宅建試験は本当に難しいのか?
「宅地建物取引士」は、毎年20万人の人が受験する ” 超 ”が付くほどの人気資格です。ほとんどの資格試験の受験数は、年々減っている中、徐々に受験者数が増えているが通称「宅建」です。
ネットの情報なんかでは「宅建は難しい」という声や「宅建は簡単」という両方の声を聞くことが出来ますが、様々な意見があるのは、受験者層の幅がとても広いところにあります。「宅建」は ” 不動産資格 ” ではありますが、実務経験や学歴も必要ない為、分野問わず色々な人が受験しているので、様々な意見が飛び交うのは仕方ないのかもしれませんね。それでは「宅建」の難易度を検証していきたいと思います。
宅建試験の偏差値は?
「宅建試験」を偏差値で評価すると一番分かりやすいかもしれません。ネットの情報では、宅建の偏差値は「56~57」と評価しているものが多いです。有名な資格の中で、近い偏差値で比較すると・・・
FP2級(偏差値53)
二級建築士(偏差値56)
社会福祉士(偏差値57)
簿記2級(偏差値58)
偏差値が50後半レベルだと、平均的な学力の人が、頑張って努力すれば報われやすい資格だと言われています。
偏差値が60を超えると難関資格になりますが、宅建はその一歩手前にあるため普通の中でも上位に位置する難易度の試験であると言えます。
私はFP2級を持っていますが、比較してみると、この偏差値の数値は、おおよそ当たっているのかと思います。
宅建の合格率は低い
宅建試験の合格率は、上位15~17%となっており、かなり狭き門となっています。難関試験の中には合格率が10%を下回る試験もありますが、宅建試験と同程度の難易度の試験の中では、宅建試験の合格率は、かなり低い方ではあります。
宅建試験は受験資格がなく誰でも受験することが可能ですので、勉強していない人や、記念受験の人など、受験者のレベルが低いと言われています。なので真面目に勉強している層では、実際の合格率よりも高くなります。
比較的学力の幅が広い公立の中学校で比較すると分かりやすいかもしれませんね。1クラスを35人クラスだと仮定しましょう。上位15~17%だと、上位6番以内に入らなければなりません。クラスには頭のいい人が1人や2人くらいはいるはずですし、コツコツと真面目に勉強する人もいたことでしょう・・・そんなことを踏まえると、空いている席というのは以外と少なく、合格するためには一歩抜きんでる努力が必要となります
宅建試験の勉強期間はどれくらい?
宅建試験に合格出来るための勉強期間は ” 300時間 "と言われています。1日平均2時間の勉強では150日となり、約5カ月程の勉強期間になります。
ネットやYou tubeの情報で「3カ月の勉強時間で合格した」という話をよく聞きます。宅建受験申込みの時期から本試験までが、おおよそ3カ月なので、こういう話をよく聞くんだろうと思います。
実は私も3カ月の勉強期間で合格しましたが、時間がなく全範囲は勉強出来ず、民法や税法の一部は捨てました。結果、合格点ボーダーをギリギリ狙えるか狙えないかの感じで試験に臨むことになりました。
宅建に合格するためには、おおよそ7割正答(35点)くらいが目安の一つではありますが、この辺りはまさに激戦区になっていて、過酷な椅子取りゲームになります。確実に合格出来るためには、このボーダーラインから数点上をいく必要がありますが、実力での1点、2点の差は思っているより大きく、そのためには、半年〜1年かけてじっくり勉強する方が確実かと思います。時間にすると500時間以上の勉強時間が宅建合格の目安時間になります
年々難しくなる宅建試験
宅建試験の合格率はここ20年程、15%~17%の間で一定しています。宅建試験は相対評価試験ですので、問題の難易度による不公平差がない試験ですが、難易度は年々上がっています。それは受験者のレベルが年々上がっているからです。相対評価試験では皮肉にも受験者が頑張れば頑張るほど試験はどんどん難しくなります。Youtubeなどのネット情報によって、勉強の方法がどんどん可視化されて、特に独学者の受験者のレベルは底上げされております。
宅建試験は誰でも合格することが出来るのか?
「宅建なんて誰でも合格できるよ」という声もありますが、簡単にそうとは言い切れないです。私の周りでも「宅建」に何年もチャレンジして、結局諦めた人も何人か知っています。
学生の頃ならまだしも、社会人となれば忙しい中、時間を割いて勉強しなければなりません。その時間というのは誰でも平等ではないので、それぞれの環境下の中で勉強しなければなりません。その中で、自分に置かれた環境の中で「上手に継続して勉強することが出来る」というのも、また一つの能力であると言えます。
今まで色々な人と関わってきて、” 努力すること ” や ” 継続することが出来ない人" は世の中には一定数いて、やはり誰でも合格出来るとは言えないとは思います。
独学で合格することは可能か?
資格学校に通学する、通信講座を利用する、市販のテキストや過去問で頑張る(独学)の3つの方法があるかと思います。You tubeでの動画配信やネット情報で簡単に合格方法を検索できるので、独学という選択肢もあるかと思いますが、一番難しいことはモチベーションの維持です。
宅建の問題は難しいので挫折しまいがちです。他の資格試験や学生の頃の勉強に対しての成功体験が多い人はいいですが、勉強が苦手な方は、資格学校や通信講座を利用した方がいいです。特に通信講座なら安価で利用できるものもあるのでおすすめです。私はスタディングを利用しました。
最後に・・・・
「宅建って難しいんでしょ?」ということはよく聞かれます。私は素直に「難しい」と答えます。宅建は受験資格がないので、誰もが簡単に受験することが可能ですが、宅建のような独占業務資格や必置資格である場合、誰もが簡単に取得できるのものであったら問題になります。消費者に損害を与えないように、最低限の知識や教養、モラルが必要となります。そういう意味で宅建はある程度難しくなっています。
「宅建は馬鹿ではない証明」なんて言われたりします。決して頭が良い証明になりませんが、少なくても頭が悪くないという証明になるようです。
私も合格した時に「実は頭がいいんだね」ということを言われました。それは裏を返せば、頭が悪いと思われていたということですね。普段からマウントしてきたり、馬鹿にしたりする人はいるので、宅建を取得することで見返しすることが出来るチャンスにもなります。
今、私は専任の宅建士になっていまして、名刺にも宅建士と書いています。少しだけ自慢です(笑)本業は建築士なので、まだ宅建士としては活躍していませんが、今後はダブルライセンスとして頑張っていきたいと思っています。
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