授業雑感②~片付けられない人たち
授業雑感①(https://note.com/takashi_oyanagi/n/n451d2fbf2120)で書いた通り、現代の教室には教卓周りに色々な危機が設定されています。勿論高校までの教室と同じように、ただ教卓と黒板があるだけの大学もありますが、大学によってはPCや書画カメラなどがセットアップされ、教卓には音声や映像を授業時に使うためのコントロールパネルがビルドインされているところもあります。大教室のマイクも、有線とワイヤレスが複数設定され、教卓にはワイヤレスマイク用の充電器が設置されています。
専任教員はこうした設備導入に対して、何が必要かというようなことを会議で決定したりするのでしょうが、我々非常勤には意見を求められることもなく、設置した物の使い方を紙に書いたものを貰って、只管授業でどう使うかを個々で考えるしかありません。
そのこと自体に文句を言う気はありませんし、無いよりも有る方が選択肢が増えるだけですから、必要と思えるものを授業内容に応じて取捨選択するのみです。ただ、授業に行く度に、気になって仕方ないことがあるのです。
それは私の前にその教室を使った教員が、機器の後片付けをしていない事です。或る大学ではいつもワイヤレスマイクが乱雑に充電器に押し込まれているのですが、入れる方向が間違っているために、ずっと放電状態になっています。ワイヤレスマイクの発信機には「この方向で差し込んで下さい」という意味で、矢印のシールまで張ってあるのにも拘わらずです。
また別の教室では、教卓にビルドインされている機器は使用終了後は,PCも含めてシャットダウンして下さいとの張り紙があるにも拘わらず、いつも電源が入りっ放しになっています。こういう行為は機器の消耗を早めたり、故障を誘発して、同じ教室を使用する他の教員に迷惑をかける遠因となるのではないかと思い、教務課の事務職員に直接話をしたことがあります。その結果教卓上に注意喚起のシールを張って頂いたのですが、後片づけの出来ない教員は現在も毎年絶えることはありません。
大教室で大人数の講義をする先生の中には、未だに出席カードを用いて出欠を採る人もいますが、そのカードは教員控室に100枚ずつ束になってきれいに並べられているのですが、授業から控室に戻ると束から何枚か抜き取って散乱した状態なって散らかっています。出席を取るのが煩わしければ、例えば授業の最後にリアクションペーパーを書かせるとか、毎回短い小テストを実施して回収するとかで、出席を取る手間も省けますし、授業自体の内容も学生の集中を高めることもできます。代返(出席カードの代理提出)も防げますし、こういう工夫をすればもっと授業の実施環境を改善できると思うのですが、そういうことには余り関心のない先生方もいらっしゃるようです。(因みに私は出席カードを使いません)
授業自体の内容にとやかく言うつもりはありませんが、私が一番気になるのは、教室内の機器にしても、出席カードにしても何故使いっ放しで後片付けをしないのかということなのです。こんな言い方は失礼かもしれませんが、大学の専任教員で学会の重鎮とか、優れた研究者の方々なのかもしれませんが、家では脱いだ服も脱ぎっ放しで、食事の後の食器も片付けないようなオジサンなんじゃないかと感じてしまいます。
つい先日も教員控室に行くと、何やら慌ててプリントアウトしていらっしゃる先生がお一人。知らない方でしたが、当然のマナーとして「おはようございます」と挨拶をしましたが「あー」と一言。その先生がプリンターのスイッチも切らず、使いっ放しのまま控室を出て行った後、私は電源をOFFにして、散乱した出席カードを色別に分けて整理してから、自分の教室に向かうのでした。
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