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Blondshell, 404 Guild...今週のおすすめ 5 Best Songs:2022-50

今週も新人の新譜から厳選して5組のアーティストを紹介します。音楽ブログ「abstract pop」の「5 Best Songs」の企画では、国内の音楽メディアでは紹介されないような、海外の新進気鋭なアーティストを毎週紹介していきます。過去に紹介したアーティストは下記にまとめてあります。
おそらく今年ラストの「5 Best Songs」の企画になるかなと思います。今年のベストアルバムとベストEPお楽しみにお待ちください〜。

Spotifyのプレイリストも更新してます〜

Blondshell

本当はEPとかまとまった作品が出てから紹介しようかと思いましたが、今年中に出そうにないので今回のLAを拠点にするシンガー・ソングライターSabrina Teitelbaumによるソロプロジェクト、Blondshellがニューシングル「Veronica Mars」をBeth OrtonやLaura Marlingなど擁する〈Partisan Records〉からリリース。今までのシングルはインディペンデントで出しておりましたが、とうとう〈Partisan Records〉と契約に漕ぎ着けたという記念すべき新曲でもあります。今年のデビューシングル「Olympus」のときから各所で話題になっていて、Pigeons & Planesをはじめ数多くのメディアでも紹介されていましたね。そのあとHorsegirlやPorridge Radioのオープニングアクトを務めるなど着実にその名前を拡げていきました。
そんなBlondshellですが、とにかくソングライティングセンスと独特なハスキーな歌声が抜群。90年代のオルタナからグランジを感じるようなエッジーなギターサウンドから、USインディー的な牧歌的な音像を絡みあわせた音楽性。そこにアンニュイでクールな歌声が重なり、もう最高の一言に尽きる。来年にはアルバムも出るそうなので本当に楽しみなアーティストの1人です。
めちゃくちゃ細かい情報ですが、彼女はかつてBAUMというポップスプロジェクトもやっていたんですよね(SigridとかMagee Rogersっぽい)。1曲くらいしか出してなくて、SoundCloudを覗いたら意外と曲アップロードしていました。


404 Guild

The 1975を擁するレーベル〈Dirty Hit〉きってのダークホース、ヒップホップグループの404 Guildが待望のデビューアルバム『False Dawn』をリリース。彼らは10年以上ロンドンのアンダーグラウンドで活動し、Wolf AliceのメンバーTheo Ellisからの推薦を受け、〈Dirty Hit〉と2018年ごろに契約。EPなどをリリースしておりましたが、2019年にメンバーMinaが逝去し、一度そこから各々のメンバーのソロプロジェクトの作品を発表しておりました。(ちなみにそのソロ作は2020年のベストアルバムにも挙げています。)その死を乗り越え、再び404 Guildとして集まり、念願の1stアルバムをリリースしたのです。今作もやはり最終的には彼女に捧げたアルバムになったとメンバーがインタビューで語っています。
やはりその乗り越えた作品でもあり、ソロでもそれぞれ活動していたこともあり、非常に洗練されたアルバムに仕上がっています。UK独特の陰鬱なダークなムードが全体的に漂っており、ジャズやソウル、アンビエント、インディーを絡めた実験性的なトラックは彼ら独自のもの。4人のフロウもユニークで、ボソボソと囁くようなものから、キレのあるクールなラップ、たゆたう歌声など、それぞれ駆使して独創的な世界観へと誘います。UKの中でも群を抜いてかっこいいヒップホップグループだと思います。


Izzy Spears

アトランタ出身でLAを拠点に活動するアーティスト、Izzy SpearsがデビューEP『MONSTAR』をリリース。彼はアーティスト集団「Anonymous Club」を立ち上げた人物でもあるとのことです。
もしJean Dawsonがダークサイドに落ちたら、、、というような暗さが際立つ音楽性が特徴的で、ポスト・パンクやインディー、インダストリアル、ヒップホップなどを織り交ぜた作品に仕上げています。その暗さの要因としては、少しゴシックやインダストリアル・メタルの要素を絡めたようなヘヴィーでアグレッシヴな音像にあります。また歌い方もウィスパー・ヴォイスっぽかったり、スクリームも入れるなど、エクスペリメンタルな側面も窺えて、そういった部分も非常に魅力的です。ちなみにMVがいい意味でめちゃくちゃ不気味でかっこいいです。


Orlando

2021年の個人的なベストEPにも挙げた、ロンドン拠点に活動するSSW、Orlandoが新作EP『Boy Next Door』をリリース。今作ではロンドンのConor Albertを客演に招いています。
やはり彼の甘くて優美な歌声には一発でやられますね。今回もメロウなポップサウンドと、レトロなムードが同居したサウンドが秀逸でした。まだ実際のところはわかりませんが、訴えられているRex Orange Countyの無きいま、個人的に大好きなベッドルーム・ポップを奏でるのは彼しかいないな…。今後の作品も楽しみ。


Darkowa

ノルウェーのオスロ出身で拠点に活動するDJ/プロデューサー/ボーカリスト、DARKOWAがデビューEP『Time Machine』をレーベル〈Playground Music〉よりリリース。影響源にはLil PeepやBladee、Sega Bodega、Oklouなどから受けているようです。
ハウスやUKガラージ、ブレイクビーツなどを駆使した近未来的なエレクトロニックミュージックに、Y2Kやhyper pop的なムードも絡めた幻想的な音楽性にまとめ上げています。艶やかで優美な彼女の歌声も相まって、多幸感あふれる独特な浮遊感も醸し出しています。Sassy 009とPinkPantheressの間を縫うような絶妙なセンスも魅力的ですね。

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