見出し画像

スポーツ系のマッチングサイトがうまくいかない理由

2年くらい前にスポーツ系のマッチングサービスについて何度か相談を受けることがあったのと、自分自身も考えたことがあり、過去にピボットしてるので自分なりの考えをまとめました。

マッチングは何かと何かを繋げる行為のことですが大きく分類すると

  • BtoB型(企業と企業)のマッチング

  • BtoC型(企業と消費者)のマッチング

  • CtoC型(消費者と消費者)マッチング

場所・乗り物・モノ・人・時間・お金などの遊休資産をインターネット上のプラットフォーム(マッチングサイト)を介して個人間or企業間で貸借や売買、交換することでシェアしていくサービスのことです。

○○と□□のマッチングが機能し、多くの人に使われ、経済圏が生まれます。所謂、シェアリングエコノミーです。世界中で大型資金調達をしたマッチングサービスがありますが、国内でもかなりの数があり、分野も多種多能、もはやマッチングサイトがない業種業界は殆どないのでは?と思えるレベルです。

スポーツのマッチングサービスで思いつくのは何がありますか?

殆どの人が答えれないかもしれません。ここ5年くらいで認識してるだけでも30以上ものマッチングサイトがスポーツ領域でありましたが半数以上が撤退(or1年以上更新がない)ないしはピポットをしました。弊社もマッチングサイトをクローズした経験があります。

スポーツに限らずですが、マッチングサイトは場所やスキル、知識、人(労働力)、時間などを求めている人に対して提供(シェア)するものが多いです。

そもそも、なぜそのようなサイトが必要かというとそこにエコノミーがあり(お金が既に動いていて)、課題があるからだと思います。

「お金が動いてる」と「課題がある」両方が必要なわけです。

お金が動いてるというのは、成約が生まれた直後に一方はお金を支払い、もう一方がお金を受け取る行為が行われていることです。その流通額が大きいほど、市場が大きいわけです。

課題に関しては相手が見つからない、選別が大変、手続きが面倒、情報の非対称性などいろんな課題があります。

スポーツで成約が生まれた瞬間にお金が発生して、その流通額が大きいと思える領域はどこが思いつきますか?

スポーツ系でマッチングを考える人は「見つからない」「情報がない」と言った理由で始めることが多いですが、その情報を得るために既にお金を払って探す行為をしているか、或いはマッチングが成立した時にお金が動いてるのか、その金額はどれくらいなのか、という視点が必要です。そしてそれを求めてる人(母数)はどれくらいいるのかを考えてみると、良いでしょう。

「別に儲けるためにやってるわけではない」と言う人もいるかもしれません。別に儲けるか儲けないかはそこで手数料や利用料を取るか否かの問題なので関係ありません。勿論、無料だから使う、有料なら離脱すると言った壁はあります。マッチングはユーザーが積極的に使うか否かですので、既に経済圏があるほうがマッチングサイトによってその効率性が高まるので積極的に使うようになるのです。だからこそ、既にお金が動いているかは大きな判断基準になります。

スポーツを教えたい人と教わりたい人のマッチングサービス(クラウドソーシング型)は10社、20人以上くらいから作った事例を聞きましたが、ほぼ全部残っていません。上場企業や有名アスリートの会社もやってましたがピボットしています。

これが何故うまくいかないかは説明はもう入りませんよね。

需要、ニーズと既に動いてるお金の量は仕組み(サービス)を作った上で普及するかどうかの要因に大きく左右します。

とはいえ、まだ誰も気がついていない需要や経済活動もあるかもしれないので、スポーツに限らずですが、先ずはニッチなところから始め、コアなユーザー獲得をして、PMFを確信したタイミングで広げ、そこから徐々に横に領域を拡げるのが良いです。

例えばAmazonも本から始まり、今やあらゆるものを買うことができます。スポーツに置き換えると、例えば野球から初めて、サッカーなどあらゆるスポーツで使われるといった感じでしょうか。1つの課題を解決して複数の課題を解決する、揃えていくイメージです。

コロナの世界線が来てからはトレンドでもないのでマッチングサービスは聞かなくなりましたが、言いたいことはスポーツの課題はマッチングだけでは解決できない。もっと深い課題理解と市場理解が必要ということです。

自分にしか発信できない、スポーツに関わる全ての方にとって役立つ情報をGiveし続けたいと思います。