宇津救命丸株式会社

一度は聞いたことのある宇津救命丸。この会社について(詳しくないですが)、書いてみます。栃木県の会社です。宇津は宇都宮の宇都からきてます。

ここでは基本的に私は、ダメな会社は取り上げません。たまにとりあげることもありますが、そのときは斬り捨てるので(笑)、わかるでしょう。

さて、宇津救命丸です。

古い会社は創業家の名前と商品名と会社名が一緒になっているようなことが割とあるわけで(今、他社の事例を思いつかないのですが)、この宇津救命丸もそのとおり、宇津家の作る救命丸なわけです。「丸」は、丸い形をしている薬に付けられているんだろうと思います。社名も商品名も宇津救命丸。マンダムも同じですねー。

宇津救命丸という会社は、その歴史の古さをまず特徴として挙げるべきでしょう。会社によると1597年(慶長2年)創業とあります。400年超えです。まあ、金剛組には負けるでしょうが、それでも相当なもんです。これだけでも相当エラい。

現在も宇津家の方が社長をしていて、現在は19代目(!)、宇津善行さんが社長です。会長さん(18代善博さん)はお孫さんとの幸せそうな生活なんかをブログで書いていらっしゃいます。

この会社のもう一つの特徴は、子供用に特化した薬を作っていること。年々子供が少なくなってきて、大丈夫なんだろうかと心配にもなりますが、多分、大丈夫なんだろうと思います(根拠なし)。

企業の戦略として、ある一つの分野に特化するということがあります。これ、基本的にはうまくいきます。その意味でいい実例だと思うわけですね。

この会社が意図的にそうしたのか、結果としてこうなったのかはわかりません。ただ、現状、特化した形になってます。

少子化でどうなんだと書きましたが、では大人用とか作ればいいのかと言えば、私はそう思わないです。そんなことをすると多分、この会社は消滅します。根拠があるわけではないですが、ものすごく嫌な予感がすることは事実。

子供は世界中にいるわけですから、そこに目を向けたら良いのではないかと思いますね。食品ではないので難しいのかもしれませんが。私が経営者なら東南アジア、中東、アフリカあたりを狙うでしょう。

そういう意味ではもう少し宣伝を頑張るというか、認知度を上げる必要もあるのではないかと思ったり。「夜泣き、かんむし」って書いてありますが、若いお母さんにはよくわからないかもしれない。特に「かんむし」は。

なにげなく見学用のパンフを見ると、「かんむし(ギャン泣き、ぐずり)」と書いてあり、こっちの方がいいと思います。商品説明のところにも、

※かんむしとは、現代でつかわれている、「ギャン泣き」、「ぐずり」のこと

https://www.uzukyumeigan.co.jp/uzukyumeigan/

と書いてあります。あの歴史あるパッケージに「ギャン泣き」を入れるのは社内でも賛否ありそうですが、私が社長ならやりますね。理解されないよりはいい。ギャン泣きを抑える薬があるなんて思ってもみないことだと思うからです。新しい需要が開拓できそう。ちなみに宇津救命丸は、精神安定剤ではないです。

宇津救命丸の敷地内には、宇津薬師堂(町指定文化財)が建てられていて、この会社が本気で人々のことを考えていたことがわかります。単に儲けるために薬を作っていたのではないということです。
よく考えてみて欲しいのですが、薬師如来が力を発揮して(!)、病気がなくなったら、宇津救命丸は存在理由がなくなるんです。ある程度、病気がある方が会社にとっていいのかもしれないわけです。本心から人々のことを考えていたことの証明がこの薬師堂だと思います。

この会社、以前は東京に(多分神田に)本社があったのですが、今は栃木の高根沢町に移ってます。工場と一緒になってます。
工場と本社が別というのはいろいろ問題が起こることが多く、基本は一緒がいいです。別々になっていると本社と工場が対立したり、工場独自のルールが勝手に施行されてしまったり、経験上いいことはないです。コストもかかります。

多分、東京に本社があったのは営業上の理由だろうと思いますが、今はどこからでも営業できますし、営業所を減らしているのはどこの会社でも見受けられる現象です。内情は知りませんが、特に問題ないと思いますね。必要性が乏しくなったんではないでしょうか?

宇津救命丸は宇津救命丸以外にも子供用の薬を売っていて、これはWikiによると、OEMで薬品メーカーに作ってもらってますね。東亜薬品、新生薬品という富山のメーカー、あと大塚製薬にも頼んでます。

(蛇足)東亜薬品は有名なものでは、アイボン(小林製薬)を作ってますよね。OEMが得意な印象。新生薬品は貼ったり塗ったりというタイプの商品が得意。商品としては久光製薬と競合している感じ。蛇足の蛇足ですが、新生薬品とムヒで有名な池田模範堂は同じ富山県上市町にあります。やはり富山は薬が強い。

そんなわけで、歴史ある宇津救命丸の話でした。今後も頑張ってもらいたいなと思います。



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