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《芦屋の防災》を市民のみなさまと考えて

こんにちは、高島りょうすけです。

みなさまに決意を語った記者会見から早4か月。
気付けば葉桜が美しい季節となっていますが、きょうも高島は走り続けています。

4月1日の土曜日。芦屋市で行われた防災についての市民イベントにお招きいただき、市民のみなさまと「私たちが日頃からできる防災」について一緒に考えてまいりました。
会場には幅広い世代から50人以上の市民の方々がお集まりで、イスが足りなくなるほどの大盛況でした。

会場の様子

【芦屋にも津波が来ない可能性はない】

最初のプログラムは、甲南高校・中学校校長の山内守明先生からのご講演でした。
山内先生はこれまで芦屋警察署など各所で、地震についてのご講演をなされてきた経験をお持ちでいらっしゃいます。
甲南高校・中学校では28年前の阪神・淡路大震災で2人の生徒が亡くなったそうです。そうした悲劇を再び生まないために、先生が繰り返されたのが、「日頃の備えの大切さ」という言葉でした。

山内先生のご講演

山内先生からは、海洋研究についての豊富な知識を交えた「南海トラフ巨大地震」が起きた際に命を守るための備えについて具体的にお話を伺いました。
この「南海トラフ地震」は『30年以内に起こる可能性が高い』と言われているもので、その大きさは東日本大震災と同じマグニチュード9クラスとも想定されています。

阪神・淡路大震災から28年あまり。あの震災の揺れの大きさは尋常ならざるものでしたが、その長さは他の大地震と比較すると短かったと言われています。そのため、芦屋市に住まわれている多くの方も3分以上も揺れ続ける長く続く地震というものを体験したことはないかと思います。

しかし、山内先生によれば、南海トラフ地震では、芦屋市を襲う最大震度5強~6弱の揺れが3~4分にわたって続く可能性があるそうです。さらに、その揺れの約2時間後には芦屋市内に最大で5メートルの津波が押し寄せる可能性があるとの国の調査も指摘されていました。

そして、そんな南海トラフ地震のシミュレーション映像がその場で上映されました。その映像の凄まじさたるや、これを見た市民のみなさまから思わず「芦屋がなくなってしまうんじゃないか」といった感想が漏れてきていました。

実際のシミュレーション映像の様子

そんな恐ろしい南海トラフ地震ですが、山内先生は続けて以下のようにおっしゃっていました。

「知識と備えがあれば、落ち着いて行動できる。そのためには芦屋市のハザードマップなどをみて、避難場所などを事前に家族と決めておいたほうがいい。」

その言葉に、会場にいたみなさまが、メモを取ったり、幾度もうなずいたり……。
そんなみなさまのお顔を拝見しながらも、もはや地震と津波は日本中どこにいても想定しておかなければいけないものなんだ、と私自身も改めて感じました。

【市民の皆さまを交えた議論】

その後行われたイベント第2部では、私も壇上に上がり、大阪市をはじめ多くの自治体で「地域防災計画」の作成に関わってきた金井文宏教授も交えて、みなさまとともに日頃の備えについて議論しました。

その金井先生が携わられてきた「地区防災計画」ですが、これについてみなさまはご存知でしょうか。
この質問、実際に会場で尋ねてみたところ、すでにご存じの方は少ないようでした。

実はこの「地区防災計画」は近年各地域で作成され始めたものなんです。この計画は、自治体主導で作られる「地域防災計画」とは異なり、地域の方々主導で作られるものです。その中で、より具体的かつ細かく、住んでいる地区の中での防災の動きが明文化されています。つまり、地域に住む方々が主体的に動いて、災害の被害を防ぐ、そういう体制が作られつつある、ということなのです。

さらには、議論の中で参加者のみなさまから挙がった意見・情報には以下のようなものがありました。

市内の一部の自治会では、
高層住宅への垂直避難(高いところに逃げる避難)を促すため、近所の一戸建てのお家と連携したり、
地域住民の方々が楽しんで参加できるような避難訓練を実施したり、
自治会のリーダーたちに防災用のトランシーバーを配って非常時に連携できる仕組み作りをしたりしています。
そんな地域コミュニティに根付いた防災システムは、町内会レベルだけではなく、芦屋市内、そして関西・日本全体へとどんどん広げていってほしい。

このご意見には、会場から自然と拍手が巻き起こりました。
その瞬間、みなさまが理想とされる防災への取り組みが明らかになったような気がしました。

災害は「自助・公助・共助」が大事だと言われます。
その中で、住民1人1人の小さな行動から、日々の防災意識を高めることができるんだ、と改めて実感しました。
これからもこうした防災への取り組みを市民のみなさまと一緒になってどんどん広げていきたいと強く感じました。

いつ、どこで起こるか分からないのが、地震や津波などの自然災害です。
事前の予測ができないからこそ、常日頃から地域に住む1人1人、町内会ごと、そして自治体行政が連携していくことが大切です。

そんな防災への取り組みもまた『住みやすい芦屋をみんなで作っていく』ことにつながっていくと考えて、きょうも高島は全力で駆け抜けます!!


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