「次世代ガバメント」若林恵著
次世代ガバメント〜小さくて大きい政府のつくり方(若林恵・責任編集)のレビューです。
本書の私的要約
以下の5つがポイントかと思いました。
1)現代は、デジタルネットワークの進歩を背景に、行政府を再構築するタイミングに来ている。
2)これまでは画一的なサービスを多くの人に、が求められていたが、今は1人1人のニーズに合わせたサービスを提供できるようになることが求められている。
3)中央がデジタルでプラットフォームを提供し、地方行政はそのプラットフォームを活用しながら、市民ニーズに対してサービス提供するラストワンマイルの業務に集中するようになる方向性が望ましい。
4)これまで時間を使っていた業務の多くをシステムで自動化することで本来業務である「市民の問題を解決すること」の時間を増やす。
5)行政の活動の軸足は「効率・競争」から「共感」に移行していく。
この大きな流れを見ていて思うのは、これからは中央行政にはシステムエンジニアやCTO、CPOのニーズが高まりそうだし、地方行政では、サービスプランナーやデジタルマーケッターのニーズが上がっていきそうだなということ。これまでの採用基準とは全然違う能力だと思うので、かなり人材不足な状況が急激に生まれてくるのでは。まずはシステムの開発の部分が先に来ると思うので、それが整ったあとくらいに自分も飛び込んでみたいな・・・。
この本の構成
全体の7割は、若林さんが1人で書いてるんだけど対談形式になっていて、あと3割は、実際に行政システムの改革に携わっている識者との対談になっています。対談部分は、中でもデンマークデザインセンターCEOのクリスチャン・ベイソン(Christian Bason)との対談が個人的には示唆に飛んでいるのと整理されていて学びが多かったです。
この本はこんな人にオススメ
1)インドやエストニアのDXが実現できた背景について詳しく知りたい
2)次世代をイメージするためにも、漠然と古く感じている現状の行政の官僚制度といった仕組みの成り立ちについて今一度ちゃんと知っておきたい
3)これまでとこれからの行政における重要指標の変化について背景含めて知りたい
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