わたしがnoteで「書かない」こと
先日、ひらやまさんの雑談ラジオで、「noteで書かないテーマってある?」みたいな会話をしました。
わたしの回答は「特定の誰かを傷つけかねない、言葉を選べないものは書かない」というもの。
noteをまじめに書き始めたのは、たしか2019年の5月ごろから。この1年の間、249記事のnoteを書いてきました。テーマはそれぞれ違うんだけど、「書かないテーマ」、「触れない領域」があるんですよね。
この「書かないもの」について、ひとり考えてみようと思います。
①人を傷つけそうなもの
ラジオでもお話しした通り、人を傷つけそうなものは書きません。「コレ、あの人傷つけるやつだ」とか「この属性の人にはイヤな話かも」とか、察知する瞬間があるんですね。
抽象度を高めたり複数の出来事をあわせたり注記を加えたり、工夫によってその可能性を減らせることもあります。しかし、どうしてもテーマ的に難しいものもあって。
そういう時は、どれだけ時間をかけた後でも、書きあげた後でも、「公開しない」と決めています。
すべてを「この人は理解してくれないから」と締め出せば、世界は分断されてしまう。分断された世界では、また別の分断が起こる。
その時犠牲になるのは、あなたの目の前にある小さな命だ。未来だ。
だからわたしは、選ぶのだ。
愛を持って、隣人を支える道を。
過去のnoteより
②フリースクールの、具体的な出来事について
フリースクールの代表というなかなかできない仕事をさせていただいているので、できる限り仕事についてオープンにしていきたいと思っています。「フリースクール運営してます」と言った時に「フリースクールって何ですか?」から始まらないくらいには。
しかし一方で、フリースクールはとても繊細な空間なので、情報発信には細心の注意を払わなければなりません。特に通っている子のプライバシー保護は、なにより優先されるべきことです。
フリースクールを運営していると、日々いろんな出来事があります。良いこともわるいこともあるけれど、そのどれもがわたしにとっては「やりがい」に繋がります。
本当は!しゃべりたい!めちゃくちゃ嬉しかったこと、頑張ったこと、ちょっとした日々のやりとり。そのどれもが愛おしくてたまりません。
でも、具体的なことに寄れば寄るほど、「個人」に焦点が当たりやすくなるんですね。どこまでなら子どもたちのプライバシーを守れるのか、慎重に考えたいし考えなくてはいけない部分なので、自然と「書かない」ことを選ぶシーンが多くなります。
③いまの自分が悩んでいる真っ最中のもの
悩んでいる最中のことを話すのが苦手です。もともと人に話さずひとりで解決するタイプだというのもあるのですが、悩んでいることを書こうとするとどうしても筆が止まってしまいます。
過去悩んだこととか苦手だったことについてなら、いくらでも書けるのにね。
「悔いはひとつもありませんか」と問われると、途端に「そういうわけでは……」と口ごもってしまう。
今日はそんな問いを受けた時にわたしの脳裏に浮かぶ、ちょっぴり苦い思い出の話である。
悩んでいる最中のことについて書けないのは、「関わっている人を推測しやすい」というのもあるかもしれません。たとえば、いま職場の悩みについて書いたら同僚たちはあのトラブルだって気づく、みたいなね。
いつか、いま抱えている悩みを書けたらいいなぁ。「過去のもの」としてでも。
④家族のこと
家族のことについては、ほとんど書いていません。
一度だけ、どうしようもなくなって嗚咽するように、家族について書いたことがあります。
静岡SAを出て、家まではあと100km。
わたしの膝を枕にして眠る愛犬を見ていたらなんだかたまらない気持ちになって、この苦しみを吐露せずにはいられませんでした。
でも、こういう殴り書きじゃなくて、きちんと作品として、
自分が家族というものに対して複雑な感情を持っている…のが主な要因だと思います。だからこれに限っては「書かない」というより「書けない」かも。
書きたくないわけではないので、いつか書く日が来るかもしれません。書けたらいいなぁ。
⑤書きたいと思わないもの
書きたいと思うものだけを、書く。
当たり前なようですが、これを一番大切にしています。
書く経験を積んでいくと、だんだん「これは読まれそうだな」とか「これは一般ウケはしないだろうな」とか分かってくるんですよね。
書く仕事をするうえではそういう勘とか感覚が大切なんですが、noteはあくまで趣味なので「読まれそうかどうか」は完全に除外して考えるようにしています。
どれだけニッチなネタでも「書きたい」と思えば書くし、みんなが書いている定番ネタでも「書きたい」と思わなければ書きません。
「書かない」を決めるから「書きたい」が見つかる
やりたいことを見つけたい時にはまずやらないことを決めるべき、という考えがあります。書くことについてもきっと同じで、まずは「やらない」を決めるのが大切なのではないでしょうか。
今回、自分の「書かない」を見つめなおしてみて、より一層「書きたい」気持ちを大切にできた気がしました。
書きたいものが思い浮かばない人や、書いてみたいけど何を書いたらいいか分からない人は、「書かない領域」を決めてみるのも良いかもしれませんよ。
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