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「お金」と「時間」を手にれて、人生に奇跡を起こす科学的方法「天引き思考」

人は2つのものを信じています。
「お金」と「時間」です。

「もっとお金があれば」
「もっと時間があれば」

そう言わない日はありません。

1. 人は「お金」が大好き

人の「お金」への信頼はスゴイものです。

2007年、パリ脳科学研究所の実験では
人はわずか0.017秒の表示であっても
1ペニー(2円)より1ポンド(200円)の方に
反応することが分かりました。

このとき参加者の脳内では、
大脳基底核にある
側腹淡蒼球という部位が活性化していました。

この部位は、2012年の
橘吉寿先生の研究により
もらえる報酬量を予測して、
行動をおこすモチベーションに変える
役割があることが分かっています。

人の「お金」センサーはスゴイものです。
0.1秒でお金の価値を見抜き、テンションを
上げてしまうのですから。

2013年 、心理学者
トマシュ・ザレスキゥイツツらの
研究チームは興味深い実験を
発表しました。

88人の参加者に対して
次の2種類のアンケートをとります。

A群)死への恐怖について
B群)歯医者さんに行く恐怖について

その後でこんな質問をします。

もし、突然10,000PLN(約28万円)
使えるとしたら何に使いますか?

参加者は、貯蓄か、
日用品や贅沢品のための消費かを
選ぶことになります。

結果は面白いものでした。

死と貯蓄

死への恐怖を問われた参加者は、
普通ならば「生きているうちに
使っちゃおう」と想いそうなものです。

あの世ではたぶん使えないでしょうから。

しかし、実際は「消費」より約44%も
多く「貯蓄」を選んでいました。

さらに、その「貯蓄」額は、
歯医者に行く恐怖を問われた参加者の
「貯蓄」額よりも約25%多かったのです。

人は死を強く意識すると
精神活動や政治、健康行動などを通して
自尊心や肯定感を得て、死への恐怖を
やわらげようとします。

お金を手元に置いておく「貯蓄」は
こうした死への恐怖への緩衝材に
なるのです。

まるで「お守り」です。

2.  人は「時間」も大好き


人は「時間」も大好きです。

世界最大の英語辞典
「オックスフォード英語大辞典」。

ありとあらゆる英単語が
掲載されたこの辞典のなかで
最もよく使われる名詞に選ばれた
ワードがあります。

それが”Time(時間)”です。
ちなみに2位は、”people(人びと)”
3位は、”year(年)”。

人が人より関心があるのが、
「時間」なのです。
なにしろ、人生は時間でできて
いるのですから。

そこで人類は時間の管理に
膨大な時間を使ってきました。

「今現在」を管理するため
時計を生み出しました。

「過去」を管理するため
帳簿や日記を生み出しました。

さらには「まだ見ぬ未来」を
管理するために、手帳
生み出しました。

3.  なのに、「時間」を見誤る


にも関わらず、私達はいずれも
満足に手元に残せていません。

私達は時間を見誤ります。

特に将来の時間は今よりもあるという
「未来錯誤」に陥ってしまいます。

先の「オックスフォード英語辞典」は、
1860年の作成開始時は
2年で完成する予定でした。

しかし1879年になっても
完成せず、10年計画に変更。

にも関わらず、5年たっても
【A】の項目をやっていたのです。
ちなみに5年目でたどり着いた単語は
ant(あり)。まさにアリの歩みです。

結局、完成したのは1928年であり
当初の計画の【34倍】も時間がかかりました。

4.なのに「お金」を見誤る


また私達はお金を見誤ります。

特に自分で上手く判断している
つもりの場面で、巧妙にだまされています。

2003年、MITの
ダン・アリエリー教授の
チームはこんな衝撃的な
実験結果を発表しました。

被験者は、MBAコースの
受講生55人です。

彼らには、あるオークションに
参加してもらいます。

そこで入札できる商品は6つ、
いずれも市販価格は
70ドル(約7500円)程度のものです。

入札前に彼らにあることをしてもらいます。

自分の社会保障番号の
下2桁(00~99)を書いてもらうのです。

そして教授は、
これから始まるオークションで
その書いた数字分のドルを
払ってもいいかどうか尋ねます。

たとえば、下2桁が99なら、
オークションで99ドル
払ってもいいか?という感じです。

もちろん拒否してもOKです。

・・・正直、意味のない質問ですよね。

社会保障番号は、ただの数字の羅列です。
その人の今のお財布状況や
欲しい商品の価値とは
何の関係もない・・・はずです。

しかし、その後の入札では
驚きの結果が待っていました。

なんと社会保障番号の
下2桁の数字が大きい被験者は、
小さい被験者の50%以上高い金額で
入札していたのです。

たとえば、入札対象の1つであつ
「ワイヤレスキーボード」については、
社会保障番号の下2桁が【20未満】の学生は
平均【16】ドルで入札していました。

これに対して、【80以上】の学生は
平均【55】ドルで入札していたのです。

私達は直前に特定の情報を
与えられると、
たとえそれが無意味・
無関係なものであっても、
その後の意思決定が影響を受けてしまう。

この心理効果を「アンカリング」といいます。

5.「時間」と「お金」が正しく見えない理由

なぜ、こんな事が起きるのでしょうか?

「お金」と「時間」には、「数字」という
共通項があります。合理的判断には
欠かせないものです。でも、私達はしばし
ならべられた「数字」に錯覚を起こします。

ちょっと試してみましょう。

あなたは次の掛け算の答えは
パッとみていくつ位になると
思いますか?

A)1×2×3×4×5×6×7×8

では、こちらの式はどうですか?

B)8×7×6×5×4×3×2×1

お気づきの通り、同じことを
逆向きにしているだけです。
でも、B)の方が大きな答えになりませんでしたか?

エイモス・トベルスキーと
ダニエル・カーネマンの調査では
回答者の答えの予想の平均値は
次のとおりでした。

A)512
B)2,250

ちなみに本当の正解は【40,320】です!

見た目の印象だけで、私達の
判断はこんなにズレてしまうのです。

6.「お金」と「時間」を守る唯一つの手段「天引き思考」

冷静に考えれば分かるでしょう。

でも、その冷静を許してくれないのが
情報化社会です。情報の濁流のなかでは
私達は立ち止まることも許されません。

「いざとなればできる」は通用しません。
「いざとなる前に準備する」他ありません。

ではどうすればいいか?
そこで役立つのが”earmaking”という
考え方です。

かって、自分の所有する家畜の耳に
印を刻んで群れの中で見分けが
つくようにしたように、あらかじめ
特定の目的のためにお金・時間を
確保しておくのです。

日本では、もう少し素敵な言葉があります。

プレゼンテーション1

.  お金の「天引き思考」の驚くべき効果


まず、お金の「天引き思考」の
実例をごらんください。

2009年、ディリップ・ソマンと
アマール・チーマは素晴らしい
研究を発表しました。

インドの貧困労働者146名に
「天引き貯金」を試してもらいます。

彼らは毎週土曜日に支給される
現金で2人以上の子どもを養う
必要があります。

しかし、銀行もないためか9割の人が
2%しかお金を手元に残せず、
3割が質入れにお世話になっていました。

そこで、ファイナンシャルプランナーは
次のような提案を被験者の半数にしました。

プレゼンテーション1

1つの封筒には、
一定の貯めたい額を入れて、
封をし日付を書きます。

14週間後、驚くべき結果がでました。

2つの封筒で「天引き貯金」をした群
(M=414)は、そうでない群(M=241)よりも
【約42%】も手元にお金が残ったのです!

何も難しいことはありません。
「お金を2つの封筒で管理した」これだけです。

8.「時間」の「天引き思考」の驚くべき効果


次に時間の「天引き思考」
実例をごらんください。

2002年、ミズーリ州の救急病院
セント・ジョンズ地域医療センターは
大きな危機を迎えていました。

32しかない手術室で
年間3万件の外科手術をこなす
必要があったのです。

つねに遅れに間に合わせるために
後手後手にまわる悪循環。

急遽呼んだアドバイザーは
実態を調査した上で
こんなアドバイスをしました。

プレゼンテーション1

スタッフは呆れます。「まともじゃない」と。
しかしアドバイザーには勝算がありました。

問題の根本は、
「予定のない急患への対応」でした。

この避けられない問題だけに
特化した余白を作ること。

試行期間の1ヶ月で
病院は劇的な成果をおさめました。

受け入られる手術は5.1%増しになり
午後3時以降に行われる手術件数は
45%減少し、労働環境も改善されました。

本採用後は手術件数は毎年7~11%増加し
収益も大いに改善されたのです。

何も難しいことはありません。
「予備の空き部屋を1つ用意した」これだけです。

9.「天引き思考」=天への引き寄せ

小さな積み重ね・工夫が
ある日とてつもない成果を
見せてくれる。

「天引き思考」はまさに
それを体現した最高に
コストパフォーマンスの良い方法です。

とはいえ、私達はこの感覚がつかめません。

こんな問題を考えてみてください。

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「30日目?」
いいえ、正解は59日目です!

ポイントは、「毎日2倍ずつ大きくなる」点です。
すると前日の59日目は、60日目の1/2の
大きさになるので、池の半分となるわけです。

ついつい私達は、
直線的な道のりを期待します。

しかし、実際大きな成長ほど、
小さな積重ねの果てに
急上昇していくのです。

かって物理学者アルバート・バートレットは
こう語りました。

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天引きは、指数関数的な人生の飛躍を
実現するシンプルな方程式です。

10.私の「天引き」人生

私がこの「天引き」思考に目覚めたのは
本多静六先生の著書との出会いでした。

「4分の1天引き貯金」と
1日1頁の原稿執筆で、
東大教授でありながら
一代で巨万の富を築いた方です。

当時、経営者としての
人生をはじめたばかりの私は
将来に備えて、さっそく妻と共に
「天引き貯金」をはじめました。

効果はてきめんでした。
その後、震災や不景気があっても
家族も従業員もお金で困ることが
なくなりました。

「使って余ったら貯めよう」では
とうてい無理だったでしょう。

味をしめた私は、貯金以外の分野でも
「天引き思考」を実践するようになりました。

私は30歳前半で、投資と起業の失敗で
6,000万円の借金を抱えていました。
その返済のために夜討ち朝駆けの仕事
をする余り、ストレスで
全身アトピーになり
さらに生まれたばかりの子どもとも
会えない日々が続きました。

振り返えれば、それは「直線的な道のり」
ばかりを求めていたからでした。
運命は残酷です。何が起きるか分かりません。
頭でっかちな計画や独りよがりな期待は
無残にも打ち砕かれます。

でも日々天引きで、何かを自動的に
積み重ねていけば、必ず対処できるのです。
人は自分の趣味や娯楽ならば、
自分から毎日「天引き」をします。
それを人生の必要な分野にも応用できないか?

たとえば、こんな「天引き」をしました。

□天引き感謝法

人間関係に亀裂が生じる最大の理由は
「『ありがとう』を忘れること」です。

自分のために労をかけてくれた人を
無視したり、「当たり前」だという
態度を示すことで亀裂は始まります。

そこで私は、人と話すときは
できるだけ「うなづき・笑顔・リアクション」
を心がけ、「ありがとう」を口癖にしました。

□天引き夢実現法

夢が叶わない最大の理由は、
「夢を忘れてしまうこと」です。


そこで、私はどんな大変なときでも
1日の中で必ず夢に向き合い
未来の自分を語り合う時間を設けました。

そこで役立ったのが「宝地図」です。

□天引き健康法

健康を大きく損なう最大の理由は
「日々の心身との対話を忘れる」ことです。

突発的に見える心身の故障も
日々の小さい違和感の積み重ね
だったりします。

そこで私はどんなに忙しいときでも
自分の心身の調子を自分で
確認する時間を設けるようにしました。

そこで役立ったのが「レイキ」です。

こうしたおかげで30年近くライフークで
事業を営み、毎年発展することができました。

まずは1日1%の時間(つまり15分間)を
意図して空けてみてください。

その時間を使って、未来への天引きを
していきましょう。

本日もお読みいただき
ありがとうございました。

「天引き思考」は、現実的に地を
歩みながら、気づけば天まで
上り詰めている「引き寄せ」の本質
でもあります。こうした極意をもっと
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参考文献A(P.171)
参考文献B(P.50~53)
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