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美意識の磨き方

先日、経営コンサルタントの山口周氏の著書「世界のエリートはなぜ美意識を鍛えるのか」について考察し「新規事業アイディアは美意識に基づいたひらめきから生まれる。組織にはそのひらめきを殺さない仕組みが必要」ということについて書きました。

それでは個人がひらめきを生むための美意識を磨くにはどうすればいいのか?
これについて本書のスピンオフ企画として、NewsPicks主催のWEEKLY OCHIAI「なぜビジネスパーソンにアートが必要なのか?」にて議論されています。

美意識の磨き方について

落合氏は「見たもの、好きなものを言語化することによって具体化と抽象化を行き来すること」、山口氏は「アート、音楽、建築などに数多く触れ心に響くものを探す」と述べています。
言い換えれば美意識を磨くとは「自分の中で評価軸、判断軸=リテラシーを作る」ことだと言えます。
山口氏は「多くの日本人は好きなアートは説明できないが、好きなラーメンは説明できる。なぜならアートへの接点は少ないが、ラーメンは日常的に数多く食べることで判断軸ができているからだ」と述べていました。

確かに自分を振り返ってみると、数多く触れるものや好きなものであれば、解像度高く特徴を言語化し、判断軸を持っています。
例えば、私はワインに関してはあまり詳しくないので、「しっかりした白ワインが好き」くらいの漠然とした好みしかありません。きっと、ワイン好きの方はより解像度の高い言葉で好みを表現できるのでしょう。

一方、クラフトビールは非常に好きなので「アメリカンタイプのIPA。なかでもカスケードホップなどシトラス系のホップ香がインパクトを持ちながらも後味が苦すぎないビール。ドライホッピングすることにより苦味を抑えながら香りを引き出す製法が好み」など、興味のない人からしたら意味のわからない好みがあります。

このようなある種、オタクに近いようなこだわりや繰り返しから美意識/リテラシーが構築され、ひいてはひらめきが生まれるのかもしれません。
これまでに会った上司を振り返ってみても、
「新卒育成を何年間も行った結果、将来的に成長するのが誰かほぼ100%わかる。そしてそれは必ずしも入社時点の能力に依存しない。」
「膨大な数の起業家・スタートアップに会った結果、伸びるスタートアップとダメなスタートアップはおおよそパターン認識できる。」と言っている人がいました。
このような大量のインプットによるパターン認識は、言語化を超えた領域にあるように思います。

「わかるというのは分けられるということだ」「一流の人間はかすかな違いがわかる」などと言われますが、自分の中に高解像度の判断軸が設定できているということはここにも共通しているのではないでしょうか。

数多く触れ、言語化し、アウトプットする。これにより自分の中に軸を持つ。さらにその先には、言語化できないパターン認識も存在する。それが山口氏の言う美意識なのかと思います。

話はかわりますが、
Googleの開発したアルファ碁の打つ手は、トッププロ棋士も理解できず、なぜかわからないがめちゃくちゃ強いという話があります。

これも言語化出来ないパターン認識の一例であり、すでに人間よりも人工知能の方が優れている分野です。それならば人工知能も美意識を持つことが可能になるのか。

次回はその辺りについて考察してみようと思います。

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