見出し画像

父のすごい歴史~6回の結婚歴②~

4人の会ったこともない兄弟姉妹を探す。計算すると私より遥かに年上だった。困ったことに4人の内3人が関東圏では無かった。まずは1人、新宿区の住所が記載されていた。そこに住んでいるかも全く分からないが、仕事を終えたその足で、その家を訪ねた。かなり緊張した。

もし関連者が住んでいた場合、経緯をどの様に話したら良いのかも頭をまとめるのに時間がかかった。

少し古めのマンションの1室だった。呼鈴を鳴らす。明かりは付いているのに、知らない訪問者に誰も出てくれない。ドア越しに父の苗字でもある自分の苗字を名乗ってみるが出てきてくれない。

画像1


あきらめて帰ろうと背中を向けたら、警戒しながらそっとドアを開けて女性がこちらをみた。遠目に私の姿を確認し、手招いてくれた。

「あ、どうぞ、お入りください。」

今回のターゲットは息子だったので、この方は奥さんだろうかと想像した。突然の訪問をお詫びした上、玄関先で経緯を説明した。

事は理解してくれた様だったが、女性は、

「実は数年前に彼とは別れてしまってもう連絡もとっていないんです。当時アルコールが好きで心配な状況だったのですが。。本当にどこに住んでいるかも分からないんです。」

と、話してくれた。奥から子供の声がした。新しいご主人とのお子様とのことだった。

帰路、夜道を歩きながら一体どうしたらよいのかと頭が混乱していた。翌日知り合いが「法テラス」という機関を教えてくれた。お金がなくてもひとまずフリーダイヤルで弁護士の卵の方たちが相談に乗ってくれる(※当時)というものだった。少しだけ光がみえた気がした。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?