見出し画像

歌謡曲レコード 番外編!「THE COVERS 中森明菜ナイト!」を見て思うこと、あれこれ

先日BSで放映された「THE COVERS」で「中森明菜ナイト!」という二丁目のりのタイトルがついた特集番組を見た。

司会はリリーフランキーと水原希子。歌のカバーゲストには森崎ウィン、中島美嘉、そして無類の明菜ファンとして知られるミッツ・マングローブ率いる星屑スキャットという、どういう巡り合わせのキャスティングなのかわからないが、そんなメンツでなかなか特異な内容が繰り広げられた。

中森明菜(以下、明菜ちゃん)は伝説になるにはまだまだ早い。現在は主だった活動をしていないことがよりいっそうの神格化をさせているのだろうし、彼女を知らない世代がSNSやYoutubeで見つけたことによって神秘性がましたのだろう。なんとも不思議な現象であり、今の時代ならではの事象であろうことがじつに興味深い。

メディアに出まくっていた頃の彼女の立ち位置は、大スターのメジャー歌手の一人というものであった。90年代になれば、むしろどちらかといえば、過去にスターだった人、というようなイメージもついていたように思う。

全盛期は誰が何と言おうと80年代。才能に溢れてキラキラしていた、敵なしだった明菜ちゃんを若い世代が「発見した」のである。

この10年ほどは、明らかに明菜ちゃんを取り巻く環境が変わってきていた。マツコやミッツがメディアで明菜愛を語れば、新旧のファンがそれに同調し、過去のパフォーマンスがYoutubeで拡散され、ベスト盤や映像コレクションが次々とリリースされ、しっかりと実績として成功を遂げているのである。

話を「THE COVERS」に戻す。番組には明菜ちゃんを語る上で頼もしさしかないミッツがいて、司会のふたり以上の存在感だった。事実、思い入れたっぷりなミッツがほぼ場を回していたのがよかった。まだまだ語り足りないのか、次々に明菜ちゃんに対する言葉や解釈が溢れて、わかっているファンとしては「うん、うん」「そうそう」とニヤニヤしながら見られた内容であった。やっぱりこういう一人の特集には、引くくらい思い入れがある人に出て欲しいという好例だった。

森崎ウィンは「セカンドラブ」 中島美嘉は「難破船」 星屑スキャットは「TATTOO」をそれぞれカバー披露した。

どれもが素晴らしい歌唱で、この番組は、お世辞なしに「神回」だったような気がする。30分足らずで明菜ちゃんを語り尽くすことなんて不可能なのだが、良質なカバーがエビデンスとなり、歌手・中森明菜がどんなに素敵だったかというのが、かえってリアルに伝わったのではないだろうか。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?