見届けてきた!高橋真梨子のラストツアー@東京国際フォーラム 2022年2月6日 その1
開演17時きっかりに幕があがり、「ありがとう」からはじまった今回のラストツアー「our Days Last Date tour 2022」
古代ギリシャの神殿をイメージしたようなステージセットが組まれた美しい空間のなか、御大・高橋真梨子を筆頭にヘンリーバンドのメンバーが後方から前方へ歩きすすみ、全員横並びで同等の照明を浴びながらのパフォーマンス。
続く2曲目は「遙かな人へ」。タイトルではピンとこなかったのだが、サビを聞いた瞬間「知ってる!」と心の中で叫んだくらい、かつて大好きだったのをその瞬間まで忘れていた。わたしの馬鹿野郎。
94年の「リレハンメルオリンピック」のNHKのテーマソングとしてTVからサビが流れまくっていたから、わたしと同世代なら耳ダコなはず。この歌は当時以来久しぶりに聞いたのだが、キーを下げることなく、記憶のままの歌声で本当にタイムスリップしたような感覚になり思わず顔面が緩んでしまった。いい歌だね、やっぱり。というかこんなキーの高い歌を今でも歌えるなんてやっぱりすごいと感心もしてしまった。
ここでMC。コロナの影響でライブができなかったこと。全国ツアーは正直しんどいので今回で終了すること。単発ライブは都内のどこかしらでやる可能性はあることなど、今の高橋真梨子の心情がまっすぐな言葉とともに吐露された。
高橋真梨子といえばその出自を忘れてはならないグループ時代。ペドロ&カプリシャス時代の代表曲「ジョニィへの伝言」と「五番街のマリーへ」も良かったが、初めて聴いた「陽かげりの街」が物凄く印象的で良かった。当時流行りのラテン歌謡。おしゃれな当時の雰囲気を持った歌。これ知らなかったわぁ。
高橋真梨子のソロ時代の代表曲「桃色吐息」。本人曰く、当時は好きじゃなかったとか。わかる。こんな色っぽい曲は高橋真梨子にぴったりだけど、高橋真梨子本人っぽくはない。その乖離に苦しんだのだろうか。ましてや曲が最大のヒット曲ともなればなおさら思うところはあるだろう。求める側と与える側の信頼や距離を乖離を考えたんじゃないだろうか。今となっては単なる数あるうちの1曲としてさほど歌っている節はあるけどね。
「ごめんね…」この歌は間違いなく前半のハイライト。「for you」同様に人気の高いバラードだけど、この辺りから高橋真梨子のコンディションが上昇してきたような気がしてきた。喉がものすごく開いているし、調子が上がってきているのがまざまざとわかった。彼女のやや粘っこくも執拗すぎない、伸びやかな歌声が堪能できる名唱だった。
わたしが今回のライブでものすごく印象に残ったのが「OLD TIME JAZZ」という歌。近年の歌なのかなと勝手に思っていたのだが、調べてみると彼女のソロ初期のアルバム「AFTER HOURS」に収録されている古い曲だった。なんなんだこの瑞々しさは!
ジャズアレンジだから年月が経っても古くは感じないんだろうけど、オリジナル録音を聞いても今のアレンジとさほど変わらないくらい当時から完成されていた。
そして今更気付いたわたしが遅いのだが、彼女はジャズもいけるじゃないか!ジャズシンガーとしてのポテンシャルを感じて、ツアーをやめた後はブルーノートやコットンクラブでの単独ライブを大いに期待させてくれるほど、とにかく良いパフォーマンスの一つだった。
ここまでが前半。コロナの影響で換気をしなければならず、そのための10分のインターミッションが挟まることに。
そして後半は、あの曲からスタート。
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