【本】読書×完読×衰退

僕は本を途中でやめる事はよほどじゃないかぎりしない。
どんな面白くなくても、一度出会って読みだした本は最後まで読み切る。

「ゲームデザイナー小島秀夫の視点」より抜粋

 この言葉を読んだ時に、一瞬「うっ」と怯んでしまったのは、完読していない本に心当たりがありすぎるからだ。小さい頃は本を最後まで読み切っていたはずなのに、今読み切れるのは、せいぜい、140文字以内のツイートと漫画くらいかもしれない。

 去年手に取った本は100冊以上はあるが、最後まで完読できたのは、大体25冊。最後まで読んだ本は手元のメモに書き残していたので、この数字の信憑性は高い。
 日本人の年間の読書量は12.3冊なので、1年間で25冊完読できたのは、一般的には本を読んでいる方かもしれないが、個人的には危機感を覚える数字である。子供の頃はもっと読めたからこそ、この数字がまずいと感じている。

 そういえば完読するための体力と根気がなくなっているような気がする。   
 どうして体力と根気がなくなっているのか。その原因を考えてみると、読書以外のことに思考を巡らせているからだろうか。

 いつになったら景気が良くなるんだ、以前話題になっていたアレの顛末はどうなったのか、あの新作ゲームの進捗どうなってるんだ、あの実況者の動画早く投稿してくれないか。読書とは全く関係ないことを考えてしまう。
 子供の頃は余計なことを考えずに、読書に没頭していたが、今となっては、過剰摂取された情報がノイズになってしまい、読書ができない体質になりつつある。

 自分のアイデンティティが緩やかな衰退を始めていると言ってもいい。

 今年は、小島秀夫氏の読書スタイルを見習って、一度手に取った本はよほどのことがない限りは最後まで読み切るように心がけていきたい。まずは「ゲームデザイナー小島秀夫の視点」を完読する。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?