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003/れいか「OSAKAレイニーブルース」(2023年)

作詩:冬弓ちひろ 作曲:杉本眞人 編曲:猪股義周

前作「貯金の好きな女」から3年ぶりの新曲。
これまではラテン〜ムード系の曲が多かった歌手だが、今回は直球の歌謡ソウル・バラード。
大阪系歌謡のスタンダードになってもいい力のある楽曲だ。

ハチロクのリズムにわかりやすい泣きのメロディ。
重厚なホーンセクション、スライド気味のハモンドオルガン、転がるピアノ、そこに切り込んでくるリードギター。
これはもう完全に大西ユカリの世界です。
というか、絶対に参考にしていると思う。
とは言いつつ、作曲の杉本眞人は宇崎竜童あたりをイメージして書いたのではないかいう気がする。
そして、宇崎は大西に楽曲提供をしている。

れいかは声の艶で聴かせるタイプの歌い手で、大仰なビブラートは使わずに、タイミングとニュアンスの付け方で表現するのが上手い。
つまり、歌謡曲系の王道の歌い手。
そうなると気になるのが、もしこの曲を生バンドで歌った時、バンドに力負けしないかということ。
特に小さな会場だとホンセクはバキバキに鳴るはずだから、繊細なニュアンスはかき消されてしまう。

アレンジはれいかのこれまでの作品の大凡を手がけてきた猪股義周。
前作「貯金の好きな女」でちょっとはっちゃけたので、あえてこれまでの路線に戻すことをせず、新たな路線を思ったのかもしれないが、これはなかなかの冒険だったかもしれない。

歌詞があまりにもありきたりなのだが、スタンダード的な力のある曲というのは概してそういうものなのかもしれない。


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