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Issy Wood, FELIVAND...今週のおすすめ 5 best Songs:2022-32

今週もたくさんの新人の新譜から厳選して5組のアーティストを紹介します。音楽ブログ「abstract pop」の「5 best Songs」の企画では、国内の音楽メディアでは紹介されないような、海外の新進気鋭なアーティストを毎週紹介していきます。過去に紹介したアーティストは下記にまとめてあります。

ポッドキャストも始めているのでぜひのぞいてみてください〜

Issy Wood

ロンドン拠点に活動する画家でもありデザイナー、シンガー・ソングライターでもあるIssy Woodがデビューアルバム『My Body Your Choice』をリリース。個人的にも2020年のEPからずっと追っていて、以前のEPは Mark Ronsonの〈Zelig Records〉から発表していましたが、今作から自主で出しているっぽいです。そして今作のアルバムは確実に今年の年間ベストで余裕に入る最高の出来でした。
ミニマルな楽器構成で、ギターとドラムマシーンとベース、電子音くらい。音楽的にはブルースやフォーク、インディーロック、アンビエントなどを織り交ぜたアート・ロックの部類に入るようなサウンドを奏でています。
特筆すべき点は、やはり彼女の記名性のあるダウナーでメランコリック、そしてクールな歌声でしょう。その気だるげだけど、伸びやかで美しい歌声と、そこにエッジーで歪んだギターのハーモニーが素晴らしく、圧倒されてしまいます。
彼女は音楽だけでなく、画家としてもめちゃくちゃかっこいい作品ばかり見出しているのでそっちも見てほしいです。ちなみにMVもディレクションは彼女が手がけているというマルチぶり。いずれ現地に行って彼女の個展も見にいきたいな。


FELIVAND

オーストラリア・ブリスベーン拠点に活動するアーティスト、FELIVANDがデビューアルバム『Ties』をリリース。以前この記事内でも紹介した同国のプロデューサーGolden Vesselの客演でもお馴染みでもありますが、2018年のEP『In Bloom』もかなり有名かもしれません。そこから考えると4年越しでもある待望の作品でもありますね。
ジャズやネオソウルを影響源とする彼女の音楽は、とろけるようで滑らかなシンセやギター、グルーヴィーなベースライン、ミドルテンポのドラムが絡み合う、生音を重視したオーガニックな響きがとても印象的です。さらに彼女の少しハスキーでソウルフルな歌声はとても優美で、癒しを与えてくれるエレガントなムードを漂わせています。ちなみにアーティストではKali UchisやJorja Smith、Solange、James Blakeなどから多大な影響を受けているとのこと。
青々とした緑の芝生が広がるのびのびとした場所でそよ風にあたりながらゆったりと聴きたい音楽ですね。


Kai Bosch

ベルリン出身で、現在はロンドン拠点に活動するプロデューサー/SSW、Kai BoschがデビューEP『SLIPPING』をリリース。彼はいまJames Blakeなどを輩出した名門のGoldsmithsで音楽を学んでいるそう。
そんなJames BlakeやThe xx、Lorde、FKA Twigsにインスパイアーを受けたという彼の奏でる音楽は、やはり深夜を彷彿とさせるようなダークな印象を受けるサウンドスケープに、柔和で甘美な彼の歌声が溶け合うものに仕上げています。ジャズやR&Bのエッセンスを混ぜ合わせつつも、脈々と受け継がれるUKのダンスミュージックを重ね合わせたサウンドプロダクションはとても見事で、彼の才能を感じざるを得ません。今後も期待大の新人アーティストですね。


Daniel Price

ボストン出身で現在はLA拠点に活動するアーティスト、Daniel Priceが新作EP『Peaking』をリリース。作品で客演にBrandonを招いています。既にPigeons & Planesの「Best New Artist」などに選出されるなど注目を集める新人アーティストでもあります。
Frank Ocean以降とでも言えるような、ネオソウルやインディーR&Bのアプローチをした叙情的で淡くも儚いサウンドを奏でています。彼のスムースで優雅な歌声やファルセット・ヴォイスは溶けてしまうほど。メロディアスでキャッチーな旋律も、インディー系の青春映画が浮かび上がってくるような劇的な仕上がりで、そんなシネマティックな彼の音楽的な才能にはほれぼれしてしまいます。MV見るとやっぱ車から体を乗り出す系のやつでした。Kevin Abstractの影響もほんのり感じますね。


runo plum

アメリカのミネソタ拠点に活動するシンガーソングライター、runo plumがデビューEP『jupiter』をリリース。デビューシングルの「yin to yang」がめちゃくちゃ良くて記憶に残っていたのですが、いつの間にか今年の4月ごろに出していました。
主にSoundCloudやTikTokで人気を博している彼女ですが、音楽的にはシンプルな弾き語りと、ダウナーで透明感漂う美声が絡み合った、白昼夢を想起させるような音楽に仕上げています。土臭さも含んだフォーキーなアコギの柔らかでメランコリックなメロディーと、少し掠れた声が時折入り混じるのがマジで最高なんですよね。初期のSoccer MommyやPhoebe Bridgersを見つけたときのような高揚感を思い出すくらい、彼女の奏でる音楽に惹かれました。


Spotifyも更新しています〜


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