そのCPAP本当に必要ですか？
いびきをかいて熟睡できない人の治療です。Continuous positive air pressure 持続陽圧呼吸の略で、シーパップと呼ばれます。今、多くの人が健康保険適応でレンタルして装着しています。ぐっすり寝られてとても良いのですが、いろいろ問題がありますので、私が最近、診療でであった問題症例を紹介しましょう。
症例１：22歳の看護師さん
隣町の総合病院の看護師さん。子供の頃からいびきが大きく、呼吸器内科の先生に相談しました。検査をして、睡眠時無呼吸と診断、CPAPを処方されました。上の写真のように装着して夜寝ています。22歳の若い女性です。最近、彼氏ができました。とても、こんな器械をつけている寝姿を見せられません。彼氏もムラムラこないでしょう。
「私、扁桃腺が大きいんです。扁桃腺とれば、いびきと無呼吸がとまりませんか？ 彼氏にCPAP姿を見せられません。」
内科の主治医に黙って、耳鼻科に相談にきました。さすが看護師さん、いびきの外科治療をよく知っています。見れば、巨大な扁桃腺、取った方が良いでしょう。
「あなたの言う通り、扁桃腺摘出が一番です。内科の先生はのどを見なかったのですか？」診察もせず、検査だけしてCPAPをつけられたようです。入院して、扁桃腺摘出手術を受けました。術後は、いびきをかかず、熟睡できるようになりました。
嫁入り前の若い娘に、CPAPつけるって、暴挙だと思います。
症例２：結婚したてのトラック運転手
40歳男性、会社から「年に1度の睡眠検査は義務」と言われました。決して太ってはいませんが、学生時代に鍛えたので筋肉質で首も太いです。のどが押されて狭いのでいびきが大きいです。検査で睡眠時無呼吸と診断されて、提携した病院でCPAPが始まりました。
結婚したての奥さんが、耳鼻科に相談にきました。夜「シュポー、シュポー」って器械から息が漏れる音が聞こえて不気味なんです。新婚なのですが、いちゃいちゃする気持ちになれません。
本人は、いびきは大きいけど、しっかり寝ていた感はあったし、なんでCPAP?と思ったようですが、会社の指示で検査、病院の指示で装着になったので、逆らえずに従っていました。人を疑わない良い人です。
トラック協会は、運転中に居眠り事故を防ぐために、運転手全員に、睡眠検査を義務付けて、助成金を出しています。居眠り運転などしたことない人も、該当します。全員です。
もう１度検査をし直しました。彼は横向きに寝る習慣がありました。隣には新婚の妻が寝ていますから。しかし、検査の時は、仰臥位と指定されたので、無理して仰向けで寝て、喉が狭い状態で検査して、無呼吸の診断でした。いつもの自然な寝方で検査しました。結果は、いびきする時間もあるけど、睡眠時無呼吸は否定されました。CPAPを返却するように促しました。
問題は、事業主、CPAPメーカー、病院がぐるになって、CPAPをすすめているからこんなことが起きるのです。上のホームページには、国内の患者は940万人としています。１億人の国民のうち、10%が無呼吸だと推定していますが、多すぎやしませんか？ すでに65万人もの日本国民がCPAPを装着しているのに、まだまだ足りない。本当はもっといるはずだ！と煽ります。チコちゃんに叱られますよ。
CPAP患者は、月に5000円払います。1年では6万円です。結構なお金です。しかしこれでも、健康保険が適応されているのです。3割負担の若い人では、病院に月に1万5000円、年間で18万円もの収入があります。そのうち半分は、メーカーに渡ります。契約料です。
しかもCPAP、１度つけると死ぬまでやめられません。やめると、無呼吸になりますよと言われますから。40歳でつけると、40年払い続けます。ドル箱です。
CPAPの日本における市場規模は、年間200億円と見込まれています。儲かるから、必死になって検査して、どんどん患者を増やしています。どうだかなあ？
若い人、睡眠に不満のない人はCPAPつけなくて良いと思います。扁桃腺大きい人は、毎年6万払うより、１度、手術しちゃったほうが安上がりですよ。
ここだけの話、秘密を暴露
今のCPAPは、携帯電話回線をつかって、毎晩のデータをクラウドセンターに飛ばします。医者は、月に１度、患者を呼んでデータを印刷して説明します。
「今月はよく装着できましたね、ぐっすり寝られたでしょ。でもこの日とこの日はなんでつけなかったの？」
すると新婚の彼は、顔を真っ赤にして言います。
「新婚なもので、つい外して愛し合ってしまいました。」CPAPつけながらでは、ことに及びません。
そうです、医者は、あなたの夜の生活まで把握してしまうのです。次からは、つけない日があっても、多めに見るようにしていますが、こちらとしては、あらぬ妄想が膨らみます。究極の個人情報ですよねえ。若い人にはCPAPいらないでしょ。
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