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今までの自分を振り返ってみる

那須と申します。普段はITの技術的な内容のブログを書いています。
仕事をするようになってから定年(が実際にやってくるのかはともかく)と呼ばれる年になるまでの期間のだいたい中間くらいの年齢になりました。平均寿命を考えるとだいたい人生の折り返し地点でもあります。転職の時なんかに振り返ることはあるのですが自分の人生をあまり振り返ってこなかったなって思ったので、ちょっと今までの自分を振り返ってみようと思ってこの記事を書いています。noteがどんなサービスなのかを知りたかったのというのもあります。

といっても、プライベートでやってることやライフイベントを書いてもアレなので、仕事関連を中心に振り返ってみます。誰得だと思われても仕方ないのですが、数人から興味を示してもらったので勇気を持って書いてみます。


社会人になるまで

いつからか家にでっかいパソコンがあって、それを親と一緒に見ているうちに自分でもパソコンを触るようになりました。中学生の頃からパソコンに興味があって、地元の工業高校で情報処理を勉強するようになりました。普通科の高校に通う案もあったのですが、パソコンの勉強がしたいがために工業高校を選びました。なぜ高専を選ばなかったのかはまったく思い出せません…

高校では主にC言語を勉強していました。変数やら配列やら一生懸命勉強しましたが、ポインタだけは理解できる気がしませんでした。そして気がつけばプログラミングが嫌いになっていました。しかし、電気の授業もあってなぜか電気の勉強を真剣にしたいと思うようになったので、就職せずに夜間の大学の電気科に通うことにしました。

大学生活はまあ大変でした。朝はバイト(自分で学費を払っていたので必須)、昼はクラブ活動(陸上競技歴10年&好きなので辞めたくなかった)、夜に授業といったスケジュールでハードな毎日でしたね。本当に二度と戻りたくない時代です。自分で選んでおいてアレですが、今まで生きてきた中で一番体力的にしんどかった時期でした。一応5年かかりましたが無事に卒業することができました。で、電気関連のしごとに就いたのかと思うと…


新卒で入った会社

大学を卒業してネットワークエンジニアとして最初の会社に入社しました。え、プログラミングと電気はどこ行った?って感じですね?
もちろん学校でネットワークのことなんて1mmも学んでいません。なぜ内定をいただけたのか今でも不思議です。入社前にオンラインでネットワーク技術の勉強をさせてもらえる会社だったので必死に勉強しましたが、まったく意味不明でしたね。デフォルトゲートウェイの概念を理解するのに数ヶ月かかったのは自分でもちょっと情けなかったです。

実際に仕事をするうちにネットワークのこともわかりはじめ、周りの方の協力もあってCCNP(Ciscoの認定資格)までなんとか取得できるまでになりました。CCNPの勉強ってしんどかったけど面白くて、こんなコマンドあるんや!今度お客様環境でやってみよ、みたいなノリで試験勉強で覚えたことを業務で実際にやってみたので新しい発見がたくさんありましたね。障害発生した時も勉強して知ったコマンドを実際に実行してみて「あれ?結果が前と違う」と気づいて何がおかしいのかを早めに気づけるようにもなりました。

という感じで、初めての会社で得た教訓的なものは
・とりあえずやってみる
・資格試験の勉強で覚えたことはとりあえず業務で無理やり使ってみる

ということでした。これが将来とてつもなく大きな意味を持つとはこの時は思ってもいませんでしたね。

で、ネットワークエンジニアとしていい感じで育ってきたところで、突然思い立ちます。上流工程と呼ばれる仕事をしてみたい!と。実際のところ、仕事に上流も下流もなにもないのですが、当時はそういう言葉が流行っていました。上流工程に身を置くのがいいことだ、と言わんばかりに。今はどうなんでしょうか? 

そこで初めての転職活動を始めます。当然社外に知り合いも少ないので、転職といえばリクルートかなーと軽い気持ちでリクルートエージェントに連絡したのを今でも覚えています。

エージェントは親切な方で、本当にいろんな求人を紹介してくれました。数十ある求人を見ていてなんか心にひっかかる求人が見つかります。それが2社目の会社でした。


突然SAP業界へ

2社目ではSAP BASISコンサルタントという肩書だったわけですが、未経験なのでコンサルタントと言ってもただのド素人です。Ciscoしか知らない人がいきなりSAPの世界にやってきたので「またよーわからん人きたで…」と思われていたことでしょう。よく採用してくれたなーと思います。

この会社で本当にいろんな経験をしました。SAPシステムがどうなっているのか、SAPを使ってどう業務を行っているのか、BASISの役割の広さなどなど、書ききれないほどの量のことを仕事しつつ勉強しました。業務と言っても担当はBASISなのでインフラ寄りです。ここで初めてサーバやストレージ、データベースについてまともに勉強することになります。

逆に、ネットワークに詳しい人はほぼいませんでした。そういう意味ではありがたがられた気がします。SAProuterというSAP社と接続するためのものがあるのですが、当時はグローバルIPアドレスが2つ必要と言われていました。が、使い方を確認してみると「え、これグローバルIPアドレス1つで十分ですよ」って実際にCisco IOSだとこんなconfigでできるってところまでブログ記事に書いたことで、ある程度感謝されたような気がします。

あとは、システム運用についてむちゃくちゃ勉強して運用を仕事にするようになったのはこの頃からです。特に、システム監視は何のためにやってその対応はどうすればいいのか?という問いに対してはいろんな方から教えてもらって自分の中に腹落ちするまで考えた記憶があります。

SAP Solution Managerのコンサルタントを担当するようになってから、監視だけではなくITILベースでインシデント管理や変更管理をはじめ、SAP社が提唱していたALM(Application Lifecycle Management)がどのように業務をサポートするのかをある程度理解することで、システム運用に対するイメージが変わっていったのを覚えています。

この2社目での教訓としては、
・システム運用をなめるな
・やってることの目的を考えろ
・勝つまでやり続けろ(社長が言ってた)

ということでした。特に目的がないことをやることの意味を考えるようになったのはこの会社に入ったからできたことだと思っています。

と同時に、2社目に入ってわりとすぐにAWSというクラウドの存在を知ることになります。とある大学のSAPシステムをAWSに移行する案件を担当したのですが、サーバがある現地に行かなくてもサーバを扱えることに衝撃を受けました。AWSを触ったりクラウド関連のイベントに参加していくうちに、だんだんとインフラの世界に戻ろうかという気持ちが湧いてきました。で、当時仕事でやりとりがあった会社に自分で応募して、クラウドの世界に飛び込むことにしました。


クラウドの世界へ

3社目は、今はいろいろやっているみたいですが当時はAWS専業のクラウドインテグレータだった会社に入社しました。クラウド業界の梁山泊と言われていたので、めちゃめちゃ勉強せなあかんやろし自分より若い人たちがガンガンやってんやろなーと思っていたので、年齢に負けずに本気出して勉強しながら仕事しようと気合入れてたのを思い出します。

この会社でWebシステムの基本をたくさん学びました。Webがどういう仕組で動いているのか、ロードバランサーがどういう動きをするのか、CDNっていうのがあってね、などなど、今まで経験したことのない分野を勉強するのはなかなか大変でしたね。その上でのクラウドです。基本を抑えつつ最新の技術でそれを成り立たせるための努力は相当やりましたしむちゃくちゃ大変でした。

一方でこれまでの経験が活きた場面もありました。MSPがあったのでシステム監視やその対応もあったのですが、明らかに不足していることは「~した方がいいんじゃないですか?」みたいな感じで言って小さいながらも改善いただけたことは嬉しかったです(役に立ったという意味で)。

Web以外にはAWSへの移行のサービスを作るところから関われたことで、サービスってこんな感じで作っていくのかーと関心したのを覚えています。残念ながら移行案件にはあまり関わることなく退職してしまったのですが、今の私の基礎となっている部分なのでこの経験をさせてもらったことに本当に感謝です。

この会社で得た教訓は
・知るは一時の恥、知らぬは一生の恥
・とりあえずさっさとやれ
・どうすればベスト/ベターか考えろ(銀の弾丸はない)

って感じです。これまで0か1かで考えがちだった私を変えてくれたのは間違いなくここでの経験です。



ここまで大きく3つの分野を経験してきました。ネットワーク、SAP、AWSです。ここで自分の将来をまた考えてしまいました。せっかく3つの得意分野があるのにそれぞれ1つずつしか役に立てないのはもったいない、全部役に立つ業界とか会社ってないんかな?って。

意外とあるもんです。そういうところ。すぐに見つかりましたね。2社目の時の上司がすでにその会社に入社していたので、早速連絡しました。


過去の経験を役立てる世界へ

4社目はSAP on AWSをメインに扱ってるけど、AWSだけではなくAzureやGCPも普通に対応する会社でした。SAPシステムをクラウド移行する案件が多いですが、その中でも私はプロジェクト対応の他にもAWSでの運用タスクの自動化に取り組んでいました。

あれ? 3つの得意分野が役に立つところに入ったつもりなのに、またやったことない分野に手を出しています。これまでに得た教訓が本当にすごくて、未経験のことでもガンガンやれる気持ちがいつのまにか身についていて、自分でもびっくりです。これからのことは誰にもわからない状況なので、今まで経験させてもらったことすべてが役に立っている気がしているので自分としては満足です。

また、この時からリモートワークにも挑戦しています。昔から転勤とか単身赴任の制度が意味わからんと思っていて、関西に住みながら全国どこの仕事でもできる形がいいなと思ってましたが、ようやくそれが実現しました。リモートワークならではの課題なんかもいろいろ見えてきて難しいことだらけですが、とりあえずリモートだろうがなんだろうが成果を出すことに集中できているので満足です。

また、AWSからも2019年にJapan APN Ambassador(APNはAWS Partner Networkの略)という形でこれまでの活動を褒めていただいたので、いろんなことがありましたが諦めずにやってきてよかったなと思いました。

これでようやく落ち着くかなーなんて思ってましたが自分に対する認識が甘かったです。さらに知らない世界へと旅立ちます。


事業を創造する環境へ

次は自社サービスを提供しつつ共創事業もお客様と一緒になってやっていく会社に入りました。以前から副業でお世話になっていた会社ですが、副業をメインの仕事にした形です。会社で自己紹介記事をいたのでリンク貼っときます(退職済みですがせっかくなので消さずに残します)

新規事業を作る流れはどんな感じなのか? そこにかかる時間はどのくらいなのか? そもそも1から事業を作るってどれくらい難しいのかなどなど、いろんなことを体験させていただきました。今まではシステムをインフラ視点で考えて作るだけだったのが、作ろうとしているビジネス的にシステムはどうあるべきなのかを考えながらシステムを作る経験ができたのはとても良かったと思います。

また、技術的にもかなり成長したと思います。これまでは主にAWSを使ってシステム構成を考えて作るだけだったのですが、ここにきてからはインフラを考えることに加えて、WebやAPIを実際に1からお客様と相談しながら作ることにも挑戦できました。残念ながらWebについては最後までわからなかったのでその道の猛者にお願いしたのですが、APIはわからないなりにも最終的には必要となるものは全て作り切ることができました。APIがどういう動いているのかがわかって、とても大変でしたが大きなスキルアップにはなりました。

新たなものを作り上げる経験ができて、このまま開発にも手を出して生きていくのかな〜なんて思っていましたが、実際には運用から離れれば離れるほど、システム運用について真剣に考えるようになりました。計測できないものは〇〇できないなんて聞きますが、本当にそうで、システムの状態を把握できていなかったばっかりにインパクトの大きい障害が発生してしまったことも経験しました。なんとか復旧できたものの、この日からは毎日システムの状態を確認するようになりました。毎日見ていると、そのシステムの傾向がわかったり、どういうタイミングでアクセスが集中したりするのかがわかってくるので、変更作業のタイミングや負荷低減施策も実施しやすくなることも経験できて良かったです。

上記をCloudWatchだけでやってたんですが、当時はWebもモバイルもどういう状況かが見られなかったのでモヤっとしていました。そういうことを考えているうちに、あるSaaSの存在を思い出します。


運用について真剣に考えた結果

今はオブザーバビリティをSaaSで提供する会社で働いています。少し前まで私が苦しんでいたことを、日本中至るところで同じような内容で苦しんでいる人たちがたくさんいます。そういう人たちの運用業務を少しでも楽にできればと思って、このSaaSを広めていきたいと思います。


転職するたびに考えていたこと

初回の転職の時からたまたまそうだったんですが、転職って職が転がる(?)ってことなので同じ仕事内容の会社は選ばないようにしていました。転社ってやつですね。仕事内容変わらないなら今のままでええやん、ってのが私の基本的な考えです。どうせ転職するならいろんな経験したいやん? 人生1回しかないわけやし、っていうノリです。

本当はこわいんですよ、やったことない仕事に挑戦するのって。でもそれだとやれることが増えないし、できることを増やすなら環境を変えるのが簡単だと思っていたので、無理やり転職のたびに今までの経験が使えない環境を選ぶようにしていました。今後も仮に転職するとしたら、これまでと同じようにやったことない分野に挑戦したいなとは思いますね。


年収の推移をざっくりまとめてみた

転職で年収は上がって当然!って思われている方にとってはたぶん納得いかないお話です。具体的な数字を書くとアレなので、傾きで想像して読んでください。また、直線で年収が上がっているように見えますが実際はもっと形はガタガタです。

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1回目と2回目の転職の時は未経験での入社だったので、年収は結構下がりました。やや抵抗はありましたが、根拠のない自信で「まあすぐ上がるやろ。というか上げればええんやろ」の精神で受け入れていました。実際にすぐ上がったので結果としてはよかったのですが、今思うとなかなか危ないことしてたなってこのグラフを見ると思いますね。

4社目に入る時は自分が持っているものすべてが役に立つと思って面接に望みました。なので年収が多少下がるのはいいけどできれば上げてもらえへんかなーと思ってたら、たいした交渉なしで年収アップできたので妙に安心したのを覚えています。

でもやっぱり転職する時は年収上げられるよういろんな経験したりスキルを身に着けたりして、私がいるとこんなええことあるんやで!ってのをアピールすべきだなと今では思いますね。


noteで記事を書いてみた感想

デザインを確認しながら記事を書けるのはすごくいいですね。プレビューいらずです。ただ、はてなブログや会社のブログもあって迷いますね。今あるブログは技術的な内容で揃えているので、それ以外の内容はnoteに書いていってみようかなーと思っています(ネタがあればですが)


自分の人生を振り返ってみた感想

こうやって自分の生き方を振り返ると、気づいているようで気づいていないこともたくさんありました。
いろんな人に助けられてきたんやな、とか。
まったく計画的ではないいきあたりばったりの人生やったな、とか。

たぶんこれからもいろんな人に迷惑かけながら生きていくと思うし、計画立ててもその通りにいくことの方が少ないしで、まーこんな感じでいっか!と思ってこれからも自分が信じる道を楽しく進んでいこうと思いました。

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