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(改訂版)90年代の音楽を知らないアナタへ その26.5 ALL I WANT FOR CHRISTAS IS YOU(94)/MARIAH CAREY 19th 全米No.1!クリスマスのド定番。これが歴史のはじまり!

(追記)2019年年末。ついにこの曲が全米No.1を獲得!3週連続No.1と記録をのばし、はれて2020年最初のビルボードNo.1ソングとしても記録を樹立。これでマライアは90年代、ゼロ年代、'10年代、'20年代の4年代にそれぞれNo.1ソングを持つアーティストとして唯一無二の存在となりました。マライアにはこれからもさらに記録保持者として頑張ってもらいたいし、まだまだ現役歌手として素晴らしい音楽を届けてもらいたいものですね。

90年代前半、マライアはデビュー以来、約1年のペースでアルバムをリリースしてきており、「MUSIC BOX」が売れに売れている最中であっても当然のように「近いうちにクリスマスアルバムをリリースする」とアナウンスを入れてきた。

知識として知っておいて欲しいのだが、音楽業界には、クリスマスアルバムは、ある程度の知名度と人気を持ち合わせ、売り上げが安定しているベテラン歌手が余力で出すものという通説があった。それでないならば、落ち目の歌手がオリジナルアルバムを作れない代わりに、スタンダードに手を出すというパターン。この企画が持ち込まれた歌手にとっては、ある意味現実を突きつけられているという解釈をするのだという。

そんな定説があるので、マライアがこの絶頂期にクリスマスアルバムを出すということは、前者であろうが後者であろうが、本国ではもうそういう扱いなのかと、びっくりしたのを覚えている。

コロムビアからデビューしてわずか3年強。マライアの「MERRY CHRISTMAS」はご存知の通り大成功をおさめるのだが、まさか2019年の現在においてもその新鮮さと、しつこいくらいに世界中で流されている作品になろうとは誰が予測できただろうか。そんな結果とは反対に、本人は当初は相当乗り気じゃなかったというのもまた面白い。ビジネスパートナーであったトミーモトーラ氏の提案というか、半ばゴリ押しで発表することになるのだが、彼の思惑が大当たりしたというのが結論だ。

マライアはアルバムのために4曲をウォルターアファナシエフと作り収録。リードシングルとして発売したのが「ALL I WANT FOR CHRISTMAS IS YOU」である。

ホリデー気分満載のノリと60年代風のクラシックなニュアンスを持ち合わせたポップス。サンタと恋人をシンクロさせたシャレの効いた歌詞であり、マライアの若さと勢いが詰まった歌唱もよく、聞いていて本当に気持ちがいい歌である。とくに当時の流行に固執して取り入れなかったことが古くささを感じさせずいつ聞いてもノスタルジーに浸れるところが、老若男女すべてに長きにわたって親しまれている所以だろう。

以後、数々のアーティストにカバーされているが、やっぱりオリジナルに勝るものはない。マライアのこの曲が登場するまでは、クリスマスの定番といえばワムの「ラストクリスマス」が独壇場だったが、「ALL I WANT FOR CHRISTMAS IS YOU」の登場は、歴史の山が動いた瞬間だった。

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