サルでもわかるNISA講座 その21「日本株投信を選定! アクティブ運用編」

先週の日経ヴェリタスに「日本株投資信託2023年運用ランキング ベスト30」が掲載されてたので、このリストの中から候補を抽出。足元のパフォーマンスのいいファンドの中で、長期的に安定的なパフォーマンスを実現している銘柄を選ぶのが狙い。駅伝で言えば、調子を上げている選手の中から過去の大会で実績を挙げている選手を花の第2区に抜擢する感覚かな。

リストに挙げられた30銘柄のうち、まずNISA口座で積み立てできないと話にならないのでそれをチェック。自分が口座を持っているマネックス証券で積み立てできるのはそのうち16銘柄。

その16銘柄のデータをエクセルに落として、5年シャープ・レシオの高い順にソート。上位6銘柄が次の通り。もっと長期のシャープ・レシオを取ることもできるけど、5年から10年に延ばしてその間に大きな下げ相場が入るならドローダウンをチェックするために意味があるけど、その間の相場のトレンドに大きな変化がないなら、運用実績が5年までしかない銘柄もあって銘柄数が絞られるデメリットの方が大きいので5年くらいでいいかな。

データは「信託報酬/3年トータルリターン/5年トータルリターン/3年シャープ・レシオ/5年シャープ・レシオ」。

ニュー配当利回り株オープン
0.990%/21.53%/15.42%/1.93/1.24

大和住銀DC国内株式ファンド
1.045%/21.67%/17.11%/1.76/1.23

DIAM割安日本株ファンド
1.265%/20.54%/16.57%/1.80/1.19

三井住友DSバリュー株ファンド
1.672%/20.66%/16.07%/1.76/1.18

三井住友・配当フォーカスオープン
0.924%/19.70%/14.02%/0.64/1.15

情報エレクトロニクスファンド
1.650%/12.52%/23.23%/0.64/1.15

高配当株ファンドが2銘柄、バリュー株ファンドが2銘柄、テーマ株ファンドが1銘柄で、銘柄名に色をつけていないファンドが1銘柄と面白い結果になったな。

ベスト30の中には高配当株ファンドが数多く入っているけれど、それは超低金利下で高配当株が選好されている昨今のトレンドに沿ったもの。ここ当分そのトレンドは続くだろうけど、「金利のある世界」が到来することは間違いないので、長期的に高配当株のパフォーマンスがいいというのは疑問だろうな。

バリュー株ファンドが2023年好調だったのは、東証が「PBR1倍割れ改善」という異例の要請をしたことの影響はあるんだろうな。割安なものが適性な水準に戻るのを狙うというのがバリュー株投資なんだけど、割安なものってのはそれなりの理由があって、割安に放置されることが少なくないってのが株式市場。なので先に述べたようなテクニカルな要因でパフォーマンスが底上げされているとすれば、それは信用には足らんな。

で、テーマ株投資は嫌いなのでパス。テーマ株ってのは、一般投資家が注目する時にはすでに割高になっていることが多くて、流行りもの的な一過性であることが少なくないから。

そうすると残ったのは1銘柄ということになるけど、実はこの1銘柄はかなり注目に値する。リストアップした16銘柄はNISA口座で積み立て可能な銘柄なんだけど、この1銘柄だけがつみたて投資枠で積み立て可能なんだよね。ほかの銘柄と組み合わせる上で、成長投資枠での選択肢が多い中、つみたて投資枠で積み立て可能ってのはポイント高いな。

それが、大和住銀DC国内株式ファンド。運用は三井住友DSアセットマネジメント。月次レポートをチェックして、「ファンドの特色」とか「組み入れ上位銘柄」を見てもあまり特殊なことはしていない感じ。それでいいんだけどね。アクティブ運用の投信は基本つみたて投資枠でしか積み立てできないんだけど、なぜこの投信だけつみたて投資枠で積み立てできるかはよー分からんけど、それはまあいっか。

そしてここで、インデックス運用で選んだ銘柄との比較になるわけだな。

ニッセイTOPIXインデックスファンド   
0.143%/14.69%/12.75%/1.25/0.92
 
大和住銀DC国内株式ファンド
1.045%/21.67%/17.11%/1.76/1.23

やはりアクティブ運用は手数料高いねえ。この手数料を払うだけの価値があるかだけど、この手数料を払った後で5年間のリターンの差が4%以上あるってのは有意な差だと思ったわけ。

なので結論。自分は、日本株投信は「大和住銀DC国内株式ファンド」を選びます、だな。基本はインデックス運用でいいと思うよ。

(Face Book 2/12/24の投稿を転載)

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