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新たな教育大綱を策定しました【芦屋市|教育改革】

新しい教育の形。「ちょうどの学び」を芦屋市から

教育委員会の皆さまのご同意をいただき、芦屋市の教育大綱を新たに策定しました。詳細はこちらをご覧ください[概要版本文]。

総合教育会議で教育委員会の皆さまに同意いただきました

私が市長として最もこだわりたいと考えている分野の1つが「教育」です。

教育は未来を創る仕事です。「人」が大切な住宅都市・芦屋だからこそ、公立小中学校の教育の質にこだわります。


■ 一人ひとりの学びへの意欲を上げるために、まずは当事者と対話

教育で最も大切なこととは何か。

それは、一人ひとりの学びに対するモチベーションを上げることだと考えています。

だからこそ、教育についての未来像を創る上でも、市役所で紙と向き合うのではなく、今を生きる未来世代が何を考え、何に挑んでいるのかを少しでも理解しなければならないと考えました。

そこで5月の市長就任以来、機会を創り出し、未来世代との対話を重ねてきました。

5月には、市内在住の高校生のグループ・あしや部との対話。インクルーシブ教育からはじまり、不登校、まちづくりの話題など、2時間みっちりと議論しました。

6月には、市内すべての小学校の運動会を視察。小学生や保護者の方、先生方の声を聴きました。前日は大雨。早朝から運動会の準備をしてくださった先生方にも感謝です。
月末には、不登校の児童生徒が通う「のびのび学級」にも訪問。子どもたちと直接対話し、日々の活動の様子を見せていただきました。「のびのび学級」のある打出教育文化センターは来年4月にリニューアルオープン予定です。

7月には「ちょっと聞かせて。」と題し、すべての市立中学校を訪問。給食を頂き、中学生の率直な声を聴きました。ある中学校では、座談会に40名ほどの応募があったそう。校則の話から授業の話……とても盛り上がりました。生徒のみんなの今後の取り組みに期待です。

そして8,9月には、こども家庭・保健センターで「自分が過ごしたい場所を考える」をテーマに、中高生約50名とのワークショップを実施しました。中高生が自由に過ごせる場所を、自分たちでつくるための意見交換です。10月の頭に最終回を実施予定です。

児童生徒、保護者、そして学校の先生。直接伺ったあなたの声こそが、新たな芦屋市の教育を創る上での何よりの拠り所です。声を届けてくださった皆さま、本当にありがとうございました。


■ 市民が未来を切り拓いてきた芦屋だからこそ、目指せる市民像がある

さて、本題の芦屋の新しい教育の形の話に移ります。

芦屋市ではこれから、「自分と自分たちの未来を探究し創造する市民」の育つ環境づくりを進め、一人ひとりにあった「ちょうどの学び」を目指します。

メッセージは、“Ask What We Can Create for Ourselves, Ashiya, and the Globe.”

このメッセージは、1961年の米国・ケネディ元大統領の“Ask what you can do for your country.” という言葉を引いています。直訳すれば、「この国のためにあなたが何をできるかを問いましょう」。ケネディ大統領の演説は、社会の大きな変化の中で、国⺠一人ひとりが主役となって、自らの未来を切り拓ける国⺠になることを求めたものでした。

ケネディ元大統領は、私の大学の先輩です。

しかし芦屋市では、自らの未来を切り拓くことの重要性を、この10年以上前から認識していました。1951年に、私たち芦屋市⺠は、住⺠投票によって芦屋市を国際文化住宅都市に指定する道を選び取りました。この決断は「住宅都市として最高級の街づくり」を目指そうという市⺠の意思が現れたものです。70年以上前、芦屋市民が芦屋市の未来を考え、そして行動に移したからこそ、芦屋市は日本で唯一の国際文化住宅都市として、いまなお素晴らしいまちであり続けています。

その後、1964年には市⺠憲章を制定しました。富田砕花氏ら起草委員会が市⺠憲章を大綱的に示したのは、市⺠の皆さまの創造的で主体的なアクションを期待してのものだと言われています。

今こそ、芦屋市の原点に立ち返り、「自分自身と自分たちの未来を探究し創造する市民」が育つ芦屋市の教育を実現したい。

もちろん、芦屋市のまちづくりに主体的に関わる市民を育てたい。ただ、まずは「自分自身の未来を切り拓く」ことができる市民を育てたい。

だからこそ敢えて”Ourselves”を加えて、“Ask What We Can Create for Ourselves, Ashiya, and the Globe.”というメッセージを発します。一人ひとりが自分の人生にリーダーシップを持ち、そして芦屋の、地球の未来を切り拓くリーダーになることを目指します。


■ 「自分自身と自分たちの未来を探究し創造する市民」とは?

大きな変化に直面する社会でウェルビーイングに生きるためには、一人ひとりが未来を切り拓く力を育む必要があります。未来を切り拓く力とは、自分がどうありたいか、社会がどうあるべきかを描き、その実現に向かう力を指します。

このような力は、探究と創造の積み重ねによって育まれます。探究とは、自分で問題を発見し試行錯誤を重ね深めることであり、創造とは、その問題に関して自分なりの価値を創り出すことです。変化が激しく先行きが不透明な社会だからこそ、探究と創造の積み重ねが不可欠です。

芦屋市は、国際文化住宅都市の担い手として、自分と自分たち、芦屋、日本、そして地球の未来を切り拓ける市民が育ち続ける環境づくりを目指します。


■ 目指すのは「ちょうどの学び」

こうした理想を実現するため、芦屋市ではすべての児童生徒にとっての「ちょうどの学び」を提供します。さらに、「ちょうどの学び」を実現する教育現場の環境づくりに取り組みます。

探究と創造を積み重ねるには、一人ひとりの個性や特性、興味関心、理解度等を踏まえた、公正で最適な「ちょうどの学び」の環境が必要です。児童生徒が画一的に与えられた内容を受動的に学ぶのではなく、「なぜ学ぶのか」を自分なりに納得した上で自発的・自律的に学べる環境づくりを進めます。

このような「ちょうどの学び」を支えるためには、今以上に教師が児童生徒に向き合い、目指す未来に向けて伴走することが必要です。そのために、事務負担の軽減や専門性向上のためのサポートの充実等を通じて、プロフェッショナルとしての誇りと実力を持ち仕事ができる環境を創ります。

また市民は、地域の一員として「ちょうどの学び」を支えると同時に、自らも生涯「学び」続ける存在です。よりよい芦屋を共創する同志として、まちづくりの主役を担える市民が育ち続ける芦屋をめざします。

以上の3点を軸に、一人ひとりにあった「ちょうどの学び」を児童生徒・教師・市民の三者が一体となって目指せるよう、市役所が先頭に立って取り組みます。

■ 「ちょうどの学び」を実現する具体策

具体的にどのような方法で「ちょうどの学び」を目指すのか。児童生徒・教師・市民の3つに分けて詳しく説明します。

児童生徒にとっての「ちょうどの学び」

  • 【個別最適化】教師の伴走とAI・ICT教育支援ツールの活用により、個性特性や興味関心・理解度等に応じて公正に個別最適化された「ちょうどの学習内容・学び方」を実現します。

  • 【対話・協働・インクルーシブ】異なる個性や特性・背景を持つ仲間と対話し、協働的に学び合う環境を創ります。

  • 【探究・STEAMS】自らへの問いから始まる探究学習・STEAMS教育で学びへの意欲を引き出します。

  • 【主体性】自ら学びをデザインすることで、「なぜ学ぶのか」に対する納得解を得られるような環境を創ります。校則改正をはじめ、自分たちの社会を自分たちで良くする成功体験を支援します。

  • 【国際教養力】国際文化住宅都市を担う市民に必須の言語力・文化力・情報リテラシー力を向上できる環境を創ります。

  • 【誰ひとり取り残さない】不登校や学習障がい・発達障がい等の学びづらさを抱えた児童生徒に寄り添います。

教師にとっての「ちょうどの学び」

  • 【児童生徒により向き合える環境】児童生徒により向き合える環境を創るため、部活動指導の地域移行や外部人材・ICT教育支援ツール等の活用によって事務作業負担を整理・軽減します。

  • 【主体性・専門性】プロとしての実力・専門性向上のための主体的な探究・創造を支援します。

市民にとっての「ちょうどの学び」

  • 【地域と学校の共創】学校運営協議会を基盤とし、各地域でスポーツ文化活動・生涯学習が充実できる環境を創ります。

  • 【市民が主役の芦屋づくり】芦屋の歴史文化や市民の経験を次世代に継承し、よりよい芦屋に向けて対話する世代を超えた場・機会を設け、「探究」と「創造」を実践します。


■ 何よりも重要なのは、子どもたちの可能性を信じ切ること

以上のような教育大綱のビジョンを達成するには、長い時間がかかるでしょう。しかし、大きい理想を掲げ、それに向かって走り始めなければ、変化は決して起こりません。

私は5月から未来世代の皆さまと対話を重ねてきました。そしてそこで改めて気づいたのが、芦屋の子どもたちの可能性の素晴らしさです。

芦屋の子どもたちと一緒であれば、世界一の公教育を一緒に創り上げることができます。私は本気です。

だからこそ、まずは市役所が誰よりも子どもたちの可能性を信じることから始めます。そして、教育委員会の皆さまとともに、私も先頭に立って全力で走り始めます。

未来世代の子どもたちはもちろん、教師や保護者、市民の皆さまの声も聴きながら、世界一の公教育を目指します。

これからの芦屋の公教育に、どうぞご期待ください。

*教育大綱の詳細はこちらをご覧ください[概要版本文]。

■東京大学公共政策大学院と連携協定を締結しました

こうした芦屋の教育改革をさらに進めるため、2023年9月1日に芦屋市・芦屋市教育委員会は東京大学大学院公共政策学連携協定部(公共政策大学院)との連携協定を締結しました。本日9月13日、東京大学から鈴木寛教授にお越しいただき、内容についての記者会見を行いました。

鈴木寛教授に芦屋市までお越しいただき、協働について発表しました

連携協定の具体的な協働は、まずは教育から。
教育の専門家の知見を取り入れることで、ここ芦屋市の教育改革を実現していく大きな力となることを期待しています。元文部科学副大臣で東京大学教授の鈴木寛先生にも全面協力していただくなど、日本トップレベルの布陣を敷いて芦屋市の教育改革を実行します。

本日の記者会見では、鈴木先生から「芦屋の教育大綱は時代を先取りしている」と東京大学としての連携協定の意義、芦屋の教育への期待をお話いただきました。

新しい学習指導要領が、小学校は2020年度から、中学校は2021年度から始まっています。また、本年6月には国の新たな教育振興基本計画が閣議決定されました。生成AIの誕生をはじめ、教育に求められる内容も変わりつつあるいま、世界の教育は大きな転換点にあります。 芦屋の教育課題を解くことは、日本、そして世界の教育課題を解くこと。
芦屋市が先頭に立って、新たな時代の教育を切り拓いていきます。


■ ぜひふるさと納税で応援してください!

芦屋で起こる公教育の改革は、必ず日本全国に広がります。
そのためにもここ芦屋市で全力で公教育の改革に取り組みます。

日本の教育改革に期待するあなた、まずはぜひ芦屋を応援してください。まずは芦屋に、あなたの想いを託してください。
ここ芦屋で生まれた「ちょうどの学び」への教育改革の灯は、やがて日本の未来を明るく照らします。

ふるさと納税を通じて、芦屋教育振興基金へのご支援をどうぞよろしくお願いいたします。

https://www.city.ashiya.lg.jp/gakkoukyouiku/suisinsitu/suisinsitu.html

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