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ゲーム


机の上に、カードが二枚、ある。

Yと書かれた、赤いカードが、一枚。
Nと書かれた、白いカードが、一枚。

…これは、何のカードだろうか。

「これは、使うもの?」

Yと書かれたカードが、鈍く光った。
…なんだ、これは。

「これは、ただのカード?」

Nと書かれたカードが、鈍く光った。
…なんなんだ、このカードは。

思わずあたりをきょろきょろと…見まわす。

あたりに、人の姿は、ない。

…何に使うカードなんだろうか。

「これは、ゲーム?」

Yと書かれたカードが、鈍く光った。

…なんだ、ゲームか。
ならば、楽しませて、もらおうか。

Yがイエスで、Nがノーだよね、多分。

…確認しておこうか。

「私はおなかが、空いている?」

Nと書かれたカードが、鈍く光った。
…そうだね、私はさっき食事をしたばかりだから、おなかがいっぱいなんだ。

Yがイエスで、Nがノー。

…さて、このカードは、どこまで教えて、くれるのか?

「カードで、未来はわかる?」

Yと書かれたカードが、鈍く光った。

…なるほど、うまく使えば、予知が可能なのか。

「私は、この世界を手に入れることができる?」

Nと書かれたカードが、鈍く光った。

…なんだ、カードの予言の力があっても無理なのか。

百発百中の予言ができるなら…なんとかなりそうなんだけどな。
…私には、そんな大それたこと、できないってことか。

「私は、成功することが、できる?」

Yと書かれたカードが、鈍く光った。

…なんだ、それなりに満足はできるのか。

だったら…世界は別にいらないか。
…規模が大きいと、めんどくさいし。

「このカードを使って、私は成功する?」

Nと書かれたカードが、鈍く光った。

…あれ、カードで無双するんじゃ、ないのか?

普通に生活して…イイ感じに成功するってことだろうか。
…ちょっと待って、もしかして。

「カードには、使用回数に、限りがある?」

Yと書かれたカードが、鈍く光った。

…しまった、質問の無駄撃ちをしてしまったみたいだ。

せっかくの予言カードを、つまらない自分クイズで消費してしまった。
…質問は、慎重に考えないと。

「使用回数は、増やせる?」

Nと書かれたカードが、鈍く光った。

…なんだ、増やせないのか。

ならば…回数分きっちりと楽しむしかない。

…そうか、これはゲームだと言っていた。
ちょっとした時間を潰すための…ゲームに、すぎなかったのか。

…真実を教えてくれる、暇つぶしのための、ゲーム。

二枚のカードが教える…真実を確認する、ゲーム。

…私が、確認した方が良い事を、聞いた方がいいか。

私にはわからない、確認すべき、案件。

・・・。

・・・。

・・・。

「私は、人間に、見えている?」

カードはどちらも、光らない。

…なんだ、もう使用回数がなかったのか。

終わってしまえば…実につまらないゲームだったな。

…時間つぶしには、なったけれど。

私は、足元に置いてあった愛用の鎌を抱え…闇に、身を、包んだ。



こちら動画もございます。

ちなみに、私のお気に入りのゲームはこちらです。
熱く語ったエッセイもありますので、よろしければご覧くださいな。

センスが問われる殺人事件のネーミングにつきまして(*´-`)

https://ncode.syosetu.com/n5819hi/

盛り上がるのはこれかな。
奪い合いで血を見る事も(嘘


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