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#2 報酬は創造性を低下させる?

著作家の山口周さんのコラムで読んだ話です。

ちょっと頭をひねらないと解けない問題があります。この問題に早く答えた人に報酬を与えるという条件を付した場合と、早く答えても何の報酬も与えられない場合では、どちらが早く回答できたかという実験をしました。結果は、何の報酬も与えられない方が平均的に回答が早くなったとのこと。とても興味深い結果です。そしてこのような結果は、他の心理学者の実験でも共通してみられるそうです。

山口氏曰く、報酬を約束された被験者は「質の高いものを生み出すために出来るだけ努力しようということではなく、最も少ない努力で最も多くの報酬を得られるために何でもやるようになる。加えて、自分のスキルや知識を高められる様な挑戦や機会を与えてくれる課題ではなく、最も報酬が多くもらえる課題を選ぶようになる」。

「好きこそものの上手なれ」

という言葉があります。たとえお金をもらえなくても、本当に興味があることには人は自ら進んで時間を使います。しかし、そこに金銭や名誉という別要素が入ってきたときに、このインセンティブはその人の行動の質に微妙に歪みをもたらします。

ビジネスの現場においては、成功報酬を与えることによって社員のやる気を出させようという制度が導入されることが多いですが、こと創造的な仕事をする、イノベーションを起こすという観点においては、報酬はあまり役に立たないどころか、逆に足を引っ張ることに繋がっていそうです。マネジメントをするときには気を付けたい点ですね。

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