疾渡丸ノート (02) 船の出発地点 那珂湊の取材について(後)
前編では、那珂湊の歴史的な位置付けや当時の様相(想像)などについて書きました。
後編では、実際に取材に行った際のことを写真日記風に書き留めておきたいと思います。
まず、強烈な逆光写真からですが(笑) これは、昨年の秋に実際に現地へ行った際に撮った夕景です。物語の冒頭に描いた、直視できないくらいに乱反射する陽光という表現は、まさにこれですね。本当に光の渦に巻き込まれるといった感じで、何も見えなくなります。そして、まもなくここを「さぎり丸」が通りかかるわけです(脳内)
「さぎり丸」のちょっと前、空を征く雲の船も、実際にこのとき見た光景です。写真ではちょっと量感が伝わらないのですが・・・まるで船を海底から見ているかのようでした。
冒頭シーンの舞台となった華蔵院さんは、実在の寺院です。創建はなんと応保3年(1163年)と伝わります。この作品当時も存在し、また幕末には天狗党の乱の舞台となったことでも有名です。
この寺院には、境内に山の斜面があり、古くから墓地となっているのですが、そのてっぺんから見下ろした那珂川河口の風景が、物語冒頭を描く際のインスピレーションを与えてくれました。
とても古い墓石が、今でも立ち並んで(一部倒れて)います。
風光明媚な、素晴らしい場所でした。疾渡丸の出発点に選んで正解だったと思います。もちろん、シリーズが続けば、いつかまたここに還ってきます。
近日、ご挨拶や追加取材でまた行くと思いますので、別途レポートします。
ちなみに、那珂川の対岸に見えたリバーサイド(?)ハウス。なんかいい感じですよね。
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