友人や大学の編集室のもとに入り浸って急ピッチで進めている。

この仕上げの段階で、とても大切になるのが、「音」。映画は映像と音声で構成される芸術だが、作品の仕上がりの50%を司る「音」に関しては、まだまだできることがたくさんある。特に映画はドキュメンタリーとは違い、実際にはそこにない音をゼロから作り上げることもできるので、音の世界を通じて、独自の世界を生み出すことが可能になる。効果音や環境音を作る「サウンドデザイン」、そして「映画音楽」。このどちらも映画を仕上げる上で欠かすことができない。

幸い、ボストンには音楽の天才たちが集うバークリー音楽大があり、秋学期に交流会などを通じて知り合ったコンポーザー(作曲家)やサウンドエンジニアに連絡を取り、それぞれの作品の音の仕上げを手伝ってもらうことになった。実際、一人一人の作曲家にこれまでしっかり会うことができていなかったため、この期間を通じて、ようやく面と向き合って語り合う機会を作ることができたことは、今後にとっても大きな収穫だ。

ボストンは今朝の7時38分。これから次男を学校に見送りに行き、いつもの朝が始まる。サッカーボールを携えて小学校に向かう姿を見ていると、少年時代、やはりサッカーに熱中していた自分の姿とどこか重なる。子どもたちと向き合う中で、自分も人生を何度か生きているような錯覚を覚えることがある。ボストンにも新緑が美しい季節がやってきた。命は巡る。今ここにある偶然と必然の全てに感謝します。


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