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白内障入院顛末記

 半年ほど前から左目の視力が急激に下がり、視野に白い靄がかかったようになりました。日常生活に支障が出始めたので、漸く意を決して眼科へ赴き、一日も早く手術をということで本日日帰り入院の手術を受けてきました。

 春先に最初に訪れた眼科クリニックでの診断は白内障で、水晶体再建手術をするのですが、事前の説明では水晶体の袋に穴を開け、白い靄の正体である老廃物を吸引し、そこに眼内レンズを挿入するという手順で、早ければ15分から20分で終わるという極めて成功率の高い手術とのことでした。ただ手術希望者が半年先まで埋まっており、そうすると症状がかなり進行してしまうから、出来たら大きな総合病院で早目に手術して貰った方が良いということになり、紹介状を書いて頂き翌日にはその紹介状を持参して隣の駅の総合病院へ。

 様々な検査をして、早急に手術をすべしということになり、手術に向けて具体的に色々準備が進みました。これが3月末のこと。そして6月17日に日帰り入院で手術をするということが決まりました。術前には手術の術式について眼球模型を使って細かい解説をして頂きました。上手く進めば30分以内に手術が終わるそうなので、心配はしていなかったのですが、最悪のケースもあるということで、起こり得るトラブルや、その際の対処方法についてもレクチャーして頂きました。

 入院当日は朝一番で病院に行き、先ずは眼科外来で最終チェック。診察の終わりに先生がニコっと笑って「では午後に手術室でお逢いしましょう」と仰ったので相当気が楽になりました。その後は病棟へ行って入院手続きをし、担当看護師さんや、薬剤師さんが入れ代わり立ち代わりベッドまで来てくれて色々な打ち合わせをします。手術は午後1時半頃からだそうで、それまではベッドでゴロゴロしたり、点滴の為の針を刺しに来たり、12時には早くも病院食初体験の昼食が出されました。カレイのみぞれ煮、菜の花のおひたし、味噌汁、漬物、ご飯と言った和食で、思っていたほど薄味ではなかったです。美味しく全部平らげて必要書類にサインして待っていると、看護師さんが車椅子を押して迎えに来ます。手術着に着替えて車いすに座りますが、この時点で既に点滴が繋がっており、本格的な手術の様相を呈し始めました。運ばれた先は中央手術室。この辺はもうドラマでしか見たことのない世界です。そしてここからは皆プロの仕事が淡々と続いていきます。

 病棟の担当看護師さんから、手術のアシストをする看護師さんに患者情報の申し送りがあり、その後手術室に押されて入場。これが外科手術なら、患者は恐らく全身麻酔で意識がないでしょうが眼科はただ点眼麻酔するだけで、全ての音も先生方の会話も聞こえます。これはとんでもない恐怖でした。更に悪いことに実際に手術が始まると、事前説明で危惧されていた悪いケースだったようで、水晶体の袋が弱く再利用出来ない物で、しかも硝子体の一部が眼球内に落ちてしまっていると言います。

眼内レンズ

その場合、眼内レンズを直に縫い付けるという話で、最悪の場合手術を2度に分けて日を改めて実施するかもしれないと言われていました。結局時間は都合2時間掛かりましたが、落ちた硝子体も何とか拾い上げ、眼内レンズの固定にも成功し、何とか1回の手術で終わらせて頂けました。

 日帰り手術であっても入院が必要と言われ、手術に際しても点滴を受けながら、血圧や心電図のモニターも着けての完全な手術を実施して頂けたのは、総合病院の眼科だったからで、もし最初に赴いた眼科クリニックでの日帰り手術だったらこうは行かなかったと思います。ただ先に述べた通り、眼科手術というのは、外科手術と違って局所麻酔しかしないので、手術中ずっとスタッフの会話が聞こえていますから、如何に成功率が高い手術とはいえ、やはり手術中は若干の恐怖と緊張で、体に変に力が入っていて凄く肩が凝りました。

 夕方に病棟看護師さんに見送って頂き、退院して帰宅しましたが、暫くは感染症を防ぐため消毒必須。3種類の点眼薬を3~4時間置きに点さないといけません。就寝時には金属製の眼帯を装着して、左目を触らないように用心しながらの生活になりそうです。当分は術後のケアに全力集中ですね。また来週外来で診察があります。

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