「親が悲しむよ」という表現と、たばこ休憩

①たばこ休憩について

どちらかと言えば嫌煙者だったと思う。カッコつけて大学で煙草をすってる男性は特に好きじゃなかった。

二十歳のときに、海の家でバイトをしていた。

忙しいときは、長蛇の列ができる。人が途切れることがない。何かを買い求め、もしくは酔っぱらって収集の付かないクレームまがいなことを言ってくる。

2人態勢が主だが、忙しくなると、大学生・バイトの私を残して消えていく。喫煙所に10分くらい行ってしまう。

忙しさでイライラして煙草休憩に行ってしまう。忙しいとみんながイライラする。接客するこちらも、お客さんも。

そんな時にバイトの人は勝手に抜けていってしまう。

私は煙草を吸ってなかったし、店から抜ける用事もないので抜けることは出来ない。不公平だ。

それで、煙草を買ってみた。どれがいいとか何もわからなくて、そのときライターも一緒に売ってあったやつを買った。

セブンスターだった。

これで店を抜ける口実が出来た!と思った。吸うのは怖かったので、最初は箱を握りしめて喫煙所で立っていた。5分したくらいで店に戻る。

「どこ行ってたん?」と聞かれ何も言わずに握っている煙草の箱を見せる。

「へ~吸ってたっけ?」などと言われたが、特に怒られることもなかった。

バイトの人が行って、しばらくして私も喫煙所に行く。そういうルーティンが出来た頃には、肺に入れるまではしなくとも、煙草をふかすようになっていた。


それから数年の時が経ち、哀しいかな立派な喫煙者だ。


②「親が悲しむよ」

都内では分煙の勢いがすごい。大阪や地方に行くとそうてもないが、都内では喫煙者の肩身はかなりせまいと感じる。

(都内ではないが)朝からコンビニの前で吸っていた。隣には5,60代の女性が吸っていた。そこに7,80代のおじいさんが私達の前に来て言った。

「煙草は体に悪いよ。若くして死ぬよ」と彼は言った。

隣にいた女性は「早く死にたいんだよ。だから吸ってるんだろ」と言った。

私は何も答えなかった。何というのがベストアンサーか考えていた。

何も言わない私に彼は言った。「あんたはまだ若いでしょ。親が悲しむよ」と言った。

何か反応すべきだと感じたので小さく「あ~そうかもしれないっスね」と言った。

彼はその答えには満足する様子もなく、口を結んでその場から立ち去った。


それから数日後、カフェテリア内で知らない6,70代の男性に声をかけられた。私がパソコンで何をやっているのかを尋ねてきた。

無論、転職活動に向けての情報収集だったりだ。

彼は言った「こんなところにいるような人はみんなバカばかりだし、ろくに社会人もしたことがないんでしょう?親不孝だね」と。

いきなり何故そんなことを言ってくるのか分からなかった。怒ることはないが、気分は悪かった。

「すみません、ちょっと煙草吸ってきますんで」とその場を逃げることにした。

「へえ?おたく煙草も吸うの?親がかわいそうだね。やめてあげないと悲しむよ」と彼は言った。

「親は大事だし、自分が出来る形で大事にしている。親のために生きているんじゃないですよ」と勝手に口が動いていた。そのまま喫煙所に向かった。

その時の煙草はがを落ち着かせたのは言うまでもない。


確かに煙草を吸うのは体に害だろう。

みんな何かしら自分の機嫌を保つ・回復するためのアイテムだったり思考だったりを持っていると思う。それがたまたま私にとっては煙草となり得ただけで、代替用品を見つけられれば別にそれでもかまわないだろう。


ドラマなんかで、ネゴシエーション(交渉)場面で警察とかそういう立場の人が犯人に「田舎親が悲しむぞ」と声をかけているのをよく見た。

まあ、シチュエーションは違えど喫煙という行為に親は悲しむかもしれない。

喫煙によって親が悲しむと思っている人は最初から喫煙しないと思うし、自分の機嫌の取り方がわかっているのは良いことだと思う。

仮にこう言われたらどうだろう。「君がどう考えて喫煙しているのかは知らないが、僕は禁煙もしくは、控えたら嬉しく思うよ」と

・・・・余計なお世話だ!と思うかな(笑)

というわけで、答えは持ち合わせていないので話の終着点はないのだが、、言いたいことはつまるとこ、こうだ。

親の為に、誰かの為に そういうのも大事だし、気が付いた後は大事にする努力をするんじゃないかな。それは、何かきっかけがあって自発的な気付きになると考える。


③「大人」というのは

これはもう半年以上前に下書きで書いていたものでそれを今回改めて読んで追記という形になる。

コロナのご時世で「生活活動の自粛」を求められる。特に休日に。

コロナに今回焦点は当てない。この「自粛」や普段の生活の中で出来た方がいいと感じたことがある。それが「自分の機嫌の取り方」である。

自分の機嫌を取ることができる人が「大人」だ。

赤ちゃんの時、子どもの時、泣けば親があやしてくれた。周りが気を遣ってくれた。

いいじゃないか。煙草で、と思う。

健康的に問題があるかもしれないが、心の健康を保つために必要だと思っているなら、もういいじゃないか。

心の健康は本当に誰も責任を取らないから。


③の後件はこうだ。

大人というのは「止めたいな」と思いながら続けるし、「おれはいつでも止められる」と思っていてできない


だ。


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