初めてのサービスを辞めることで思い出した創業期の感情
大学4生生の頃『スポーツの夢の国』を創ることを人生の1つの目標とした。夢と希望に溢れた23歳の学生だった自分にできたことと言えば、極々限られたこと。何ができれば『スポーツの夢の国』ができるのかもわからなかったし、創りたい世界観はスポーツに携わる誰もが1度は考えた理想像で、でも何故日本にそれがないのか、自分よりも能力、経験もお金もある人たちが何故できないのかわからなかった。
私は所謂”普通の大学生”だったかと言われれば、大きなイベントを主催したり数百万の借金を背負ったりしたので違ったかもしれない。しかしITベンチャーでインターンをしてとか、起業してビッグになりたいとかもなく、今、会社の経営をやっていることが不思議である。ただ自ら行動を起こし、何か大事なものを貫き続けることで何かを生み出すことは誰でもできるのかもしれない。
2016年、コミュニティ事業を最初に始めた。理由は『スポーツの夢の国』を創るには仲間が必要で、例えば、総合型スポーツアカデミーを運営するにはスポーツの各専門家が500人は必要。スポーツの総合商社にもなるにもビジネスの各専門家が必要、ならば仲間を集めるのに一番最適なのはコミュニティ事業だと思ったから。
創業するに当たって、同い年のトレーナーで200人規模のコミュニティを作っていた宮代に声をかけた。私にとって最初のスポーツの専門家であり、仲間であった。『1兆円企業を目指す。こうすればいける。こんなこともできるし、こんな世界が実現できる』あくまで想像上の理論であり、ビジョンの解像度は低かった。
今でこそオンラインサロンなどが当たり前となり、コミュニティという言葉は一般的になってはいる。私たちも「コミュニティ事業」と言葉を使い始めたのもサービスを始めてから2年後くらいだったと思う。
▼コミュニティの定義
・何かを核として自然発生的に集まった集団
・特定の目的に限定されない
コミュニティは特定の目的に限定されないので、特定の目的に限定された集団は「チーム」や「プロジェクト」である。
2016年、当時、これからの時代に強くなるのはクローズドなコミュ二ティだと思ってた。核となるテーマがあり、入るのにスクリーニングがあり、そして各メンバーがお互いの存在に価値を感じ、成長できて、自分のコミュニティへの貢献が他のメンバーにプラスに波及していると信じられる状態がコミュニティの拡大と成長のトリガーとなる。
そこで「スポーツ×専門職」というテーマでWPP(World Player Project)をつくった。共に成長し、メンバーが増えれば自分へのリターン(受けれるサービス)が充実するという設計だった。
そして『スポーツの夢の国』という一大プロジェクト遂行のために小さなプロジェクトをコミュニティ内でこなしていった。創業して5年でWPPは400名が所属するスポーツ専門職のコミュニティとなった。
WPP、スポーツ専門職のコミュニティを運営し、小さなプロジェクトをやっていく中で見えてきたコミュニティのメリット・デメリットを再確認した上でスポーツの夢の国を実現するために最適なプロセスを描き直し始めた。
そして新型コロナによってスポーツ界だけでなく日常の当たり前を大きく変え、withコロナの1年の間で、スポーツの夢の国を実現するために最適なプロセスは今のやり方ではないと判断し、創業5年というタイミングを前にWPPの終了を決めた。
第2創業期へ
起業して最初のサービスWPPを終了し、リブランディングをして2021年6月9日より第2創業期とした。ビジョンは変わらずだがミッションやバリューを再度言語化し、スポーツの夢の国へのプロセスの解像度を上げるためにこれまで試してきた事業から、新しいサービスを始める。
第2創業期で改めて創業時の気持ちを思い出した。スポーツの夢の国ってなんだ?なんでスポーツの夢の国を創るのか?なんのために会社を大きくするのか?
5年前、何もできなかった。いや、どうやったらいいかわからなかった。だから何もできないと思ってた。学生だったからではない、知識も経験も足りなくて能力がなかった。いくら必要で、どうお金を稼げばいいかもわからなかった。
若造が、学生が「スポーツの夢の国を創る」なんて言って1兆円企業になるなんて言ったって戯言にしか聞こえなかっただろう。事実、思い通りになんてならなかった。何度も失敗した。何度も潰れそうになった。できることを必死に考えやってみた。正しいかどうかもわからないまま挑戦した。
沢山の人に支えられ、助けてもらった。少しばかり知識も経験もついた。できないことも難しいかどうかの判断もできるようになった。志が高いだけでも、視座が高いだけでも実現できないことを知った。
もうすぐ30歳になる。もし今、私たちは「スポーツの夢の国を創る」と言えば「それは何?どうやったら実現したことになるの?どうやってつくるの?」そんな質問が当たり前に聞かれるだろう。答えは用意している。目標値もある。もちろん設定はしてるけど、ゴールなんてあるわけない。
ディズニーだって「夢の国」と言われるようになったのは目標値に到達したからではない。1兆円以上の売上も年間1億人が訪れる場所も夢の国と呼ばれるようになったのは「夢と魔法の王国」を作ろとした会社が夢のような時間、体験を多くの人に届けた結果そうなった。
志が高いだけでも、視座が高いだけでも実現できないけど、ゴールなんて正確に見えないビジョン実現には、結局は志と高い視座が必要で、それがガムシャラに頑張り続けれる理由だろう。
理想を実現するために何年かかるかわからない。でも私たちAscendersは「スポーツの夢を持った人が集まり、夢を叶える場所」をつくるために大きくなっていく。自分たちのカルチャーを大事にしつつ「それはなんのためにやるのか」を常に問いながら進んでいきたいと思う。
なぜ最初のサービスWPPを始めたのか。何を作ろうとしたのか。仲間がなぜ必要だったのか。WPPは「スポーツの夢を持った人が集まり、夢を叶えようとした場所」だった。できなかったことは沢山あった。WPPを通じて関わった全ての人のおかげでできるようになったこと、知ったこと、得たものは他には絶対にない会社の資産である。
Ascendersはスポーツの夢を持った人が集まり、夢を叶える場所であり、会社としてサービスを通じて「スポーツの夢を持った人が集まり、夢を叶える場」を提供する。将来「スポーツの夢の国」と言える場所を創ることになるだろう。
初めて会社のビジョンをプレゼンした時、創業した時、その時の気持ちを忘れず第2創業期は爆速で成長し、理想に近づいていきます。
これからもnoteだけでなく、様々なツール、メディアを通じて伝えていきたいと思う。一緒に理想を実現を目指す仲間に出会っていきたい。
自分にしか発信できない、スポーツに関わる全ての方にとって役立つ情報をGiveし続けたいと思います。