見出し画像

臨時休校中のお子さんの心のケア 〜おうちで出来る不安が和らぐ接し方②〜

こんばんは。尊田です。

前回から、
臨時休校中のお子さんの心のケアについて書いています。

1回目は、今の新型コロナウイルスによる感染症の広がりと、それに伴う社会の混乱、見通しのつかなさなどが、子どもの心に大きな負担を与えうるということを書きました。

その、心への負担によって、

 ■ 腹痛や頭痛、不眠、食欲不振などの身体症状
 ■ いつもより泣いたり、大人にしがみついて離れない
 ■ 急に幼い言動をしたり、夜尿、お漏らし、わがままになるなど、 いわゆる赤ちゃんがえり
 ■ 遊びの中で起きている出来事を再現する

 などの、いつもとは違った行動をとる可能性がある、ということも書きました。

 

 さらに、それらの「いつもと違う行動」は、決して、お子さんに何か「異常」がでた、ということではなくて、今の社会のムードが「異常な状態(というか、「いつもと大きく違う状態」)」なので、それになんとか対応しようとして、いつもと違う行動を無意識に起こしている、ということも解説しました。


 だから、子どもの心の負担を軽くしてあげるような対応をつづけると、徐々に落ち着きを取り戻してくれます。

 

 で、ここから、具体的に「おうちで出来る不安が和らぐ接し方」について書いていきます。

 今回は

  ステップ1:子ども特有の「不安のサイン」「心のケアを求めているサイン」の読み取り方

  です。


 「不安そう」といった場合、どんな様子を思い浮かべるでしょうか? どんな表情で、どんな姿勢で、どんな口調で、どんな言葉を使うでしょうか?

画像1

 上のウサギさんのように、伏し目がちで、肩を落として、消え入りそうな声で、ため息をついて… という感じでしょうか?


 たいていの大人は不安なときに、それに近い態度を取ると思いますし、逆に、そういう態度を取る人を見たら、「不安なのかな?」「落ち込んでいるのかな?」「心配そうだなあ」と思います。

 つまり、「わかってあげること」「わかり合うこと」が比較的容易です。


 ただ、お子さんの場合は、もっと違った形で不安を表現することがあります。

 先ほど例に出した、
 「セーブザチルドレンジャパン」「日本臨床心理士会」「日本公認心理師協会」が出した共同メッセージの中の

 ■ 腹痛や頭痛、不眠、食欲不振などの身体症状
 ■ いつもより泣いたり、大人にしがみついて離れない
 ■ 急に幼い言動をしたり、夜尿、お漏らし、わがままになるなど、 いわゆる赤ちゃんがえり
 ■ 遊びの中で起きている出来事を再現する

 というようなことも、不安の1つの表現と捉えることができます。

 子どもは、自分の心の中の変化を感じることはできるのですが、それを適切に表現する言葉をまだ知りません。人によっては、単語の知識として「不安」「心配」

をしっていても、経験が少ないため、今の自分の感情が、この「不安」という言葉と同じなのか、ちがうのか、確信を持てないのです。

 だから、態度で表します。

 不安だから、こわいから、本能的に守ってもらおうとして、より幼い行動を無意識に取る、とも考えられます。

 だから、気を引こうとして甘えている、というのとはちょっとちがうかもしれません。

 なので、こういうときの赤ちゃん返りに対しては、「甘えが癖になってはいけない!」と突き放すよりも、今はたいへんな時期だからねー、と受け入れてあげるほうが早くおさまることがあります。


 また、見過ごされがちですが、「怒り」で不安を表すお子さんもいます。

 不安や落ち込み、というのは、割と繊細で高度な感情表現です。

 怒りは、それよりもわかりやすい感情なので、不安や心配が強くなってくると、物を投げたり、暴言を吐いたり、暴れまわったりすることで表現する子が、意外にたくさんいます。

 こういうときに、その行為自体を叱ってしまったら、ほかに不安を表現する術を持たない子は、どんどん、心のうちに不安をため込んでしまい、どんどんしんどくなってしまいます。

 まずは、「ただのわがままでもなく、わざと暴れているのでもなく、不安でいっぱいなのかも?」といったん考えてみることが心のケアの出発点です。

 具体的な方法は、ステップ2でお伝えしますが、不安かも?と考えて対応した方が、「やめなさい!!」と叱り付けるよりも、子どもの心のケアにもいいですし、長期的に見て、不適切な行動が減っていきます。

 そのためにも、
「なんでこんなこうどうするか、意味がわからないけど、きっと、自分でもわかってなくて、どう表現していいのか分からなくて、こまってるのかもなあ」と思ってみることが役に立ちます。

 目の前で大暴れされたり、大泣きされると、そういう余裕が大人もなくなるとは思いますが、そういうときには、敢えて、口に出して言ってみるのがおすすめです。そうすることで、大人も少し落ち着けますし、共感してくれる仲間がでてくるかもしれません。


 また、激しい表現をしない場合も、逆に不安の表現かもしれません。

 ・いつもより、妙にしずか 

 ・いつもより、妙におりこうさん

 ・いつもより、ゲーむをしない

 ・いつもより、きょうだいゲンカをしない

   など。


 そこには、睡眠時間、食事量、トイレの回数などの変化も含まれます。


 もちろん、変化があったからと言って、すぐに大騒ぎする必要はないのですが、少なくとも、変化があるということは、

 「ああ、小さい子なりに、なにか、たいへんな自体だと感じているんだなあ」

 「この子なりに、頑張って、異常事態に対応しようとしているんだなあ」

 と、まずは、思ってあげてください。

 直接言葉では伝えなくても、子どもにとって身近な、最も信頼する大人であるあなたが、そのように肯定的な眼差しを向けてあげること、そのものが、すでに心のケアになるのです。


次回は、ステップ2:サインを読み取ったときに、まずすると効果が見込めること(=「うけとったよ!」というサインをすぐ返す)

について書くつもりです。

  ご質問やリクエスト等ございましたら、教えていただければ、
 できる範囲になってしまいますがm(_ _)m 積極的に取り入れさせていただきたいと思います。

 今日も読んでくださってありがとうございます。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?