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父のすごい歴史~6回の結婚歴③

保険屋は残る4人の子供の委任状が無ければ賠償金は0円だの一点張りだった。法律上決まっているのなら仕方ないやと、すぐに心穏やかにはとてもなれなかった。

秋田県の住所もあった。そんな交通費さえも捻出できない状況で、知り合いが教えてくれた「法テラス」に電話相談をする。すると完全成功報酬型の弁護士もいて霞が関にある「日弁連」に行きなさい、とアドバイスをもらった。

当時「にちべんれん?」という感覚だったが、うっすら見えた光に向かって行動あるのみだった。

日弁連にはたくさんの弁護士がいた。何人かと面談をして相性、条件が合う弁護士に依頼をできるという。

ここで出会ったのが新宿区に事務所を構える渡邊弁護士だった。経済状況も理解をしていただき完全成功報酬で父の賠償案件を受けてくれた。

物腰優しいタイプの弁護士さんで、私が20代でこの様な状況であることや、父の除籍謄本w見るなり、父の歴史について、失礼な意味ではなくこんな除籍謄本は初めて拝見しますし、初めての案件ですと驚いていたが、やる気十分という感じで解決に向け早速動き始めてくれた。

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これ以降、事故のことが嫌でも思い出される保険屋とのストレスあるやりとりも、途方に暮れそうになった会ったこともない兄弟姉妹探しも渡邊弁護士に。これで、もう少し睡眠時間がとれるかもしれない、と単純にうれしかった。どうなるかは分からなかったが頼れる人が誰もいなくて、あまりにがむしゃらに動いていた分、何とも言えない安堵感に包まれた。


この頃、母は心身の疲れもたたり体調を崩し働けない状況になった。尚更、絶対私まで倒れてはいけないと心身を保ちながら昼夜働いた。


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