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【エッセイ】久しぶりに二次創作を書いた話

  

 久しぶりに二次創作を書いた。
 どんな作品を書いたのかは教えられないけど。

 とにかく「もしもこのキャラたちがこんなことをしていたら、どんなことをしているんだろうなー」という妄想を文章にしたためた。二次創作を書いたのはいつ以来だろう。多分何年ぶりだ。

 書いた作品を原稿用紙に換算すると40枚弱だった。
 長編小説は原稿用紙に換算すると300枚程度なので、今回書いた小説は短編小説の枠に入る。文量としては少ない方だ。

 だけどこれを書きあげるのに約一ヶ月かかった。
 書いている時間の大半が苦痛だった。


「この表現でいいのだろうか」「面白いのだろうか」

 執筆時に思い浮かんでくる不安の言葉が、筆を折ろうと試みてくる。

 その幻聴を聞いた時、書くのやめようかと何度考えたことか。

 私はこれまでその悪魔の甘言にそそのかされて、数多の書きかけの作品を生み出してきた。今書いている作品もその中の一つに入ってしまうではないか、と諦めかけていたが、なんとか踏みとどまった。

 書いている作品が面白くないのではと疑心暗鬼を抱(いだ)いても、拙い表現を書いて自分の実力不足を痛感しても、キーボードの前から逃げることなく、打鍵を続けた。

 そうして書き続けていくうちにだんだんと不安を煽る声が聞こえなくなっていき、気づけば無我夢中で書いていた。そして先日ついに完成したので、某サイトに投稿した。

 果たして自分の書いたものが読者の心に響いてくれるだろうかと逸る気持ちで反応を待っていたが。

 反応が来た時は、これがまぁ、めちゃくちゃ最高の気持ちになる。

 お金が貰えるわけじゃない。地位と名誉が与えられるわけじゃない。
 でもそれに匹敵するくらいの気分を味わえる。自分の書いたものが認められるというのは、これほど嬉しいものなのかと実感させた。

 これを機に細々と小説を書くのもいいのかもしれない。
 久しぶりの二次創作は、確かな手応えを感じる素晴らしい体験だった。

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