見出し画像

山や旅の記録をとる道具

 スマートフォンのカメラ性能は毎年のように進化する。もはや写真は「スマホのカメラで十分」という人も多いことだろう。

 一方で、その手軽さからどんどん撮影を重ねた結果、どこで、何を撮った写真だか分からなくなることはないだろうか。もしかしたら撮影したらそれっきり、二度と開かない写真もあるかもしれない。

 写真と同じく、山や旅の記録方法も随分と様変わりした。例えば登山なら、山地図アプリでログをとり、写真を添えてSNSに共有するのが、今どきの登山記録の在り方なのかもしれない。

 しかしスマートフォンには電源や通信の問題、故障のリスクがつきまとう。それに道中のちょっとした出来事や目にした草花などの記録、それらに感じたことなどをさっとメモするには、やはり紙のメモ帳とペンの組み合わせにかなうものはないのではないか。

 学校でデジタル教科書が併用できる今、デジタルは紙に比べて記憶に定着しにくいとする研究結果が、国内外で相次いで発表されているという。便利や効率を求めてデジタル化を進めるあまり、旅の思い出がスマートフォン越しの印象しか残っていないなんて、何ともったいないことだろう——。

 液晶画面ではなく、自分のこの目を通して、あるいは五感を総動員して、まずはその土地の素晴らしさを匂い、感じる。そうして感じたことをさっと書き留めるのに、まだまだアナログな筆記具が手放せないのである。

 ぼくはこれまでにさまざまなノートや筆記具を使ってきたが、しばらくは測量野帳とゼブラのボールペンの組み合わせに落ち着きそうだ。

ゼブラのステンレス製ボールペン

 このうち「ゼブラF-xMD」、こちらは日本未発売のモデルだ。わざわざ——というほどの手間ではないが——Amazonで海外から取り寄せた。

 こいつの良いところは、オールステンレス製であるところ。肉厚なステンレス製の本体にローレットが美しく刻まれ、指にしっかりと吸い付き滑らない。安価ながら外観の質感が大変よく、ビジネスシーンにもすんなりと馴染みそう。

 ミルスペックではないものの、ステンレスの強靱なボディは落としたぐらいではびくともしないだろう。何せ『アメリカ海軍SEALのサバイバル・マニュアル|クリント・エマーソン著』で、元SEAL(最強と名高い特殊部隊です)隊員の著者が携帯常備セットにゼブラのステンレスボールペンを推奨しているのだから、説得力がある。替え芯はゼブラの汎用芯「F-0.7芯」が利用できるところもいい。なぜ、日本では未発売なのだろうか。不思議でならないぐらいだ。

記録をとり、一度きりの旅を三度味わう

 こうして測量野帳とペンで録った記録は、最終的に文章にまとめている。

 旅慣れた人から、こんなことを聞いたことはないだろうか。

 「計画、旅、記録と、ひとつの旅を三度味わう」

 旅は計画の段階から既に始まっている。地図を広げて、さてどこを歩こうかと考える時点でもうワクワクする。そして実際に旅をし、そのときの記録を元に、ぼくの場合はノートにまとめたりnoteに旅日記を掲載したりして、もう一度、旅を追体験するのだ。旅日記いを読み返すことで、例え数年前の出来事であっても、その映像がありありと脳裏に上映されるのである。

 こんな楽しいことを、スマートフォンでサクッと片付けてしまうなんて、もったいない。ぜひひと手間をかけて記録をとり、旅の醍醐味を味わってほしいと思う。


この記事が参加している募集

買ってよかったもの

よろしければサポートお願いします。いただいたサポートは私の原動力、そしてクリエイターとしての活動費にあてさせていただきます!