決算書を実際のビジネスと突き合わせることで理解度アップ+会計思考力の強化💪後編


こんにちは!小泉たかです!中小企業診断士の実務補習が始まるまであと1週間になりました。パソコンを買ったりテザリングの契約をしたり準備を進めてますが、不安です。他の診断士受験生に迷惑をかけないか、自分のビジネススキルで通用するのかなど、不安なところが多々あります。転職活動も同時に進めていこうと計画してますがどれくらい忙しくなるのか、Twitterの情報だと実務補習15日コースはかなり忙しいとの事。また実務補習の先輩診断士によって進捗度合いもかなり差が出てくるようです。

試験が終わっても前途多難です。ただワクワクする気持ちもあります、やってやるぞー!と前向きな気持ちもあり、新しい出会いや診断士活動の魅力を妄想すると新入社員のような気分にもなります ^^) 今できることはコツコツとブログを書いて俺の頭の中は今高速PDCAじゃ!と思考力、判断力、文章力を磨いていこうと思います。

銀行やフィンテックのビジネスモデル

さて後半です。銀行の伝統的なビジネスモデルは個人や企業からの預金で資金を調達し、それを融資先に貸付けして利息を得る(利ざや)が利益の源となっています。大量の資金を必要とするためB/Sが非常に大きくなっています。簿記の知識があるとこのB/SとP/Lの関係はわかりやすいかもしれません。大垣共立銀行は地方銀行で伝統的な銀行のビジネスモデルとなってます。収益は貸付金の金利や有価証券の利息とリース業やや手数料の役務取引で50億ずつで費用はほぼ販管費となってます。ドライブスルー専用店舗や女性行員のユニット結成などのブランド事業を行っていますが決算書に影響は見られず、地域密着のブランド価値向上に寄与していると考えられます。
続いて大手メガバンクの三菱UFJ銀行。負債の割合が多く借用金や社債による資金調達、資金運用ではその他の資産が多くなっています。つまり負債、資産のバリエーションが増え運用の手段も多様化していると考えられます。
最後にセブン銀行でし。収益の大部分がATMでの手数料になっています。コンビニというプラットフォームを活かした集客力により高い水準の利益率を達成できています。
3社3様ですね、ライバルというよりセグメントをしっかり分けて自社の強みを活かしていると言えるでしょう。

続いてフィンテック事業についてですが、なんと丸井です、丸井!?OIOI!?まずB/SとP/Lの関係ですがB/Sが極端に大きくほとんどが割賦売掛金と営業貸付金が占めています。ちなみに比較対象の伊勢丹ではこの2つの項目はなく店舗の有形固定資産が7割を占めてします。この違いは何か?それは、丸井ではエポスカードによるクレジットカード事業を行っているためである。売上収益もフィンテック事業が半分、本業の小売事業が半分です。原価率に関しては伊勢丹が71%に対して丸井は21%です。フィンテック事業は原価がほとんど計上されません。よって営業利益も高水準を確保しています。またテナントを賃貸収入にして「百貨店型」から「ショッピングセンター型」にシフトしています。
しかし問題点もあります。貸出金を調達するため有利子負債の依存度が高くなりすぎて安全性の低下が懸念されます。そこで丸井はファクタリング(債権流動化)を行い有利子負債の増加の抑制と債権譲渡益を図っています。なかなか奥が深いですね。

IT巨大企業の決算

最後にAmazon、ZOZO、楽天の比較を紹介します。3社とも有名ECサイトを持つ企業です。Amazonは物流倉庫に大きな投資をしているため有形固定資産が資産の半分近くを占めています。P/Lを見ると売上原価が約60%でECサイトで仕入型のビジネスモデルを行っていることがわかります。売上高はECサイトの売上高が60%で大きく占めていますがAWSが15%占めています。AmazonのKPIとしてFCFを掲げていることで有名ですがこの利益が大規模な投資を生み出しています。ECの売上とAMSの売上の両輪を投資に回して資産の増加に貢献していると考えられます。次にZOZO。P/Lの売上原価率はわずか9%です、在庫を持っていないことがわかります。販管費が80%を占めています、よって売上高はEOサイトのプラットフォームの販売手数料になります。またZOZO特有の「ツケ払い」により通常の小売業に比べて売上債権回転期間が90日と長めとなっています。最後に楽天です。B/SがP/Lに比べて大きいです、金融業界と同じですね。楽天経済圏と言われる楽天カード、楽天銀行、楽天証券により金融資産と金融負債がB/Sをほぼ占めています。売上収益もフィンテック事業が35%を占めています。この事から楽天はECサイトの会社というより多種多様な事業を抱えるコングロマリットと呼ぶほうが正しいかもしれません。ZOZOはソフトバンクと提携してソフトバンクグループとしてシナジー効果を獲得し、Amazonの銀行も新規参入を試みているのでフィンテックのシナジーはどこも戦略を立てているようです、金融事業を本業とする銀行はたまんないですね。

まとめ

決算書の比較図鑑は経理部でもない、銀行員でもない私でも読み解くことができ、中小企業診断士の勉強をより習熟度を高めることができたと思います。自社に置き換えて読んでみたりライバル企業と自社の比較をしても面白いかも知れません。自社の戦略の意図をより深く理解でき、弱みを補完するためにできる取り組みを会議の議題にすることで普段の業務を見直すきっかけになるかもしれませんね。おすすめ本です。

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