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シャッター寿命を把握する

自分の周りでも、稀に撮影中にシャッターが切れなくなって撮影を継続できなくなってしまうカメコがときどき発生するので今回はシャッター寿命の話について書こうと思う。


なぜシャッター寿命を把握する必要があるのか

答え:重要な撮影中にシャッターユニットが破損して撮影を継続できなくなると困るから
自分の体感ではシャッターユニットの寿命や自分のショット数を把握しないでカメラを使っているカメコは結構多い。我々カメコは他の用途でカメラを使っている人たちよりも多い枚数を連写で撮影してシャッターユニットを酷使する撮影ジャンルだし、最近の機材はAF性能の進化でより長時間シャッターを切り続けることができるようになったせいでシャッターユニットの消耗ペースが年々速くなっていることも昔よりも短期間でシャッター寿命を迎える機材が多いことの一因なのだろう。

シャッター破損事例

自分の機材ではないが、このショット数のEOS Kiss Mは夏場の撮影中に熱暴走(?)でエラーが出てしまって、エラーの原因調査のためにショット数を調べてその後騙し騙し撮影を継続していたようだが、最終的にほどなくして完全にシャッターが切れなくなってしまったので、夏場にエラーが出てカメラが止まってしまったのも熱暴走ではなくシャッター関連のエラーなのかもしれないが今となってはよくわからない。

シャッターユニット破損の弊害

シャッターユニットが破損すると主にこのような弊害が起きる。

  1. シャッターユニットが壊れた回の撮影を棒に振ることになる

  2. カメラを修理に出している期間、予定外に自分のカメラが使えなくなるので撮影を諦めたり、レンタルでボディを借りてくる必要があってシャッターユニット交換の費用以外にレンタル代が必要になったりと余計な出費が嵩んだりと不便。年末年始や長期休みを挟むと納期が変わってしまうと思うが、シャッターユニット交換などの修理に出すと2週間くらいはカメラを預けることになる。

対策

対策はシンプルだ。

,自分の使っているカメラのシャッター寿命を知っておく(機種によって何万回撮れるかは異なる)

,現在のカメラのシャッター使用回数(ショット数)を把握する

,自分の1現場での撮影枚数を把握する
自分の1現場での撮影枚数を把握しておくことで絶対に撮りたい現場までにシャッター寿命を迎える可能性が高い場合は計画的に修理に出すことを検討できる。

,無駄に連写しすぎない
無駄に連写まくってショット数が嵩まないようにすることも大事だ。

,シーンによって電子シャッターを使い分ける
これに関してはまだ機種によっては問題もあるが、光線条件が良いなど特定の条件下では電子シャッターでも画質差が出にくいシーンもあるのでそのようなシーンではメカシャッターを使わずに電子シャッターを使用することでメカシャッターの摩耗を減らすことはできるが、野外の自然光などせっかくの光線条件が良いシーンで電子シャッターを使ってダイナミックレンジを低下させるのももったいないので、どのようなシーンで電子シャッターを使用すべきかは悩ましいところだ。

,ショット数が寿命を超えたら壊れる前に計画的に修理に出す
重要なワンマンライブなど、絶対に外したくない撮影現場のスケジュールを考慮に入れて計画的に修理(シャッターユニット交換)に出すことで最小限のロスで修理に出すことができる

シャッター寿命

エントリー機はシャッターの寿命が公表されていないモデルも多いが、ミドルクラス以上の機種はシャッター寿命が公表されている。
後述するが、ショット数を調べるソフトでショット数を確認すると定格のシャッター寿命の何%を消費しているかが出てくるが、シャッターの耐久回数が公表されていないはずのEOS Kiss Mなども%表示が出るのでそれを参考に100%を超えたらシャッター交換に出すのが機材トラブル回避の観点ではいいだろう。

R6 mk2
R3

方法

シャッター寿命を知る方法は色々あるが、あまり不確実なことは書けないので自分が知っている範囲でCanon機でのショット数を調べる話を書こうと思う。

ソフトウェアを使用する

Mac用のShutterCountというソフトウェアでショット数を確認している。

自分は1DX2もR3もボディ内からシャッターのカウント数を確認できるので普段使用していないが、他人からショット数の解析を依頼されたときや現場で機材トラブルが起きた時の原因精査のときは(自分はショット数管理しててメカトラブルはまず起きないので他人の機材だがw)このソフトウェアを使用している。

ボディから確認する(ごく一部の機種)

ごく一部の機種(EOS-1DX系など)ではボディ内でショット数を見ることができる。

EOS R3は電子シャッターでどのシーンでも撮影できるのでメカシャッターは使用しておらずショット数がすごく少ない

Canonのセンサークリーニングに出す

1回5500円くらいかかるが、センサークリーニングでCanonに預けると報告書にショット数の報告が付いてくる。

特に一眼レフの場合はセンサーにグリス類の飛散が多いので5万ショットに1度くらいはセンサークリーニングに出しておいたほうがよい。

まとめ

1点AFで撮影していた一眼レフの時代に比べて、ミラーレスが主流になった現在ではCMOSセンサーのほぼ全域での瞳認識AFで効率よく顔面を追従して撮影することができるようになったことで測距点の変更というロスタイムがなくひたすら撮影し続けることが可能になったことや、記録メディアの進歩でバッファ詰まりを起こしにくくなったことで昔よりもシャッターボタンを押し続けることができるようになってしまった一方で、まだ現在販売されている全ての機種で電子シャッターを常用することができるわけでもない電子シャッター過渡期なので一概にどっちだけに統一することはできない状況だとは思う。

最近登場して「色んな意味で」話題になっているPanasonicのLUMIX S9はメカシャッターレスにすることで本体の小型化やコストカットに成功しているし、今後メカシャッターレスの機材はミドルクラスでも増えてくると思う。

S9の場合は小型化のために非積層センサーでの電子シャッターなので動きモノを快適に撮るための積層センサーを使用した電子シャッターとは意味合いが違う感じもするが、部品点数を削減してコストカットするためにもメカシャッターレスは今後のトレンドになるのではないかと思う。

執筆時梅雨なのでこっちも見てね


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