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創造して、お金を稼いで生きていきたい人は「誰でもメイカーになれる時代のヒット商品の作り方」を聞こう by インスタコード @insta_chord @GOROman @nakamakoko #SUNABACO

トップ画像はJENESISでの製造ライン。僕は数日製造ラインに入らせてもらいました。(写真を撮ったぐらいで、たいした仕事はしてないですが)

この動画はぜひ見よう。 SUNABACO からアーカイブも公開されるはず。


コミュニティの活用とか、ドリームチームの構築をどうやるか

永田雄一(ゆ~いち)さんがたった一人でプロジェクトを立ち上げ、今もすすめている楽器「インスタコード」は、大ヒット製品になっている。近々楽器店での販売も始まるほどだ。カテゴリまるごと新しい製品が出てくるのは世界でも珍しい。しかもこのプロジェクトは、日本から始まって世界を目指そうとしている。
イベントの前半で紹介してくれた、

・事業の立ち上げ
・マーケティング
・プロダクト企画(プロデュース)
・実際の開発
・キーマンの集め方
・資金繰り
・exit plan
はそれぞれ素晴らしいけど、イベント全体のキーワードを一言で言うなら Do It With Others だと思う。
Do It With Others は、メイカームーブメントが盛り上がっていた頃、DIYをこえて、「他の誰かと作る」みたいな意味を含んだ言葉だ。
分業すること、外注することみたいなOthersだけでなく、ユーザがつくことでテンションが上がる、口コミで広まるなどを含めた、広いオープンイノベーションをさしている。

M5Stackにせよ、Oculusにせよ、iPhoneにせよTESLAにせよ、現代でうまくいくプロジェクトはDo It With Othersができているのだけど、では「じゃあ、どうすればうまくいくの?」に対する銀の弾丸はない。
コミュニティに関する本を訳したり、達人に色々聞いたり、自分でやったりしてみたけど、「考えつつ手を動かしつつがんばるしかないな」ぐらいが今の結論だ。

インスタコードのDo It With Others

  • そもそもCEOのゆ~いちさんはハード・ソフトのエンジニアではなく、チームで作っている

  • ユーザが拡張を作れるように3Dデータを公開した

  • マーケティングも口コミでやっている

  • アップデートや開発も、多くのユーザが協力している
    など、インスタコードはDo It With Othersの塊だ。イベントでは様々な事例がでてきている。

結果として、

  • ひんぱんにアップデートされる機能

  • ユーザー同士で助け合うコミュニティ

  • 理由を超えて愛されるプロダクト

といった、日本企業がうまく作れずにコケている原因を、インスタコードは見事に解決しているように思える。
それは、50%ぐらいは、話をちゃんと聞けばわかるポイントで、「そういう事も気をつけたほうがいいんだな」という視野の広がりが出てくるだけでも、イベントを聞く意味はある。

昔のゆ~いちさんの話との差分も面白い  

聞き手のなかまこさん、 @GOROmanさんがまた素晴らしい

今日のイベントは、聞き手のなかまこさん、GOROmanさんがまた素晴らしい。

・情報交換といいながら一方的に持っていく人、情報山賊がおおい(GOROman)
・判断は、自分のビジョンのベクトルを取って内積で判断する(GOROman)
見積もりはラブレター(なかまこ)

などはそれだけ取り出してもパワーワードだし、前後の文脈やタイミングも良いので、やっぱりアーカイブまるごと見たほうがいいと思う。

Do It With Others/メイカーズから正規軍へ

僕も少し質問をさせてもらって、それは「次にどういう人を雇う?」だった。
僕は深圳で仕事をしていて、取引先の急成長を日々目の当たりにしている。僕は新規事業担当なので、小さい会社ばかり相手にしていて、仲良くなるときは創業当時のギークのCEOなのだけど、そのうちプロのマーケティングの人に入れ替わって、コミュニティとノリが合わなくなる経験を何度もしている。
ゆ~いちさんの回答は「今のチームを大きくする、人を雇うという考え方はなくて、そのうちこれが世界で売れるということが立証できたら事業譲渡を考えている」だった。
自分の予測の外側にあったので感動した。

というのは、事業のためにはたぶんそのほうが成功するのだ。

深圳と世界のメイカーを代表するSeeedはすごい会社で、僕はずっと尊敬している。2014年や15年、僕とSeeed社長エリック・パンとの関係はこんな感じだった。

今こういうのは無理だ。たしか2022年、僕はEricとそもそも会ってもない気がする。
一方でSeeedは2014年当時の100倍近い売上になっていて、ヒット商品も多数生まれている。スイッチサイエンスとしても今のほうがSeeed製品をたくさん売っている。
つまり、Seeedは今もDo It With Othersを続けているわけだけど、その中身は2014年と今でぜんぜん違ってるし、僕も関わり方を変えているわけだ。伸びる会社と付き合うたびに、今何をすればいいかを考えるけど、どれぐらいうまく行っているか自信ない。

ゆ~いちさんは、そこまで含めて広い範囲が見えている。

とにかくINSPIREされたイベントだった。SUNABACOさん、ゆ~いちさん、GOROmanさんや、コメント・ツイートの皆さんに感謝


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