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キャリアに関する理論2 - ジョン・ホランド


理論の構成

6角形モデル


>>第1次的仮定

ホランドの理論の基調となる4つの作業仮定

  1. 我々の文化圏において、大多数の人は、現実型、研究型、芸術型、社会型、企業型、慣習型の6つのパーソナリティ・タイプのうちの1つに分類されうる。

  2. 我々の生活環境は6つのパーソナリティ・タイプに支配されており、従って、環境の特徴は現実型、研究型、芸術型、社会型、企業型、慣習型という6つの環境モデルで説明されうる。

  3. 人々は、自分の持っている技能や能力が生かされ、価値観や態度を表現でき、自分の納得できる役割や課題を引き受けされてくれるような環境を求める。

  4. 人の行動(さまざまな選択行動、職業的安定性、業績、実力、社会的行動パターン、影響の受けやすさなど)はパーソナリティと環境との相互作用によって決定される。

>>第2次的仮定

  1. 一貫性:6角形で隣り合っているパーソナリティ・タイプや職務は距離が近いほど非常によく似ている。

  2. 分化:6角形のうち、最も高いホランドタイプと最も低いホランドタイプの差を表したもの。

  3. 同一性:個人の同一性は自分の職業目標や自己理解(興味・能力・価値観・才能など)が明確であり安定したイメージ像を持っていること。

  4. 一致度:個人のパーソナリティ・タイプがその環境のタイプと一致すること。パーソナリティ・タイプと環境タイプが異なると不一致が起こる。

  5. 凝集性:6つの心理的類似性から相互関連があると仮定されている。それは別々に独立したものでなく内的関連性があり、凝集(散らばっているものが、1つに集まっている様子)性があるとしており、タイプ間の心理的類似性はタイプの距離に反比例している。

パーソナリティ・タイプの発達

「個々人を特徴付けるパーソナリティ・タイプは、その人の生得的資質と発達過程で体験する人的、文化的、物理的諸環境からの力との相互作用を経て形成される」という過程に立ち、パーソナリティ・タイプの発達過程を経て説明。

子どもの初期の活動が、後の興味や能力に影響を与える。また、初期の経験が自己概念や性格特性、行動傾向の形成に大きな影響を及ぼす。

初期の経験は親の養育態度やジェンダーや兄弟関係、生活環境などで規定される。幼少期から個人が経験できる活動の種類や幅を規定してしまうことも。

親や幼少期の環境の持つタイプが、子どものパーソナリティ・タイプを作り出す可能性が高いので、子どもの興味関心、経験の機会を提供する援助が必要。

キャリア発達段階説への批判

ホランドは、キャリア発達的・プロセス思考アプローチよりも、
パーソナリティ・タイプの発達の構造的アプローチを好んでいる。

パーソンズの構造的立場の効果を評価し、その流れを色濃く引き継ぐ。

キャリア成熟よりも職業的自己同一性(アイデンティティ)が
有効な概念と述べている。

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